転生とらぶる
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Fate/stay night
1186話
何かの感触を覚えて目が覚める。
目を開けると、俺に左右から抱きついて腕を枕にしながら眠っている凛と綾子の姿。
当然の如く、3人ともが一糸纏わぬ姿だ。
それでも寒くないのは、俺が自然と混沌精霊としての力を使って体温を上げているからか。
もっとも、だからこそ凛も綾子も俺に抱きついているのかもしれないが。
時計へと視線を向けると、午前7時近い。
衛宮家の朝食の時間は比較的早い筈だから、いつもならもう朝食が終わっていてもおかしくない時間なんだが……家の中で誰かが動いている様子はない。
一瞬敵襲があったのかとも思ったが、そんな気配があれば幾ら何でも起きるだろう。
そもそも敵で残っているのは言峰だけであり、その言峰もサーヴァントは存在せず、こっちとの圧倒的な戦力差は理解している筈だ。
となると、考えられるのは……単純に俺達と同じく衛宮も体力を消耗して起きられなかったとか?
それでもイリヤ達は起きてもいいような気がするけど……
けど、こっちにとっては好都合でもある。
何しろ、部屋の中には昨日同様……否、昨日以上にその手の臭いが籠もっているのだから。
当然布団の方も色んな体液で汚れており、このままでは使い物にならない気がする。
……桜や衛宮辺りに何をしてたのかを悟られるのは避けられない、か。
ともあれ、布団だけじゃなくて俺達の身体も同様に色々と汚れている。
昨日同様、一旦凛の家に戻って風呂に入った方がいい。
そう判断すると、俺に抱きついている2人を揺らして起こす。
その際に、一部分が片方は思い切り揺れて、もう片方はそれ程揺れなかったけど……それは言わない方がいいだろう。主にガンド的な意味で。
「ほら、凛、綾子。起きろ。もう7時になるぞ。このままだと色々と不味い事になるから、昨日みたいに凛の家に戻って風呂に入ってくるぞ」
「……何よ……まだ7時って、3時間しか寝てないじゃない……もう少し眠らせて」
「ああ……うん、あたしももう少し……」
俺の言葉に、2人共が寝言のようにそう告げてくる。
あー……うん、昨日っていうか時間的には今日、いや数時間前か。とにかく頑張りすぎたな。
ただ、このままだと不味い事も事実なので、取りあえず2人を起こさないようにそっと離れてから、空間倉庫の中に入っていた紙に昨日同様の書き置きを残し、凛と綾子の着ていたパジャマや下着を回収し、窓を開けてそのまま影のゲートを使って転移する。
そうして姿を現したのは、凛の家の居間。
ただ、俺達3人が全員身体中色々なもので汚れている為にそのままソファへと寝かせる事も出来ず、バスタオルを敷いてから2人を眠らせる。
それから風呂の準備をして……3人で風呂に入り、そこでまた盛り上がってそういう行為をして、結局風呂から上がって3人がすっきりした時には8時近くになっていた。
「ちょっと、もうこんな時間じゃない! アクセルが風呂でしたいなんて言うから、昨日に続いて2日連続よ!」
「まぁ、いいじゃないか遠坂。私達も愛されてるって実感はあったんだし」
「……綾子、あんたねぇ」
既に朝起きた時の身体中が色々な意味でドロドロになっていたのは嘘のように綺麗になった2人に、冷蔵庫から取り出したよく冷えたジュースを飲みながら口を開く。
「それより、そろそろ衛宮の家に戻らないと朝食を食いっぱぐれると思うけど、どうすおわぁっ!」
言葉の途中で飛んできたガンドを、間一髪回避する。
「いきなり何するんだよ。今日は聖杯戦争最終日……になる予定の日だぞ? そんな時に、自分のサーヴァントにいきなりガンドを撃ち込むとか、なんてマスターだ」
「へぇ……それなら、マスターの身体を散々貪るサーヴァントは酷くないのかしら?」
「それは……愛情表現だろ?」
その言葉と共に、再び飛んできたガンドを回避する。
凛も、俺には命中させる気でガンドを撃っても絶対に当たらないと判断しているのだろう。意図的に狙いを外すのではなく、最初から命中させる気で撃っていた。
「あ・ん・た・ねぇっ!」
「あー、ほら遠坂。あまり家の中で暴れるなって。壁がガンドのせいで傷がついてるぞ?」
綾子も綾子で、既にこの程度の騒動では動じなくなっている。
……つくづく思うけど、この聖杯戦争で一番原作と運命が変わったのは綾子だよな。
それが幸運なのか不運なのかは分からないけど、それでも綾子は喜んでくれているんだから俺としても喜ぶべきだろう。
「っ!? ……全く。いい、アクセル。今夜は昨夜みたいにあっさりと負けたりなんかしないんだからね。……わ、わ、わ、私にあんな格好させて、あんな台詞を言わせて、しかもあんな場所を責めるなんて……」
「そうか? その割りには、随分といい声で啼いて雰囲気出してたけどな。あたしから見ても背中がゾクゾクってくるくらいに」
「綾子!」
そんなやり取りをして、更に10分。ようやく収まると影のゲートを使って衛宮の家へと戻っていく。
こんな何でもないやり取りでも、しみじみとした幸せを感じる事が出来るというのは、何だかんだで俺がこの2人に対してどう想っているのかを現しているんだろう。
それこそ、レモン達と比べても遜色ない程の愛情を抱いていると。
この2人の為にも、大聖杯の排除は絶対に成功させないとな。
「うわぁ……これは、また……」
衛宮の家にある部屋に戻ってきた瞬間、綾子が呟く。
その視線の先にあるのは、乱れに乱れた布団。
シーツは色々なもので汚れており、部屋にはまだかなりきつい臭いが残っている。
一応窓を開けていったのだが、1時間強くらいでは、残念ながら臭いを完全に消し去る事は出来なかったらしい。
「……」
凛は俺の横で顔を真っ赤に染めながら、何かを誤魔化すように部屋の中へと視線を向けていた。
まぁ、この臭いの元を考えるとその気持ちは分からないでもない。
そんな風に考えながら、さてこの部屋をどうするべきかと考えていると、やがて近づいてくる足音に気が付く。
この足音が誰のものなのかというのは、容易に想像がついた。
そうして、襖をノックする音の後に声が掛けられると、当然ながら凛は慌て出す。
「おはようございます、先輩方。少し遅いですが朝食の用意が出来てますので……」
襖を開けながらそう言った桜だったが……部屋の中に入る前、襖を開けた瞬間に漂ってきたその臭いが何の臭いなのかを理解したのだろう。顔を真っ赤に染めながら下を向く。
「えっと、その。……おはようございます。さっきも言いましたけど、朝食の用意が出来てますので居間の方に来て下さいね!」
素早くそれだけを告げると、そのまま襖を閉めて去って行く。
凛は顔を真っ赤にしてそれを見送り、綾子もどこか気まずそうに視線を逸らす。
いやまぁ、その気持ちは分からないでもないけど。
ただ、このままここでじっとしている訳にもいかないってのも事実な訳で。
「ほら、朝食だって言うんだから居間に行くぞ」
そう告げ、凛と綾子の2人の手を引っ張りながら部屋を出て行く。
照れくささや羞恥からだろう。凛が、あーとか、うーとか唸っていたが……それでも結局居間に行かないと駄目だというのは理解したのか、大人しく俺に手を引かれながらついてくる。
綾子の方は凛に比べるとそっち方面で吹っ切っているのか、少し照れくさそうにしているものの、凛のように動作不良には陥っていなかった。
そうして居間に到着すると、凛が恐る恐るといった様子で口を開く。
「お、おはよう」
居間の中には既に俺達以外全員が揃っていたが、凛の一言でセイバーや衛宮、桜といった者達がどこかぎこちなく固まる。
……うん、これは俺達がどういう行為を行っていたのかしっかり理解しているな。
いやまぁ昨日の今日だし、今日が聖杯戦争最後の日になるのだと思えば無理もないけど。
テーブルの上に乗っているのは、和食中心のメニュー。
だとすれば、衛宮が作ったのか?
もしかして、朝食は衛宮、夕食は桜といった具合に区別しているのかもしれないな。
そんな風に考えながらテーブルに着くと、桜が茶碗に盛ったご飯を渡してくる。
いい匂いをしているのは、銀鱈の味噌漬け。
キュウリとカブと昆布の漬け物や、厚焼き卵も食欲を刺激してくる。
他にも小鉢にちょっとした料理がある辺り、芸が細かい。
「じゃあ、食べるか。いただきます」
衛宮の言葉に、俺も含めて他の皆も頂きますと告げてから箸を伸ばす。
野菜がたっぷりと入った、具だくさんの味噌汁から食べる。
うん、美味い。
特に昨夜の運動や、凛の家の風呂場での運動もあって腹が減ってたからな。
食事が始まって暫く経つと、やがて最初のぎこちない雰囲気も薄れてそれぞれが話をしていく。
それでも全員が昨夜の話に関して触れないのは……まぁ、そういう事なんだろう。
そんなこんなで食事が終わり、今は桜の用意してくれたお茶を飲みながら食休み。
……こうして見ると、完全に桜が衛宮の若妻的な立ち位置にいるんだが。
この辺、狙ってやっているのなら凄いな。
「さて、じゃあ今夜の事に関して話しましょうか」
通常の話題が一段落したのを待って、凛が告げる。
その時点で、聖杯戦争についての話になると理解したのだろう。居間にいる皆の顔が引き締まる。
「今夜、か。やっぱり柳洞寺にいる人達を強制的に避難させるってのは、夜になるのか?」
「そうよ。大体、日中だとお寺に来る人もいるかもしれないでしょ? そんな時にお寺の人が誰もいなければ、怪しまれるでしょうし……何より、昼に大聖杯を消滅させるような真似をすれば目立つじゃない」
衛宮が首を傾げるが、俺と綾子は納得する。
大聖杯の消滅に使うのは、言うまでもなくニーズヘッグだ。
高さ15m程度で他のPTに比べれば小型だとしても、人型機動兵器の存在していないこの世界では非常に目立つ。
それこそ、そんな物が日中に存在しているのを見られれば、冬木の市長……確か氷室の父親だったと思うが、どんな事になるのやら。
ただでさえ10年前に行われた前回の聖杯戦争では、巨大海魔やら戦闘機と追いかけっこをした黄金の船やら、色々とあったのだから。
……正直、よくあれを隠し通せたものだよな。
10年前だし、多分今の氷室の父親が市長ではなかっただろうけど……その手腕は驚嘆に値する。
まぁ、大火災や聖堂教会、魔術協会辺りが動いたからこそ何とかなったんだろうが。
「なるほど。それで、柳洞寺の人達を避難させるのは結局アークがやるのか?」
「昨日決めた通り、何か他に手段がない以上はそうなるだろうな」
「魔術でやろうと思えば出来るけど、アークエネミーが出来るっていうならそっちに任せたいわね。宝石はいざという時の為に節約しておきたいし。綺礼がまた現れると厄介でしょ」
凛の言葉に、俺以外のその場にいた全員が頷く。
昨日の戦いで撃退したとしても、色々と手こずったんだろう。
サーヴァントを打倒しうる人間がいるというのは、原作でも葛木がセイバーを相手にして圧倒していたのを見れば明らかだし。
キャスターの強化なしで序盤はセイバーと戦っていたんだから、この世界の人間は色々と凄い。
「それで、大聖杯を処理するってのはどうするんだ? 出来ればあまり手荒な真似はしないで欲しいんだけど」
俺の方へと視線を向けて尋ねてくる衛宮に、小さく首を横に振って口を開く。
「手荒というか……正直、一番簡単で確実なのは、柳洞寺のある円蔵山をそのまま全て消滅させてしまうってのが手っ取り早いんだが」
フレイヤを使って円蔵山そのものを消滅させてはどうかという言葉に、衛宮が頬を引き攣らせて頭を下げてくる。
「頼むから、止めてくれ。一成達の財産的な意味でも問題だし、何より柳洞寺に墓のある家も多いんだ」
ああ、なるほど。……あ、外道な方法を思いついた。
衛宮切嗣の奥の手である、起源弾。それは衛宮切嗣の骨から作られている物なんだから、墓に納骨されているのを使えば……いや、駄目か。何らかの魔術的な処置もせずに火葬されてしまっている以上、多分起源弾には出来ないか。
「となると、大聖杯のある場所だけを限定して消滅か。一応何とかなると思うが」
ラグナロクもそうだし、フレイヤだって効果範囲を設定出来る以上は何とでもなる。
ただ、その辺の調整はしっかりしないと、恐らく大聖杯のある空洞が崩れて、連鎖的に山そのものが崩れる可能性もあるか。
「……頼む。本当に頼む」
俺が本気で円蔵山を消滅させると思っているのか、衛宮が何度も頭を下げてきた。
まぁ、そうだな。俺としても迂闊に破壊をもたらしたい訳じゃないし、衛宮の言う事も聞いてもいいだろう。
柳洞は嫌いじゃないし。
「じゃ、取りあえず話が決まったって事で、日中は自由行動にしましょ。衛宮君、どこか空いてる部屋ない?」
「は? 部屋なら昨夜の……」
そこまで告げて、俺達が昨夜どのような行為をしたのかを想像したのだろう。衛宮の顔が赤く染まる。
それを見ていた凛もまた、何を想像されたのかを理解したのか顔を真っ赤にしていた。
「ほら、いいからどこか部屋はないの? 寝不足なんだから、夜に備えて眠っておきたいのよ」
「あ、衛宮。あたしも頼む。アークと一緒に寝ると体力の消耗が激しくてね」
「……すぐ、用意する……」
綾子の言葉により一層頬を赤く染め、衛宮はそう呟きながら俺の方へとどこか憮然とした視線を向けるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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