夢のような物語に全俺が泣いた
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自己嫌悪
「――っく………ここは……」
意識が浮上し、目が覚める。
酷い頭痛を覚え、フラフラと起き上がった。
「――ホーム、だよな」
ここ最近で見慣れてきた風景。
まさしくここは俺の部屋だった。
「気がついたか?」
ガチャリと扉が開き、入ってきたのはユウジさんだった。
「戦いは…戦争遊戯はどうなりました?!」
「ああ、勝ったぞ」
勝った…?じゃあ時間稼ぎは間に合ったってことなのか?
「しかしお前さんは無茶したもんだな。
気にくわないことに首突っ込んで正当化しようとして、何時しかの少年を思い出す」
「…すみません」
「いやいや、別に責めてるとか怒ってるとかじゃないぞ?
寧ろ良くやったと誉めてやる」
ユウジさんは近くにあった丸椅子を取り寄せて座り、タバコに火をつけた。
「ふぅ…俺の仲間は皆頭が固いからな。
自由にやって良いと言っても中々楽しもうとしない。
別に好き勝手やれとは言わないんだが、もう少し自主性を持って欲しいんだよな」
つまり、自分のやりたいことをやると言うことなのだろうか?
確かに蒼也さん辺りは頭固そう。
「それで、お前さんは文字通り頑張ったわけだ。
あの娘っ子も、観衆を前に泣きわめいてたからな」
「娘っ子……あ、リリルカか」
「んで、余りにも煩かったから口にガムテープ張り付けて縛り上げて天井に吊るしてやった…」
「何してんの!?」
「…ところで真横から顔面飛び蹴りが炸裂してな。
なのはのヤロウ…」
何があったか大体わかった。
「それじゃ、俺が倒れた後って」
「おう、全員片っ端から張り倒してやった。
攻城戦って事だったからな。城ごと吹き飛ばしてやったさ」
規格外過ぎる…。
「あぁ、後お前さんの対応した神だけど、あれ偽者だから」
「……えっと、偽者って?」
「神酒の神、ソーマを偽って色々とハッチャケていたやつはな、転生者だったんだよ。
因みに本物は地下に幽閉されてた」
「……どういうことですか?」
「お前さんが付けられていたリング、あれは神性でさえも封じ込める奴でな。
ソーマに取り付けた後、自らソーマを名乗ってファミリアを動かしていたらしい。
因みにあの転生者は即行で消しといたから」
本当にどうなっているんだ?
「ま、難しく考える必要はない。
あの嬢ちゃんは助かったし、ソーマファミリアも略解散状態。
ついでに言えばお前さんも目標が出来た。だろ?」
目標……そうだな。
「はい。俺は俺の知る英雄の頂点を目指します」
「英雄の頂点…か。
そう言えばお前さんが神から貰った特典、テイルズとか言うゲーム何だよな?」
「え?はい」
「ふーん。あの世界もゲーム的な物だったのか」
「……?」
何の話に切り替わったのかは知らないが、取り合えず今回の出来事が終わったのであれば良しとしても良いのだろう。
そして何れは聞かせてもらおう。
戦争遊戯の、俺が倒れた後の惨状を。
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