問題児たちが異世界から来るそうですよ?~金糸雀の隠された遺産~
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プロローグ
異世界からの手紙
プロローグ2
「キャロ姉!それ・・・」
「そっ。あたしにも来たの・・・って言っても、中身はまだ見てないんだけどね・・・」
キャロッセは黄泉を見て、こう告げる。
「・・・黄泉。開けてみよっか。」
「う、うん・・・」
黄泉とキャロッセは手紙の封を切る。
手紙には、こう書かれていた。
『悩める異能を持つ少年少女達よ。その恩恵を試すのなら、全てを捨てて、我らの箱庭に来られたし』
「「は、箱庭・・・?」」
2人は声を揃えて呟いた。
***
時は平安。
天候は狐の嫁入りだった。
といっても、彼等の種族には寧ろ祝いである。
「姫様!」
「どうかしたのか?」
和服を着た烏天狗の女が、姫様と呼ばれた女の子に巻物を渡す。
「ふむ・・・文か・・・」
九本の尾を揺らす狐の姫君、『九十九 蓮夢』は何の躊躇いもなく文を読む。
『狐の姫君よ。己の妖術を確かめたくば、我らの箱庭に来られたし』
「箱庭・・・」
***
「えっ?」
「おっ?」
「おお、儂も空を飛ぶ日が来たとはっ!」
その後、2人と1匹は勢い良く湖に落下する。
「全く・・・・・・」
「き、狐!?それより黄泉、大丈夫!?」
「・・・うん」
「で、そこの狐さんは?」
「儂は九十九 蓮夢だ。人間等の名はなんという?」
「青葉 黄泉です・・・」
「キャロッセ・J・キャンデリラロウです!」
「ふむ・・・苗字とな、余程の身分の高さ・・・で、そこのキャロ何とかは・・・何だ?」
「え、えっと、キャロでいいです・・・蓮夢さん」
「それに身分とかは・・・昔の人見たいですね・・・」
と、その時
「すまぬのう!私がお主らを呼び出した者じゃ!」
草むらから現れたのは、着物姿の幼女。
「私は元魔王でありこの東区最強の主催者(ホスト)、白夜叉だ!」
「魔王?」
黄泉が挙手をし、質問をする。
「うむ!詳しい説明は省くが、白夜の魔王だ」
「まおーとは、何だ?そもそも言葉がさっぱりわからないのだが・・・」
「うむぅ・・・おんしは平安じゃからの・・・。魔王とは平安風に言うと妖怪の類じゃ。おんしよか遥かに強い、の」
「何と!儂より強い妖怪か・・・!」
蓮夢は目を輝かせた。
「ちょっ、ちょっと待って。平安ってあの平安!?」
「うむ。その辺は後でゆっくり話すと良い。・・・それで、おんしらを呼んだ目的じゃが・・・後に私が紹介するコミュニティ・・・ノーネームに所属して欲しいのじゃ」
「こみにてー?」
蓮夢が首を傾げる。
「コミュニティとはそうじゃの・・・一つの國と言ったところかの。」
「それで、そのノーネームって何?」
とキャロッセ。
「ノーネーム・・・その他大勢という名も無くば、陣地を示す旗印も持たないコミュニティじゃ。それらをまとめて、ノーネームと言うじゃよ」
「って事は最弱!?」
「そうなるの」
「白夜叉様ー!遅れてすみません!」
と、その時駆け寄って来たウサ耳の少女。
「おお、黒ウサギか!」
黒ウサギと呼ばれた、黒い要素が余りない少女は息を切らし、黄泉達に向き直る。
「おい、黒ウサギ。何か1匹だけ狐がいるぞ」
金髪の男の子が蓮夢を指さした。
そして、その男の子を見るが否や、黄泉とキャロッセは同時に叫んだ
「い、十六夜兄!!」
「イザ兄!!」
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