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ドリトル先生の水族館

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第十一幕その四

「聞かずにはいられないよ」
「一食抜くだけでも目が回って動けなくなるのに」
 ホワイティは小さいですが彼なりにお腹一杯食べないと駄目なのでこう言うのです、
「何年もだからね」
「それが気になるからね」
「だから先生もだよね」
「最近毎日彼のお話をしてるけれど」
 そのダイオウグソクムシさんのです。
「不思議で仕方ないからね」
「それがどうしてかわかるといいわね」
 ポリネシアも先生に言ってきました。
「今日の診察で」
「そうだね、それがどうしてか」
「実際にお話してわかればいいわね」
「うん、ただね」
「グソクムシさんは無口っていうから」
「お話してくれるかな」
 トートーもこのことが気になっています。
「果たして」
「流石に診察だからね」
「お話はしてくれるかな」
「さもないとどうしようもないからね」 
 だからというのです、先生は。
「きっと何か話してくれると思うよ」
「全然喋らないと困るのよね」
 ダブダブはそうした生きもの、人もこの場合はあてはまります。その人達についても先生にお話したのでした。
「そうした場合が」
「うん、話し掛けても無反応な人も生きものもいるね」
「面白くなさそうな顔で」
「そうだったらわからないかもね」
 相手が何もお話しないからです。
「苦しいよ」
「僕みたいにお喋りの方がいいよね」
 ガブガブは今もいつもの調子です。
「いつもぶすっとしてるより」
「僕もそう思うよ」
「そうそう、こうして何でも明るく言わないとね」
「そういえば深海生物って」
「あまり、ね」
 チープサイドの夫婦はあることに気付きました。これまでの診察から。
「お話しない?」
「私達に比べて」
「アンコウさんやツノモチダコさんは結構お喋りしてたけれど」
「全体的にね」
「やっぱり深い場所にいるからかな」
 先生はその理由をこのことからお話しました。
「深くて暗い場所だからね」
「深海って言う位だから」
「そうなるかな」
 オシツオサレツも前後の二つの頭から言うのでした。
「深くて暗い場所にずっといるから」
「お話とかしなくなるのかな」
「一匹でいることも多いし」
「深海生物って集まって行動しないしね」
「うん、群れる種類は殆どいないね」
 実際にと言った先生でした。
「食べるものが少ないせいで」
「だからなんだね」
 最後に言ったのは老馬でした。
「口数も少なくなるんだね」
「一匹でいることが多いからね」
「そうした状況にいつもいるから」
「深海は本当に独特の世界だよ」
 またこうしたことを言った先生でした。
「群れを為す生きものも殆どいないんだ」
「暗くて重くて」
「そして変わった形の生きものが多い」
「神秘っていうのかな」
「そうした世界なんだね」
「不気味という人もいるよ」
 その深海は、というのです。 
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