転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
Fate/stay night
1163話
ニーズヘッグの中で暫く呆然とした後、改めて周囲を見回す。
ニーズヘッグ最大の特徴でもあるシステムXNが使えなくなっている以上、俺がホワイトスターに戻る為には機体のロックを自分で解除するか、空間倉庫の中にあるゲートやマーカーをどうやってか無理矢理取り出す必要がある。
だが……それは、どちらも難しい。
まず、機体のロック解除だが、基本的に俺は通常のパイロットがやる程度の整備くらいなら出来る。
ただ、このニーズヘッグはとてもではないが普通の機体とは言えない。
……いや、寧ろ色々な意味で特殊で、特別で、特異な機体と呼んでもいい。
何しろ、シャドウミラーの技術班があらゆる世界の技術を使って作り上げた機体だ。
PTやAMの一般的な整備が出来る程度で、どうにかなる筈もない。
極めて高度な技術力や専門的な知識を必要とする。
例えば、今回動作しないシステムXN、バリオン創出ヘイロウ、T-LINKフレーム、重力系技術、エナジーウィング、ヒュドラの右真ん中に組み込まれているグレートグランドマスターキー。簡単に思いつくだけでもこれだけある。
後は、動力炉部分。
時流エンジンを下手に弄って過去や未来に移動したりすれば洒落にならないし、トロニウム・エンジンを暴走させようものなら……
NジャマーⅡを弄って、下手に暴走させようものなら、最大半径100km圏内で通信の類が出来なくなる。
おまけに、そんな真似をして異常事態になってから直そうにも、それも無理だ。
シャドウミラー最高の軍事機密だというのは、伊達じゃないんだよな。
機動要塞のニヴルヘイムよりも機密度が高いのだから。
そもそも、ニーズヘッグが宝具という扱いである以上、このロックが機械的な意味ではなく魔術的なロックの可能性もある。……というか、その可能性の方が高い。
「ただ、幸いな事にシステムXN以外の他の機能は全部正常に動いている。……となると、やっぱりこれはFate世界にやって来たからこその現象か? 聖杯がサーヴァントを他の世界に逃がしたくない、といった感じに」
機体チェックを済ませ、結局ニーズヘッグで動作不良というか、まともに機能しないのがシステムXNだけだというのを確認し、溜息を吐く。
システムXNが駄目になっているおかげで、ホワイトスターへの転移は勿論、向こうに通信を送る事も不可能なんだよな。
せめて、こっちの無事を連絡出来ればいいんだが。
……グリに知らせる? いや、それも難しい。グリは正真正銘のドラゴンじゃなくて、グリフォンの要素が加わっている。その影響か、物覚え自体が良くないんだよな。
さすがに3歩歩いたら忘れるって程じゃないけど、それでもネギま世界の魔法界に返して、そこからだと……フェイト辺りのいる場所まで届けるのは難しいし。
にしても、Fate世界でフェイトに連絡を取れない、か。ギャグにもならない。
取りあえずこうして確認したところだと、プラス要素としては俺の宝具という扱いになったからか、グレートグランドマスターキーを使わなくても全ての武器に魔力属性とでも言うべきものが付いた。つまり、物理攻撃が効果のないサーヴァント相手にも、ニーズヘッグの使っている全ての武器が効果ありになった訳だ。
マイナス要素としては、システムXNの使用不可。これに限る。
おかげで、ホワイトスター側からこの世界がある座標を確認する事も出来ず、こっちからホワイトスターに転移する事も出来ないという、最悪の事態になっている。
これは本気で聖杯戦争終了後も暫くはこの世界に居残る事になるか?
不幸中の幸いなのは、凛がいる事だろう。
平行世界間での移動を可能とする第二魔法を目指している凛が。
当然かなりの年月は掛かるだろうが、俺という無尽蔵に魔力を生み出すサーヴァントと契約しているのを考えれば、そっちの研究も凛が1人でやるよりは大分捗るだろう。
うん? 魔法? アインツベルンの魔法って魂の物質化だよな? もしかして、それって俺の事なんじゃ?
……その辺は後でイリヤにでも……ああ、駄目だな。
向こうはバーサーカーを俺に殺されて恨んでいるんだ。
それが、実は俺がアインツベルンの長年目指してきた魔法ですとか言ったって、迂闊に狙われるだけなのがオチだろう。
うん、この件は取りあえず置いておくとしよう。
ともあれ凛が第2魔法をどうにか出来れば、俺がホワイトスターに帰る事も可能かもしれない。
正直、今の状態でホワイトスターに帰れなくなったのにまるで焦る気持ちがないのは、レモン達には時の指輪を渡して不老の状態になっており、ホワイトスターにもG元素を使って時の指輪を融合したおかげで、他の連中も不老に近くなっている為だ。
まだ完全な不老ではないが、それはマブラヴ世界のマーズゼロ辺りを攻略してG元素を入手すればどうにでもなる。
つまり、俺がホワイトスターに戻った時に30年とか300年とか年月が過ぎても、まだシャドウミラーの面々は全員が生きている可能性が高い。
……もっとも、それだけ年月を開ければ変化も色々とあるんだし、出来れば早い内に帰りたいと思うのは当然だが。
ともあれ、今はホワイトスターに戻る事は出来ない。
そう判断し、ニーズヘッグのコックピットから飛び降りる。
フワリ、と浮きながら地上へと着地し、そのままニーズヘッグへと触れて空間倉庫に収納する。
近くで様子を見ていた凛と綾子の2人は、目の前にあったニーズヘッグがいきなり消えたのを見て驚いた様子を見せていたが、すぐに我に返る。
まぁ、ニーズヘッグが出て来たところを見てたし、そうである以上は目の前で消えてもおかしなところはないってところか。
「それで、どうだったの? 何だか確認したい事があるって話だったけど」
そんな凛の質問に、首を横に振ってから口を開く。
「この機体、ニーズヘッグっていうんだが、この機体にもシステムXN……異世界に転移する為のシステムが搭載されてるんだよ。けど、そのシステムが機能していない。ゲートを空間倉庫から取り出す事も出来なくなっているってのを考えると、間違いなくサーヴァントになった影響だろうな」
「つまり?」
「簡単に言えば、俺は自分の力だけで自分の世界に戻る事が出来なくなっている」
「……なるほど、ね」
チラリとニーズヘッグのあった場所を一瞥すると、凛は特に驚いた様子もなく頷く。
まぁ、サーヴァントってのは英霊の分霊という形である以上、普通なら聖杯戦争で負ければそのまま座とかいう場所にいる本体に戻るらしいけど……俺の場合は本体そのものが受肉してサーヴァントとしてここにいるからな。
負けて元に戻るってのは考えない方がいい。
いや、もしそれが可能だったとしても、自分が消滅するかもしれないリスクを冒してそんな真似はしたくないし、何よりも自分が負けるのを前提とはしたくない。
「じゃあ、アクセルはまだこの世界にいるって事だな?」
俺と凛の話を聞いていた綾子の言葉に、頷きを返す。
「そうなるな。ま、どのみちホワイトスターに帰れるとしても聖杯戦争を投げ出すつもりはなかったけど」
聖杯……さて、あれをどうするべきか、だよな。
10年前の第4次聖杯戦争では、ほんの少しでも新市街を焼き尽くした大火災を引き起こした。
原作での金ぴかの話によると、あれを全部使えば10年前と同じ事を、地球上の殆どを燃やしつくす規模で出来るらしい。
……まぁ、そもそも小聖杯の……あ。
やばい? もしかしてこれって本気で不味くないか?
本来であればイリヤの心臓が小さい聖杯であり、金ぴかはそのイリヤを殺してワカメにそれを埋め込み、聖杯とした。
けどこの世界だとワカメはもう死んでいるし、何より最大限に不味いのはバーサーカーが既に死んでおり、あの金ぴかが襲ってきても、ポンコツと契約して能力が著しく落ちているセイバーと、こっちはワカメの代わりに本来のマスターと契約して能力の上がっているライダーしか守るべき戦力がいないって事だ。
普通の相手であれば、サーヴァントが2人もいれば問題ないんだろうが……今回の場合、相手は金ぴかだからな。
既にランサー、バーサーカー、キャスター、アサシンが死んでいる以上はイリヤの限界と言われている4人のサーヴァントの魂を既に収めている状態だ。
だとすれば、これ以上サーヴァントを殺せばイリヤの人間としての機能に悪影響が及ぼされる事になる。
それこそ、ZEROのアイリスフィールのように身体が徐々に動けなくなっていくとか。
……さて、どうしたものか。
これ以上のサーヴァントを殺せば、イリヤに不具合が出る。
かと言って、聖杯戦争をここで中断すれば聖杯戦争がいつまでも終わらず、俺がホワイトスターに戻るのにも多くの時間が必要となる。
特に、俺にとっては格好の宝具供給源でもある金ぴかは、確か普通のサーヴァント3人分の魂を持っているとか何とかだった気がする。
「凛」
「……何よ、いきなり真面目な表情で」
「悪いけど、衛宮の家に使い魔を送って様子を見てくれないか? もしかしたら、向こうで何かが起こってる可能性がある」
「ちょっと待って。……もしかして、桜に何かあったって事?」
ああ、そっちの問題もあったな。
ただ、桜に関してはちょっと考えている事がある。
脳裏のリストで鵬法璽を選択。次の瞬間には俺の手の中にその姿を現す。……普通に出せたな。
この鵬法璽とルールブレイカーを使えば、もしかしたらどうとでもなるかもしれない。
その為には一旦桜と会って、臓硯に俺との力の差を知らしめる必要があるけど……いや、真アサシンを速攻片付けたのを考えれば十分か? どのみち、これに関してはどうにかするにしても明日だろうな。
「ちょっ、ちょっと! アクセル!? それ、何なの!? 物凄い魔力を発してるんだけど!」
俺の右手に姿を現した鵬法璽に、驚愕の声を上げる凛。
まぁ、封印級のマジックアイテムらしいしな。……それがどんなクラスなのかは、ちょっと分からないけど。
「俺の空間倉庫の中に入っているマジックアイテムだ。これを使えば、多分だけど桜の件は解決すると思う。……ただ、ちょっと厄介な前段階が必要になるが」
「前段階?」
「その辺は後で説明してやる。とにかく、一旦凛の家まで戻るか。衛宮の家に使い魔を送るにしても、ここからよりは向こうの方がやりやすいだろうし」
鵬法璽を空間倉庫へと収納し……ふと、気が付く。
鵬法璽で契約を結んだ相手にルールブレイカーを突き刺せば、さて、どっちが勝つのか。
宝具と封印級。分類としてはともかく、稀少度って意味では似たようなものなんだろうし。
まぁ、どっちも……特に鵬法璽は色々と危険なマジックアイテムなだけに、あまり使いたいとは思わないけどな。
近づいてきた凛と綾子と共に、影のゲートを使って凛の家へと戻る。
一応庭から転移してきたので、家の中に直接転移じゃなくて、庭にだ。
「凛、使い魔の方を頼む」
「ええ、分かったわ。何か異常があったら、教えればいいのね?」
凛の言葉に頷くと、手元の宝石を握り呪文を唱える。
すると次の瞬間には宝石で出来た鳥のようなものが、羽ばたきながら空を飛んでいく。
「これでいいわ。……で、何が起きてるのか教えて貰ってもいい?」
凛の言葉を聞き、さて、どうするかと迷う。
このFateでこれから先の流れを知っていると言うのは簡単だ。
だが、今の凛は俺の正体の件で、ただでさえ納得しきっていない。
それに未来の情報を知ってしまえば、これから先の出来事がどうなるのか不透明だ。
ただでさえ、俺がアーチャーの代わりに召喚された影響で色々とずれてきてるんだし。
それを思えば、この上で更にFateの知識を教えるのは……いや、けどそうだな。凛は俺の念動力の事を知ってるんだ。だとすればそっちから話を繋げていけば……
「何が起きているかってのは、正確には分からない。けど俺の念動力が何か違和感や危険を察知している。多分、このままだと近いうちに衛宮達が危険な状態になる筈だ」
「危険な状態って……ランサーの言ってた、あのエセ神父がもう1人のサーヴァントを従えてるって話?」
「多分な。普通に考えて、俺達と衛宮達だと向こうの方が戦力的には低い。なら、先に手を出されるのは、あっちだろう」
まぁ、あの金ぴかが理性的な判断をするかどうかと言われれば、微妙だけどな。
衛宮が投影を使っていれば確実に金ぴかは向こうを狙ったんだろうが……この世界では英霊エミヤがいないおかげで、衛宮は未だにメインの魔術は強化だ。
寧ろ、理解不能って事で俺を狙ってくる可能性もあるけど……ぶっちゃけ、こっちを狙ってくるのなら、それは俺にとっては幸運以外の何ものでもない。
ただし、イリヤの件があるから殺す訳にはいかないんだよな。
可能なのは、奪える宝具を粗方奪いまくって逃がすって事か。
……出来れば、乖離剣エアを最初に奪っておきたい。
あれは、対界宝具だけあってニーズヘッグにもダメージを与えかねないし。
そんな風に考えながら、取りあえず家の中に戻るように凛達を促すのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:390
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1407
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1187
ページ上へ戻る