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異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。

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僕の世界を説明中

 宿に戻りそこでリリアに僕は道具を作ってもらうことになった。
 その間にエイダにい世界の話をしようと思ったのだけれど、そこで僕は気付いた。

「そういえばレイアのその杖って魔力を込める必要があるのかな?」
「はい、事前に魔力が幾らか必要で……」
「じゃあ、僕が杖に魔力を入れるよ。確か僕の魔力はすごく大きいし」
「……よろしくお願いします」

 少し顔を赤らめて、レイアが小さく微笑んだ。
 そんな小さな表情の変化だけれど、レイアのその笑顔を見ていると僕は何だか変な感じがする。
 なんというかこう、もっと頑張らないといけないような……上手く言えないけれど、そんな感じだ。

 こんな感情は元の世界の友達の女子には抱いたことがない、そんな感覚だ。
 そう僕が思いつつレイアから杖を受け取り、

「それで僕はどうすればいいのかな?」
「この一番杖の上の部分に手をふれて、魔力を満杯に……ではなくほんの少しでお願いします。颯太の魔力はとても大きいですから」
「う、うん、分かった」

 そう答えながらっそっと人差し指の先だけ触れて、僕は魔力を少しだけ、少しだけと念じる。
 レイアの杖の先端には入れ物のようなものがあり中には水色の石が入っているが、今は穴が空いたようにボロボロになっている。
 それを修復するイメージを持ちながら魔力を注いでいく。

 ふっとレイアの杖にある意思の穴あきが消えた。
 まずいと思って僕は慌てて手を放すと、キチッ、といったような何かにヒビが入るような音が聞こえたがぱっとみでは大丈夫そうだった。
 しかも中に入っている石が穴あき状態からそれがなくなっただけでなく強い青い色合いになっている。

「あまりにも強い魔力なのでこんな色になってしまったようです」

 レイアの説明に僕が聞くと大丈夫と答えたのでよかったと僕は思う。
 そしてその杖を返して、そこで、

「よーし、私もこれを使って頑張って即興の杖を作っちゃうぞ~」

 リリアが楽しそうに言い出した。
 そして作り始めたのでそれを見ていようとすると僕は何者かに襟首を捕まえられた。
 振り返るとそこにはエイダが立っていて、

「異世界に関して教えなさいよ」
「そういえばそんな約束もしたけれど、僕にとっては魔法のほうが珍しいんです」
「魔法なんて幾らでも見れるわよ。それよりも異世界の話!」

 エイダに僕は急かされ、気づけばレイアも僕の前に現れている。
 期待するように女の子(しかも可愛い)二人に詰め寄られた僕が、リリアの道具作りを見ていたりするなんて出来るまでもなく。

「分かりました」

 そう答えるしかなかったのだった。







 こうして僕は僕の世界の位置地域ですよといった前置きで色々と説明した。
 僕にとっては当たり前のことだったのだけれど、この世界ではそうでもなかったらしい。
 やがて僕の世界では、幻想というか空想となってしまった生き物についていくつか告げて、

「“吸血鬼”もお伽話でしか出てこないんですよ」
「なん……だと……」

 絶望したように呟くエイダ。
 そしてそのまま彼女に、

「く、この世界に移住したって話は本当なのね。まあこの世界の人間たちも移住した人達と同じだけれどね」
「え? そうなんですか?」
「そうよ。でもそういえばそうやって魔法使い達がいなくなったからその世界からは魔法が消えたってお伽話があったわね」
「へぇ~、それについて今度はエイダが話してくれると嬉しいかな」
「い、いいわよ」

 エイダがそう言って話してくれた話はこのようなものだったのだった。








 
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