クイラク
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第四章
「ですから」
「それは止めるか」
「そうします」
「じゃあ他のものにしないとな」
「ですね、じゃあ何がいいか」
「色々あるぞ」
その土産ものはというのだ。
「本当にな」
「女の子へのそれは」
「ああ、アクセサリーなり服なりな」
「服もですか」
「色々あるぞ」
「そうですね、じゃあここは」
カザルはオムールの話を受けてだ、こう言った。
「服にしますか」
「服か」
「はい、そうします」
「じゃあどの服かだな」
「そうですね、ちょっと探してきます」
実際にだ、カザルはバザーの中で服を探した。そして。
ある店の品を見てだ、一緒に歩いてくれているオムールに言った。
「あの服いいですね」
「ああ、あれか」
「あのクイラク」
見れば縦にだ、実に様々な模様が入り組んでいた。
色は赤も白もあれば黄色も黒もある。草色にオレンジにと実に多彩な色のアラベスクだったり幾何学だったりする模様が帯状になっていてそれが縦に実に多くスモッグドレス風のワンピースに入れられている。そのクイラクを見て言うのだ。
「あれにします」
「我が国の民族衣装か」
「あれをプレゼントします」
「センスいいな、御前は」
そのクイラクをと言う彼にだ、オムールは言った。
「あれはいい服だな」
「はい、それと」
「まだ買うか」
「ロジムも買います」
今度は同じ店に売られているズボンを指差して言った。
「あれも」
「上だけでなく下もか」
「それも髪飾りも」
黒と金のバンド状の模様が入ったそれも指差した。
「あれも買います」
「それもか」
「セットにして」
そしてというのだ。
「買ってお土産にします」
「そこまでするか」
「はい、駄目ですか?」
「御前いい旦那さんになりそうだな」
オムールはカザルの話を聞いて唸って言った。
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