とらいあんぐる!
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第1話 告白
「俺、碧月のこと好きだから。信じろよ?」
あまりにも唐突すぎて私はとても驚いてしまった。
幼い頃(といっても、産まれた時からだけど)私はいつでも結と一緒だった。元々、親同士が仲良かったんだけど、2人共結婚して、子供できて、出産した病院同じ、入院した部屋隣同士って聞いた。「運命的な感じかしらね〜?」ってママが言ってた。
でも、だからって、子どもまでずっと一緒っておかしいよ。幼稚園も小学校も中学校も、それから高校まで!中学校は市立に入ったから良いけど、高校は私立・市立どちらもじゅけんだよ?なのに、どうして同じなの?謎すぎる…。
でも、この高校でよかったって思うこともあるよ!まず、中学校から一緒の華城 愛湖(はなぎ あこ)ちゃんも、一緒に入ったってこと!それから、そのあこちゃんが、吹奏楽部続けるって言ってくれたことも!それに、男子:女子=7:3だからイケメンもいる!教師おもしろい!などなど…。
余談はこれくらいにして…。
結に屋上に呼ばれたから行ってみたら、告られた。確かに結のことは好きだけど、「love」じゃなくて「like」だから。でも、「信じろ」ってことは本気なんだと思う。だから、ちゃんと返事しなきゃ…。
「あのね、結のことは好きだけど、、「love」じゃないと思うんだ。でも、返事はちょっと待って?私、真剣に考えたいから。」
恥ずかしかったけど、頑張って結のことを見たら、結ってば、一瞬真顔になって、その後お腹を押さえながら笑ってきたの!しかも、目に涙を浮かべながら!!私、腹立ったから、
「むぅ〜。じゃあ、もうし〜らない!結なんて嫌いだ!あっかんべ〜。」
って言った。
そしたら、結が一瞬また真顔になってびっくりした顔で見てきたから、「また笑うのか」と思ったら、いきなり立ち上がって、フェンス越しに、私の逃げ道を塞ぐようにして壁ドンしてきた。自分の顔がすごく熱くて、真っ赤になってるのがわかった。まさか、私ってば、たかが結の壁ドンにドキドキしちゃってる…⁉︎うげぇ〜。
すると結が、いたずらっぽい目をして、
「今、俺の壁ドンにドキドキしちゃってた?顔真っ赤なんですけど。」
って言ってきた。そして私が、結の顔を、両頬を膨らませて上目遣いで見ていると、結がみるみるうちに真っ赤になっていった。
「俺、碧月のこと好きなんだぞ…。そういう顔すんな、バカ。…あのなー、照れてるわけじゃないから…。物珍しそうな顔で見ないでくれるか…?その、なんつーか…。お前のその顔とか反則だぞ…(照)」
今、なんか、すごいレアなもの見ちゃった気がする…。いつもはクールでおとなしいのに…。
口元を大きな手で隠しながら(多分、照れてんの見せたくないんだな…)教室に戻ろうとするから、反射的に、
「ちょっ、ちょっと待って!」
って言っちゃった。
「ん、な、何?今、顔見られたくないから早くしろ…。」
抜き足、差し足、忍び足で近づいて、ひょこっ、と覗いてみると、
「ほぇっ!か、顔大丈夫?ま、真っ赤…。」
「う、うるせぇ!離れろよ…。」
結は、そう言って、その場にヘナヘナと座り込んでしまった。
「あぁ〜。恥ずかしー。なんなんだよ、お前。」
あまりにも素直なので、少しいたずら心が芽生えてしまった私。
「なんなんだよって…。結、どんな顔してんのかなーって、気になっちゃってさー。だって、あんなに拒むんだもん。でも、そんなところも新鮮でかわいいかも〜!」
しばらく沈黙が続く。
ちょっとふざけすぎたかな…。反省する私。「かわいい」とか男子に言う言葉じゃないよね…。
「まじうっさいから///ほんと黙ってろ…。あと、誰にも言うなよ…。恥ずかしい…から…。」
「ん、ごめんね…。」
「それと、悲しい顔すんな。お前謝る時、いっつもすっげぇ悲しそうだから、ちょっと心配になっただけ。でも、碧月は笑顔の方が似合うよ…。」
褒めてくれてるのかな…?なんかよくわかんないけど、うれしい…。
そこに、屋上の扉が開いて、モテ男子がきた。
すっごくクールで、成績優秀なの!
「ごめん、話してる間に。七瀬、来てくれない?」「は?」「え?」
「名前知らねーけど同じクラスだよな?てめーのクラスに2人七瀬がいるって知らなかったか?」
「そういえばそうだったね。七瀬“碧月”さん、来てくれるかい?」
何も言ってないのに、腕を引っ張られて無理矢理に近い状態で連れてかれる。
結と話されるのが怖くて、まともに話したことない人に連れて行かれるのが怖くて、
「やっ、やめて…。腕、痛いよ…。どこに行くの?結、助けて…結。」
と言っていた。結は聞こえたのか、連れ戻しに来てくれた。
「おいお前、嫌がってることをすんのは、妄想だけに留めとけよ?それ以上やったらどうなるかわかってんだろーな?」
結はケンカ腰で指をバキボキと鳴らしている。
「しょうがない、それじゃあ、ここで言うことにするよ。」
モテ男子・真剣 紅(まつるぎ こう)は、私のことを見つめて、こう言った。
「僕は、あなたの笑顔に一目惚れしました。つまり、好き、ということです。付き合ってくれますか?」
結は冷静すぎて、額に血管が浮き出ている。
私はどうすればいいかわからずあたふたしてしまう。
「私に言ってるんですか?」
「もちろんです。僕にそんな変な趣味はありませんよ?」
まあ、そーだろーね。
「碧月…。判断に困るのはわかる。しかし急かして悪いんだが、どっちにするか、今すぐ決めてほしい。」
「えぇー。そーだ!それじゃあ…」
「保留とか言わねぇだろ〜なぁ?」
「なんで分かるんだよー。むぅ〜。腹立つ〜。」
「お話し中すみません。結果は?」
いざ言え、と言われるととても難しい。でも私は冷静になって、落ち着いて考えた末、どちらにするか決めた。
後書き
皆様、初めまして。夜春 蒼月(やはる りん)と申します。
今回、初めての投稿となります。
たくさんの方々に先が気になる!と思っていただければ、幸いです。
そのため、微妙な所で話を切る場合がたくさんあります。ご了承ください。
先ほども言いましたように初投稿ですので、至らない点も多々あると思いますが、コメントの欄等でご指摘いただければと思います。
次回作をご期待ください!それでは!
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