MS Operative Theory
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MS戦術解説
MSの格闘戦①
——一撃必殺の格闘兵装を使用する、MSの格闘戦——
宇宙世紀における「格闘戦(白兵戦)」、特に一年戦争以降のそれは、戦闘が行われる距離によって二つの意味を持つ。一つはミドルからショートレンジで行われるMS戦全般を指すものである。そして、もう一つはビームサーベルに代表されるMS用刀槍類やバイス・クローによる斬撃や刺突、またはマニピュレーターなどを用いたパンチやキック、さらに組み付きや捕縛など、人間の「格闘」に相当する戦闘を指している。此処では格闘兵器やマニピュレーターに用いた戦闘法を「格闘戦」と定義して紹介する。
宇宙船艦の舷側鋼帯すら溶断する威力を持つビーム・サーベルがMS用格闘兵装として普及した今日、MSの格闘戦はビーム・サーベルを用いた先頭が大半を占めている。だが、格闘兵装を損失した場合やビーム・サーベルの展開が間に合わない状況下では、パンチやキックなども使用される。さらに格闘戦は、斬撃や刺突など、攻撃手段の違いや、防御方法、防御からの反撃など、射撃戦と比べ多数のバリエーションのある戦闘方法である。
格闘戦の利点は、MSの装甲すら容易に溶断・貫通可能な格闘兵装を使用すること、同じ兵器でも複数の攻撃方法が選択でき、さらに敵に与える被害をコントロールできることである。これに対するデメリットとして、自機と同じメリットを敵MSも持つことが挙げられる。つまり、格闘攻撃が可能な距離に居るということは、自機も敵機の間合いに入っていることを意味している。このため、敵機ではなく、自機が致命的な打撃を受ける可能性も高い。これは、格闘兵装のリーチに機体差が少ないため、格闘戦を行った場合、自機、敵機共にそれぞれの攻撃範囲にためである。中にはRX-78用のガンダム・ハンマーやMSZ-010(ZZガンダム)のハイパー・ビーム・サーベルなど、リーチの長い格闘兵装も存在するが、攻撃方法の単調化を招く可能性が高いだけでなく、機体性能やジェネレーターの状態に依存するなどの問題がある。こうした格闘兵器の特性のため、格闘戦においては、どちらか一方が相手のアウトレンジから攻撃を行うという状況が発生するということは殆ど無い。
射程が限定される格闘戦では、射撃戦以上にパイロットの技量が反映される。さらに、教育型コンピューターのデータ蓄積/解析、教導部隊や戦技研究機関によって様々な戦技が考案されているだけでなく、格闘戦時の基本的な攻撃/防御パターンはOSやアプリケーションレベルの基本動作に組み込まれている。しかし、それでも高い錬度を持つパイロットによる格闘戦は「神技」と表現されるほどの域に達している。
補足事項
——大型目標への格闘攻撃は有効か?——
MS同士による格闘戦は高い効果を発揮するが、MAや艦艇に対する格闘攻撃は有用な方法なのだろうか? 結論から言えば「イエス」である。ただし、対MS格闘戦とは異なる技術が必要とされる。
■MAへの格闘攻撃
一撃離脱を得意とするMAに対して、格闘戦を仕掛ける機会は少ない。一方、MAが小回りの効くMSを補足しにくいのも事実である。MSを攻撃するため、MAは相対速度を落として体当たりに近い攻撃法を選択することが多い。ここに格闘攻撃を仕掛けるチャンスがある。
■艦艇への格闘攻撃
艦艇は対空防御網を展開しても、単独ではMSの突入を阻止することは困難である。このため、艦艇に肉薄したMSはあらゆる部位を攻撃できる。ただし、全長数百mを超える艦艇を撃沈するには、ブリッジやエンジン部など、主要部分に攻撃を集中させる必要がある。
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