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アインクラッド篇
movement Ⅰ 白き夜のクリスマスソング
VS閃光
前書き
最初にあんまり原作キャラ出ないとか言っておきながら結構な序盤で、しかも大暴れします。ご了承下さい。
「さーて、どこがいい?」
「ん~~、この街でオススメある?」
「お任せあれ。」
そう言って俺はこの層攻略の時に見つけた、穴場の酒場へ向かう。転移門広場を挟んで反対側なので少し距離がある。と、そこで俺達は丁度転移門から出てきたプレイヤー達と鉢合わせした。その顔ぶれはーー正直、あまり会いたくない連中だった。
「あ、」
「げ、」
出て来てのはKoB、血盟騎士団のパーティーだ。その先頭にいたのは………
「……よう、『閃光』さん。」
『閃光』ことKoB副長、アスナだった。
「………奇遇ね、アマギさん。」
互いに声音が剣呑になる。そう、俺とKoB、事にこの女とは非常に相性が悪い。顔会わせた瞬間うっかり「げ、」とか言っちゃうレベル。それこそ水と油だ。
「最前線の皆が今日も頑張って迷宮区に入っているのに、こんな何ヵ月も前に攻略したフロアにいるなんて、暢気なものですね。」
「ああ。暢気さ、もとい楽観的なのが俺の一番の長所でね。」
互いに敵意を隠す気ゼロだ。
「全く、あなた達みたいなのが攻略組全体の足を引っ張るんです。あなた然り、どっかの黒ずくめの剣士然り。特にあなた達のギルドと来たら、攻略ギルドなのに知らない人の方が多いなんて。」
「………まあな。」
これはさすがに言い返せない。
「どうせあなた達の実力なんてたかが知れてるんです。足手まといにならないうちにとっとと辞めたらどうです?」
「へぇ、そんなに言うからにはあんた、さぞ強いんだろうなぁ?」
後ろからソラの制止する声が聞こえるが気にしない。
「ええ、少なくともあなたよりは。何だったらこの場で見せてあげましょうか?」
「ああ、だったら………。」
俺は素早くウィンドウを出して操作する
「見せてもらおうじゃねえか。」
その言葉と共に確認ボタンのイエスを叩く。システムメッセージが表示されて曰く、
『asunaにデュエルを申し込みました』
「……………後悔、しないわね?」
「する要素がないからな。」
「いいわ、」
アスナがデュエルを受諾する。ルールは勿論『初撃決着モード』。後ろでソラがあきれた様な声を出すがもう後の祭りだ。俺は背中に吊ったさっきの師匠がくれた剣、ブラッドサージを抜き放つ。向こうも腰のレイピアを抜いて、中段に構える。60から始まったカウントが0になった瞬間、DUELのエフェクトを突き破るように突進する。互いに通常技だが、向こうはソードスキルかと思う程速い。が、見えない訳でもなければ防げない攻撃でもない。慌てず剣の腹を弾いて突きの軌道を逸らす。そのままがら空きの胴体にきつーい一撃を………加える前に、戻ってきたレイピアに阻まれる。
「チッ!!」
「くっ!!」
そのまま押し切るべく、片手直剣三連撃ソードスキル『シャープネイル』を発動させる。
「ぜりゃあ!!」
しかし、同じく三連撃ソードスキルを使った相手に相殺される。そのまま打ち合いになるが速さと手数では勝てない。
(片手じゃ振り遅れるか……)
そこで俺は柄を“両手”で握る。
「!?」
「おっらぁ!!」
単純に二倍になったパワーで振るわれた一閃はアスナを軽々と吹き飛ばす。そこを見逃す俺ではない。片手半剣二連撃ソードスキル『ウォークライ』、片手直剣の『バーチカルアーク』と似ているが最初の一撃を両手で振るうため、技の入りの速度は比べ物にならないくらいに速い。初見での対処はほぼ不可能な技だ。しかし、ほぼと付くからには当然例外があり、目の前の細剣使いもその一人だった。
「イヤァァァ!!」
「んな!?」
細剣二連撃ソードスキル『パラレルスティング』が、俺の剣の柄を正確に捉えた。スキルの出鼻を潰された俺は通常より長い硬直時間を課せられ、その隙にデュエルの決着を付けることはこいつにとって造作もないことだろう。しかし、俺の性格の悪さは自他共に認めるところにあるので、その通りになど絶対になってやらない。
「ふん!!」
体術スキル『双月』、その初撃の膝蹴りが今まさに俺を貫かんとしていたレイピアを下から迎撃する。繰り出されていたのは平突きだったため、ダメージはない。そして二撃目、膝蹴りを繰り出した足でそのまま踏みつけを行う。ダメージが少ないため、決着には至らないが足の甲を踏んだため、動きを封じる。
「終わりだ。」
最短距離を最速で。一撃を叩き込む。
「俺の勝ち♪」
ウィナー表示越しに閃光様に満面の笑顔をぶつけてやった。この辺りが性格悪いと言われる所以だろう。直す気は更々ないが。
後書き
………バトルシーンって、どうも思い通りに行かない。
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