ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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学園祭のライオンハート
第一試合:メガ進化と新たな禁手の姿
『それでは、両「王」の選手、台の前へお願いします。なおバアル&グレモリーチームは、サイラオーグ・バアル選手からです』
審判に言われ、俺とサイラオーグがダイスの置かれた台の前に立つ。
『第一試合を執り行います。出場させる選手をこれより決めさせます。両者共にダイスを手に取って下さい』
俺はダイスを取った。俺は緊張してないが、サイラオーグはどうだろうか?
『シュート!』
審判の掛け声によって、俺とサイラオーグはダイスを振った。台の上で転がるダイスは、くるくる回りそして動きが止まった。巨大モニターに二個のダイスの姿が映し出される。
『兵藤様は2、対するサイラオーグ・バアル選手は1、合計3となりその数の価値分だけ眷属を送り出す事が出来ます!この場合は「騎士」か「僧侶」の一名となりますが、今回タッグ戦なのでバアルとグレモリーからその数の価値分の眷属を送り出す事が出来ます。「騎士」ならバアルとグレモリーで二人となりますが、兵藤様はこの場合ですと一人出す事となります。つまり数の価値分、普通なら黒神眷属は不利とされますが恐らく平気でしょうね。なお兵藤様の「兵士」価値分は1ですので、3名出る事が可能になります!さあ、両陣営最初に出す眷属は誰でしょうか!?』
実況がノリノリで言っていたが、3なら『兵士』3名出す事は可能だがまだ早い、すると審判が宣言した。
『作戦タイムは5分。その間に出場選手を選んで下さい。なお「兵士」のプロモーションは、フィールドに到着後昇格可能になります。試合ごとにプロモーションが解除されますので、その度にフィールドでプロモーションをして下さい』
作戦タイムと言うよりかはシンキングタイムとなった時、両陣営が結界が張られた。防音対策で、更に外部に口元を読唇術で読まれないようにしてるな。各選手の顔に特殊なマークがつくようになってるが、あちら側に取り付けた盗聴器は万全だな。この為に小型偵察機を送り込んだのだから。にしても実況がノリノリで煽っているが、いきなり最小数字が出て来たな。
「で、どうするんだ一誠?」
「うーんそうだな、本来なら『兵士』も出せるがまだ早いと思うからな。ここは「騎士」のジークに行ってもらおうと思う」
「今回はコーティカルテさんや僕達元『禍の団』英雄派の力を見せたいというのですか?」
「そうだジーク。何せ俺達と地獄のトレーニングをしたんだ、禁手も亜種で変化した者もいるからな」
「確かにあれは死ぬ寸前のトレーニングだった。お陰様で俺の禁手も完成したからな」
「あちら側が誰が出るかは予想済みだが、一応盗聴器で聞いてみるとしようかね。それとジークにはボールとメガリングを渡しておく、使い方は既にマスター済みだろ?」
ボールとリングを渡した事で、今回のパートナーが特性加速を持ったバシャーモだと知るとリングを手首にハメてから準備態勢を取る。一方あちら側は最初に出す者に関して読んでいるのだと両『王』が言っていた。『騎士』同士でバアル側はベルーガ・フールカスで、グレモリー側は祐斗を出してくるのだとね。
「あちらは最初から騎士を出してくるでしょうね。それもこちらは祐斗でサイラオーグの所はベルーガでしょうね」
「どうしてですか?」
アーシアが聞くと祐斗が答えるが、指を立てて三を示していた。
「三が出た以上、こちらが出せる選手は四名。『騎士』の僕とゼノヴィアとベルーガとリーバン、『僧侶』のアーシアさんとギャスパー君とコリアナさん。サポートタイプである『僧侶』を初っ端から単独で出せるはずも無いからね。特にアーシアさんとギャスパー君は、元々前衛になる戦士と組んでこそ真価を発揮する後衛タイプとなっている。ダイスの合計数字が六以上から出すべきメンバーとなるから・・・・」
「そうなると自動的にこちらの『騎士』を出す事しか出来ない、か。確かにそうだが、黒神眷属がどう言う風に戦うかは分かっていない。知っているとしたらアーサーが持つ聖剣が二本と二刀流使いだと言う事だけで、パワーとテクニック両方を備えている剣士がいる。それにゼノヴィアはパワータイプの『騎士』と知っている以上、ハメ技を貰うリスクが高いからか」
「・・・・無傷で勝利は難しいだろうが、テクニックタイプに後れを取るつもりはないぞ」
ゼノヴィアが頷いたが、自信満々は止そうぜ。勝ち負け関係なくこちらはエクス・デュランダルの仕様を知っている訳だから、どういう戦法で来るかは相手次第だな。それを後々取っておいてから中盤での激闘、力を晒すならそことなり初手では勿体無いから自動的に祐斗とベルーガとなる。手の内を知っていて、臨機応変に戦える能力はゼノヴィアよりも上。
「あちらは誰が出るか決まったのか?」
「決まったようだ・・・・両方とも『騎士』でベルーガ・フールカスと木場祐斗となった。バアルの『騎士』は、馬を司る一族出身で「青ざめた馬」アルトブラウを駆る甲冑騎士で武器は円錐形のランスを使う。グレモリーの『騎士』は、聖魔剣を使う事と後天的だが聖剣創造を持っているので新たな禁手による方法で来る可能性が高い」
「なるほど・・・・戦い甲斐がありますが、僕の魔帝剣グラムと魔剣四本とエクスカリバーを持つ者にとって相手は嫌がるだろうな。『龍の手』は禁手無しでも背中に四本生えるようになったからな。聖魔剣の新技も楽しみだが、今は僕らの初陣に関して驚いてもらいたいな」
「俺らの狙いは最初からそこだからな?ジーク、思いっきり戦って来るんだな」
聖魔剣の新技にゼノヴィアのデュランダル砲はチャージ時間もあるから、高速で放たれたり阻止されたり避けられてしまう。リアスらも分かって祐斗を出すのだからな、ゼノヴィアは何も考えていないかのようだし、一番の持ち味である体力を消耗させて終わりじゃ話にならない。祐斗は襟元を直して、ベルーガは愛馬と共に出陣しようとしていた。
『制限時間の五分経過となりますが、試合に出場する選手は魔法陣の元に足を進めて下さい。魔法陣は移動式のモノとなっておりまして、そこから別空間に用意されたバトルフィールドへ転送されるようになっています。各種用意されたフィールドはランダムで選択されてフィールドに転送されるまでの間、両陣営の陣地は結界によって不可視の状態になります。この状態が解除されるのは試合終了してからです』
「と言う事で行って来いジーク。俺らの力とやらを見せて来いや、お前ら元『禍の団』英雄派が俺の仲間になっていると言う事は知らない情報となっている。相棒であるメガバシャーモと共にな」
「分かっています。魔帝剣グラムと量産型聖剣エクスカリバーを手にした僕と相棒であるバシャーモと共に勝利を取ってきますよ」
メガリングを手首にあるのとポケットにボールが入っているのを確認したジークは、魔法陣の上に立つと光出したと共に姿が消えたが陣地上空に映像風景がいくつも現れて、一つは観客の様子を映したものだ。
一番大きな映像には風景が映し出されていて、広大な緑の平原だった。そこにはまだローブと仮面をつけているジークと青白い炎を全身から放つ馬に乗った甲冑騎士と祐斗の姿を視認する事が出来た。全員黒神眷属専用電波を発する通信機を耳につけているので、盗聴されようが無駄に終わる訳だがな。
「あの魔法陣はバトルフィールドへ選手を転送する為なのですね。専用フィールドが別次元に用意されているから、ここが戦場になる訳では無い。ですが転送される間、こちらと黒神陣地はこちらから見えないようになっています」
「・・・・不可視になるのは相手の出場選手を見て、直前で自軍の駒を替えない為の配慮です。ですが一誠先輩は最初から予測をしているので、それをするまでもないでしょう。不正をするような輩であれば、創造神からの鉄槌が下りますから」
「なるほど・・・・フィールドに出されるまでどんな選手が出場するか見物なのかは、観客側を喜ばせる為なのですね。・・・・黒神側は仮面とローブ姿をした者ですが何者なのでしょうか?」
「俺達でも分からないのならば、解説役でも分からんのだろう。だが俺らが簡単に負ける訳にはいかんからな」
サイラオーグの一言で通信機を付けたベルーガと祐斗の姿を見えた事で、観客らは大いに盛り上がった。
『おおっと!第一試合の出場選手がバトルフィールドに登場です!フィールドは見渡す限りの広大な平原!この緑広がる原っぱが第一試合の舞台となります!合計数が三によって、両陣営から選ばれたのはグレモリー側からは神速の貴公子!木場祐斗選手です!リアス姫のナイトが登場です!』
「「「「「キャァァァァァァァァァァァァァァァッ!木場きゅぅぅぅぅぅんっ!」」」」」
実況に煽られて、観客の女性達が黄色い歓声を上げたのだった。マジで大人気なのは知っているが、まさかここまでとはな。イケメン王子だからか、一人だけ良いポジションにいるが即席コンビとして組む事になったバアル側からは甲冑騎士が馬を歩かせて兜のマスクを上げて顔を見せた。それも祐斗と隣にいるが、本来なら自分で言うはずが今回コンビを組むので実況が紹介した。
『そしてバアル側からは青ざめた馬に乗る剣士、ベルーガ・フールカス選手です!アザゼル総督、あの青白い炎に包まれた馬の事ですが』
『・・・・「青ざめた馬(ベイル・ホース)」は地獄の最下層であるコキュートスの深部に生息する高位の魔物ですな。名立たる悪魔や死神が跨るものとして語り継がれているが、死と破滅を呼ぶ馬とも言われています。乗りこなすのは容易じゃなく、気性が荒いので気に入らない者なら主でさえ蹴り殺すとされています。それより俺が気になるのは仮面とローブを付けている選手だ』
『一応自己紹介するけど、僕はリアス・グレモリー様の「騎士」木場祐斗です。どうぞよろしくお願いします、と言いたい所だけどそろそろ正体を明かしてくれないかな?』
『こちらは名高き聖魔剣の木場祐斗殿とコンビを組む事に光栄ですが、確かにその通りで今度は貴方の自己紹介をして下さい。剣士同士素性を隠さずに姿を現しなさい!』
剣士冥利に尽きるが、早速聖魔剣と『青ざめた馬(ベイル・ホース)』に乗る甲冑騎士の紹介が終えた事で今度はこちら側となった。ジークは仮面とローブを脱いだら、歓声が上がるがそれも恐怖や畏怖な声だった。
『僕の名前はジーク。北欧神話に登場するシグルドの末裔で、元『禍の団』英雄派だが現在黒神眷属に忠誠を誓った者だ』
『アザゼル総督、ジーク選手は元『禍の団』英雄派の者と言ってますが本当でしょうか?』
『あれは本物ですね。京都の時に他本家に転送したと聞いたが、まさか本当に仲間にしただと!』
一方あちら側の陣地では大慌てだったが、何せ今まで敵だった者が黒神眷属の仲間になってるだ何てね。バアルとグレモリーの両方が慌てていたのだったし、陣地からでも分かるオーラが危険だと察したサイラオーグだった。
「おいおいマジか!何故あそこに『禍の団』英雄派のジークフリートがいるんだ?」
「私も分からないわ!どうしてテロリストを仲間に入れたのかしらね、しかもジークフリートは魔剣使いで有名だからこの試合どうなるか見物よ」
「今確認したが、サーゼクス様がいるVIPルームもとても慌てているそうだ。だがいくら何でも二対一だ、勝敗は分からないが勝つのはこちらだろう」
「それは分からないな。何せ一誠の所は、黒の駒によるステータス底上げしているしエクスカリバーを所持している。この勝負、勝つのは恐らく・・・・」
アザゼルはVIPルームにいるサーゼクスと確認していたが、どうやって仲間にしたかも不明だと言う。どうやって誘ったかは知らんが、京都周辺で起きた連合軍対英雄派構成員も俺らの仲間が倒して転送させたからな。一方フィールドでは、馬に乗ったベルーガと隣にいる祐斗がジークを睨み合っていた。
『私の愛馬であるアルトブラウの脚は神速であり、祐斗殿も神速の貴公子と呼ばれている。ジーク殿、いざ尋常に勝負願いたい』
『ならこちらも秘密兵器を投入しようか、来い!バシャーモ!』
モンスターボールから出てきたのは、『PMW』にいるバシャーモ。それもただのバシャーモじゃない、最近見つかった進化の事も。
『あの生き物は何ですか?アザゼル総督』
『俺も分かりませんが、一つ言える事はこの世界に存在しない生物です』
そりゃそうだろう。この世界には存在しないものだ、しかもあのバシャーモの特性は猛火ではない事を。審判が魔法陣を介してフィールドに現れて、両者の間に現れた。
『第一試合、開始してください』
ついに始まったが、バシャーモは自分で考えて技を出すのでジークからの指示無しで動ける。祐斗とベルーガはジーク狙いでいるが、二人の相手にバシャーモの力を見せる為に試合開始直後にメガ進化させる事にしたジーク。
『私の愛馬アルトブラウの速度と祐斗殿の速度が、貴殿に届くのか勝負ッ!』
『その前に僕はバシャーモを更なる進化状態にさせようか、行くぞ!』
バシャーモが持っていた持ち物、バシャーモナイトとジークが手首にハメていたメガリングが共鳴。紫色の空間に閉じ込めたと思いきや、ヒビが出来て割れたら新たな姿を見せた。その名はメガバシャーモで、最近発見した新たな進化。これはバトル中にのみ進化出来る事で、特性加速と一緒に速度が数倍アップする事になる。
『姿が変化したとしても、私と祐斗殿の姿は捉えきれないでしょ!』
『即席コンビだけど、勝ってみせるよ!』
青い馬が鳴いたと同時に姿を消したが、それは祐斗も同じ事だった。メガバシャーモとなった事で姿を消した祐斗とベルーガに向けて、神速を使い祐斗とベルーガを捉えたメガバシャーモはニトロチャージで更に速度を上げた。
『な!私達よりも速度を出せるだと!?』
『だが剣を持たない者に用は無い僕達だ!』
確かに剣を抜いていないジークであるが、メガバシャーモは炎で剣を弾く事で気配を感じ取り拳で相手を倒そうとしていた。鳴り響く金属音だが、流石にあちら側は神速過ぎて見えていない様子だ。
高速で仕掛けるが、二対一であっても臆さずに向かってくるメガバシャーモにより多少の火傷をした。両者の姿は何かがぶつかっている音しか認識出来ていないので、フィールドに現れる二つの得物がぶつかる金属音と一つの拳と火花だけ。
『くっ!まさかあれ程の速度を出せるとは・・・・あの生物の事を知ってましたか?祐斗殿』
『ううん。僕も知らなかったけど、アイツを倒さない限り主であるジークがいつまで経っても剣を抜いていないからね』
『未だに僕は剣を抜いていないが、僕との勝負で瞬殺されるのは面白くないだろう?だから今はメガバシャーモだけで充分だと判断したからね、馬とのコンビネーション抜群であると互角に動けるリアス姫のナイト。貴方を屠ろうとしても馬が許すはずがないし、足場を消し去る事をやろうとしても無駄だけどな』
メガバシャーモが、煙の中に消えた瞬間一気に飛び出して馬の脚に向かってローキックを喰らわしてから、祐斗にもローキックをお見舞いしてやった事で姿を現した二人組だった。祐斗周辺に地面から聖魔剣の刃が幾重にも飛び出した事で、メガバシャーモは空中高く飛んだ事からのブレイブバードにより飛行能力を一時的に得た。
『それを狙っていたよ・・・・雷の聖魔剣よ!』
天が光を放ち、雷がメガバシャーモは目掛けて降り注ぐが甘いな。雷パンチの態勢をしたので、雷ごと吸収して自分の力へと変換した事で馬目掛けて雷パンチを喰らわした事で感電状態となった。
ベルーガ自身は馬から飛び降りて、祐斗の隣に立った事でランスと聖魔剣を構えた事によりやっとジークの出番となった。聖魔剣は聖なるオーラも出ているので、斬られればアウトだがジークとメガバシャーモ相手をしてもセーフとなっている。
『ベルーガさんの動きと僕の動きでさえ、予測されている相手というのは面倒だ』
『私の愛馬であるアルトブラウを戦闘不能にさせるとは・・・・恐るべき相手だ。ここからは私と祐斗殿での速度でお相手した方がよさそうですね。私自身の幻影で貴方を倒しますが、ついでに祐斗殿もここで出したらどうですか?何でも新たな禁手方法を編み出したと聞いています』
『本来ならここで出すつもりはなかったけど、ベルーガの言う通りかもしれないね。幻影を出している時点で本物がどれか分からない程だけど、出し惜しみしていたら必要以上に体力を使いそうだ』
『貴方達の本気と言うのを僕に見せて欲しいですね、まだ僕は剣を抜いていないのだから』
祐斗は聖魔剣を消滅させて手元に聖剣だけを創り出した事で、いよいよ来るのかと思った。ジークは祐斗&ベルーガよりも強く、この勝負はジークの動きを捉える事だろうとあちら側はスタミナを消耗する。祐斗の才能は隣にいるベルーガを上回っているが、馬無しでは同じぐらいだろう。後続の為に手足一本でも斬り落とし、体力を奪う作戦だろうがこちら側は関係ない。
『こちらは「龍の手」により背中に四本と自前の二本の腕により、僕は禁手化無しでも六本の得物を持てるようになった。さあどうする?僕をどうやって倒すのか見物だ』
『確かにその通りだけど、僕も今まで見せてきた僕じゃない事を証明させてみせる!禁手化』
禁手化した事で聖魔剣とは別の雰囲気が溢れ出し、聖なるオーラに包まれている。地面から聖剣の刃が幾重にも出現させて、同時に甲冑の姿をした異形の存在を創り出していく。甲冑の異形達は地面に生えた聖剣を手に取り、祐斗周辺に集まっていくがベルーガ周辺に幻影と甲冑が展開していった。甲冑騎士の兜がドラゴンをモチーフにしたようであり、甲冑騎士団に囲まれた事でジークは驚かずに様子見をしていた。
『ほう、禁手化が二つもあるとは。貴殿の禁手化は違う禁手化へとなれるようにしたようだが、魔剣創造の禁手化は「双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)」となっているがそれはジャンヌが持つ聖剣創造の禁手化のようだね』
『・・・・「聖覇の竜騎士団(グローリィ・ドラグ・トルーパー)」と言ってね。聖剣創造の禁手にして亜種だ、あのジャンヌが持つ禁手化も亜種だったからね。もしかしてと思って、僕もやってみたら出来たのさ。僕は魔剣創造と聖剣創造の二つの神器持ちであり、二つの禁手化方法を編み出したのさ』
あれが出来るようになったのは、対コカビエル戦の時に元同胞の魂から聖剣使いの因子を譲り受け聖剣を扱う事が出来るようになった。そのお陰で二つの神器である魔剣創造と聖剣創造の二つの神器能力を持つ剣士となった。
京都での一戦で、元英雄派のジャンヌは聖剣創造を使い禁手化も亜種として使う者だ。それを見た事で、祐斗は思いついた事でイレギュラーな特異の能力発現の為に禁手化の発現に、密かに俺が協力した事で完成した新たな禁手化。
『これに至る為に自前の聖剣のみで赤龍帝と戦ったけど・・・・その時はまだタッグ戦決める前だったから肝が非常に冷えたよ。だって一誠君は手加減であっても、殺されかけた事が何度もあった。でもそのお陰で二度目の禁手化が完成したからね』
祐斗がそうしろと言うからそうしたまでだ、にしても新たな禁手化によりあちら側は非常に有利となっていると勘違いしているだろうね。ジークの禁手化も前よりも非常にパワーアップしたんだからな。別の映像風景では、実況席にいるアザゼルが面白そうに言っていた。
『本来「聖剣創造」の禁手は聖剣を携えた甲冑騎士を複数創り出す「聖輝の騎士団(ブレード・ナイトマス)」と言うものだ。木場選手の能力はそれを独自アレンジで亜種として発現出来たようだが、一個違うのが龍の騎士団とは二天龍の影響でも受けたのか?木場、お前は増々大きなお姉さん達が喜ぶ展開となっているな!』
嬉々としてそう実況するアザゼルだったが、本来ツッコミを入れる為のハリセンが無かったのか不思議がっていたアザゼル。祐斗の新たな技を出来たお陰は、二天龍と関わると神器所有者は異質な状態に目覚める傾向がある。
と京都にて曹操が言った言葉であるが、そう思っている間に騎士団を従えた祐斗と幻影を創り出したベルーガはジークの前に立っていた。そろそろこちらもジークに指示を出すが、その前にフィールド全体を聖なる炎でメガバシャーモは火炎放射を出し続けた。原っぱから神炎と言う青い炎が、フィールドに展開された。
『おおっと!どういう事でしょうか?フィールドは平原から火炎により燃え盛っているが、炎の色が赤ではなく青になっています!火炎を浴びたのか木場選手とフールカス選手は火炎地獄から防御されてますが所々ダメージを負っていますがこれに関してはどういう事でしょうか?アザゼル総督』
『私にも分かりませんな、ここは黒神チームにいる一ちゃんに聞くしかないな。「聞こえているぞ」なら一ちゃんに質問だ、あの青い炎は一体何だ?』
「あれは聖なる炎と言ってな、神炎とも言うが分かりやすく言うと悪魔に絶大なダメージを負う炎と言う事だ」
『それじゃフィールド場が火炎地獄となったのは、最初から木場選手とフールカス選手を聖なる炎で所々ダメージを蓄積する為か!「それとジークの禁手化も前よりも違う」それはどういう事だ?』
火炎地獄となったフィールドは青い炎状態となり、祐斗とベルーガは防御魔法や服に施されているコーティングにより絶大なダメージを負う事はなかった。炎の中にいる状態なので、体力が尽きる状態となったので陣地からアーシアの回復が二人に飛んで行った。
『さてと、そろそろ僕の出番のようだ。禁手化!』
ジークは禁手化したが、その姿は京都の時と違っていた。背中に生える腕は4本ではなかったが、まるであれは・・・・。
『これが僕の新たな姿、「千手観音と聖魔龍の宴」僕は京都の時は「阿修羅と魔龍の宴」だった。でも一誠君と一緒に鍛錬したお陰で、新たな姿になれたのさ』
『その姿はまさに千手観音だが、聖なる炎により千本の腕が聖なるオーラにより本物の観音様を見ているようだ。行きますよ、ベルーガさん!』
『ここで決着を付けましょうか!祐斗殿。千本腕対騎士団&幻影体で、どこまで通じるか私も本気で見てみたい!』
ジークは背中の腕に籠手があり、夢幻の聖剣の能力で量産型聖剣エクスカリバーを千本の腕に持たせた。元の腕に、左手は魔帝剣グラムと右手は聖剣エクスカリバーを持った。そして複数の幻影と甲冑騎士団を纏めて魔剣ディルヴィングで斬る事となったのか、振り下ろしただけで地面にクレーターを穿つ事が出来る程の破壊力重視を持っていたからか。あっという間に、本体であるフールカスと再び聖魔剣を握っていた祐斗。
『さあ、かかっておいで。魔帝剣グラムと聖剣エクスカリバーで斬り刻んでくれる』
『いくら腕が千本あろうが、神速で動けば独時に動ける訳がない。ここで勝たせてもらうよ!』
『くっ、行きますよ!』
ジークが木場とフールカスに向けて駆け込んだが、千本の腕が独自に動く事と聖剣エクスカリバーと魔帝剣グラムを一本の聖魔剣をした事により、一閃で終わらせた事で後ろを振り向く前に聖魔剣を鞘に戻すと致死量クラスともなる傷と血がドバーと出てから倒れた。
光に包まれて行く事で、祐斗とベルーガはまるで力尽きたかのようにして何も言わずに目を閉じた。そしてフィールドにいるのは、千本の腕を背中から展開しながらメガバシャーモからバシャーモに戻った事でフィールドを焼け野原となっていた。
『バアル&グレモリーチームの「騎士」二名、リタイヤです!』
その報告に観客は沸いたが、それと同時に恐怖した。ジークは禁手を解除し、剣を鞘に納めてからバシャーモをモンスターボールに戻した。魔法陣でこちらの陣営に戻ってきたのは、あちら側ではなくこちら側と言う事を。勝利を収める事を信じて戦った結果、致死量クラスとも言えるダメージを負った事と二対一で勝てると思っていた事が仇となった。
「祐斗がやられた!嘘でしょ!?だって祐斗の禁手化によって優勢だったのに、ジークの新たな禁手化によりあっという間に倒されたですって!」
「俺らはどうやら浮かれていたようだが、あの生物は一体何なんだ?木場祐斗とベルーガ相手に互角とも言える速度と攻撃力は一体・・・・!」
「メディカルルームへ運ばれた祐斗さんとベルーガさんは、致死量クラスのようですがフェニックスの涙を用意していた看護師さんにより命を失う事はありませんわ。今度はリアスの番ですから、気を取り直してダイスを振ってきなさいなリアス」
「・・・・そうね。今は祐斗達よりも次のゲームに向けて考えないとね、黒神チームは元『禍の団』英雄派を仲間としているかもしれないと言う事をね」
朱乃により平常心を持ったリアスは、冷静を保ちつつ次の試合に向けてダイスを振りに行くリアスを見たサイラオーグ。こちら側を見ていたが、俺らではなく仮面とローブ姿をしている方だと思った。
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