ペルソナ VANESSA
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一話 全ての始まり
麗らかな日差し、やむことのないたわいもない会話ーーーー
月光館学園の屋上に一人で座っている青年。
目は細く、睨んでいるような目。白髪が少し目立つようなボサッとした黒髪。
口回りに少量の髭を蓄えている。
「おっと、こんな時間か···行かねぇとなっと」
青年は、右手首にしている腕時計を見るや、気だるそうに立ち上がり、屋上を後にした。
今は殆どの生徒は下校せず、教室で友人と会話を楽しんだり、部活に勤しんだり、思い思いの時間を過ごしている。
そんな中、青年はただ一人無言で廊下の真ん中を歩き、ポケットに入れたまま下を向いて歩いていた。
「そんな下ばっかり見てると、前向きになれないぞ!」
そんな言葉が頭を過る。
この言葉は去年の夏頃、事故で死んでしまった恋人、桐沼 鈴菜。
何故、あの時守って上げられなかったんだろうーー。
何故、あのまま黙って見ていたのだろうーーー。
少しでも動けば何か変わっていたかもしれないのに···。
そんな事を考えていると、青年はいつの間にか下駄箱にたどり着いていた。
青年は靴を履き替え、月光館学園を後にした。
ーポロニアンモールー
学校帰りの高校生、買い物帰りの主婦、忙しそうに歩くスーツ姿のサラリーマン
そんな人達でごった返すポロニアンモール。
そこから小路を進んでいき、一般人では立ち入る事の無いような、雰囲気を醸し出す裏路地にたどり着いた。
そこには、青年の姿が全て写るくらいの大きな鏡があった。
「はぁ、ったくどっちの世界もクソだぜ···」
そう呟いた青年は鏡に手を伸ばし、段々と鏡の中に入っていった。
ーアナザーワールドー
鏡から出るとそこは、さっきと変わらない世界に出ていた。
だが、さっきまで聞こえていた。人の足音や声は全く聞こえなくなった。
その代わり、何かが蠢く音や、腹の奥まで響くような唸り、鼓膜が破れるような鋭い鳴き声が聞こえ始めた
青年は、鏡のすぐ横に立て掛けられていた斧を手に取り、この異様な生物が住み着く場所を歩き始めた。
後書き
いい忘れてました。
この小説はコラボです
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