緋弾のアリア 転生者はハートネット
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第1巻……動き出す緋色の運命
6弾 朝練と平賀さんとの出会い
前書き
平賀さんになぜかモン◯ンのネコバァ(もしくは行商バァ)の属性がついてしまいました……ちっちゃいからかな?
爽やかな朝日が寝室に差し込み、オレの顔を照らす。
不快感はないので、そのまま起きた。
「……今何時だ?」
オレは手を伸ばして印をきると……空間と絶界が繋がりその先にぽっかりと20センチほどの穴が開く。
躊躇せず穴に手を突っ込むと、オレはその中から銀色の懐中時計を引っ張り出した。
「6時半過ぎか……二度寝するのも気がひけるな」
中途半端な時間に起きてしまったものだと考えながら傍に眠るリサを起こさないように注意しながらオレはベッド降りる。
「……っとぉい!?……あ……」
寝ぼけ眼で俺は足元を見なかったために……リード線に足を引っ掛けかけて慌てて避けたが……対人地雷を踏んづけてしまった……っておい!?
一気に目が覚めたが……これはアリアの仕掛けた対人地雷だな!
どうにかして……静かに処理しないとならんな、コレは!
俺はまず身体を「焔……強化」で補強して次に地雷の周りを「颶……防壁」で囲い空気を抜く事で真空にしてやる。
で、タイミングを合わせて……地雷から足を退ける!
防壁内で弾ける地雷……ちなみに俺の足は無事だった。
防壁の内側が真空状態なので爆風、轟音は響かない。なんとか……なんとか静かに処理できたな……
オレは今度こそ、細心の注意を払って寝室を後にしたのだった。
洗面所で顔を洗い歯を磨くと棚からヘアブラシを取り、霧吹きで髪を湿らす。
そしてゆっくりと自慢の朱金、ロングヘアーの長髪を梳かしてもつれを取る。
髪の手入れは本当に大事だ……脳天からサイドの髪をまとめて一旦ゴムで括る。
後頭部の髪をまとめながら括っていた髪と合わせてルーンを刻んだ細い白布で髪を括ると……ポニーテールの完成である。
ちなみにこのルーン文字を刻んだ白布はオレのリミッターみたいな物だ。
コレは必要なもので他の超偵に変な圧力……つまりはプレッシャーをかけないようにするためだ。
正式な測定をしたことがないからな……なので今週中に超能力捜査研究科に行こうかとも思っている。
教授もそこらへん適当だったんだよな……まあ、致し方ねぇが。
オレはそんなことを考えながら、制服に着替えてキッチンに向かい、壁に掛けてある浅葱色のシンプルなエプロンを着用して調理開始だ。
多分、アリアがキンジに「飯を出せ!」と顔をあのちっこいアンヨで踏ん付けながら無茶振りをするだろうしな……さすがにそれは哀れなので助けておこうと思う。
千切りにしたキャベツをマヨネーズで和えてボウルに盛ってその上には棒状に切ったにんじんときゅうりを飾りつける。
なんちゃってコールスローサラダだな。
ベーコンをフライパンの上で軽く炙り卵を入れてコショウを軽く振って蓋をすると、弱火で蒸し焼きにする……朝食ではポピュラーなベーコンエッグの完成だ。
主食は米でもパンでもどっちでもいいだろう。
エプロンを元の場所に掛けてオレは先に「いただきます」から「ごちそうさま」までをすませる。
ラップを付けた3人分の作り置き、リサの席に指示のメモを残して武偵高ブレザーの上に外套をはおりながら静かに寮を後にする。
リサ宛てのメモには勝手にベッドに潜り込んだことの罰としてアリアの世話をするように「命令」を出しておいた。
リサの手綱を握るのはオレだ……正直乗り気じゃないが、ケジメはつけねばならんだろう?
寂しいのはわかるが、夜伽を断ったのはキンジにアリアがいたからだ。
正直言って「ナニ」してる時に声を我慢するなんて無理だしな……って俺は一体何を言ってるんだ。
オレは色ボケするために武偵高に来たわけではない……断じてな……と、自分で言っててなんだが説得力に欠けるのは行動のせいなんだろうな。
オレはそんなことを考えて勝手にブルーな気持ちになってしまったが、落ち着きを取り戻してバス停に向かう。
◯
武偵高行きのバスに乗って早朝登校。
目的は射撃レーンでの朝練だ。
あとはめぼしいアリアのパートナー候補探しか?
まぁアリアに合わせられるのは協調性の優れたバックアッパーかアリアに匹敵するフロントマンだろうな。
そんなフロントマン……俺くらいか?
……いや、いるな……遠山キンジが。
身のこなしには脂肪がついてしまってはいるが、腐っても強襲科の生徒だ。
条理予知はまだ完全に使えてないが……オレは断片的に未来を予見することができる。
オレが見た未来ではアリアとノーマルキンジが組んで「武偵殺し」の事件でアリアが怪我をする未来だったんだよな……。
この未来を避けようとは思うが、オレがその棘を抜くのは間違ってると思う。
ぶっちゃけると、アリアとキンジがその未来を回避しないと意味がないのだ。
だから、オレは断片的にキンジに伝えることにする。
あいつは必ず強襲科に戻ってくる。
アリアに折れて必ずな……と、射撃レーンに着いたのでオレは思考を切り替えてコート裏に絶界を繋いで漆黒のリボルバーを引き出す。
漆黒の銃身、XIIIの刻印が刻まれたその銃の名は「装飾銃」と言う……超金属と呼ばれる特殊合金で作られたそれはとても重く、果てしなく頑丈だ。
オレが父さんがら授かったハートネット家に伝わる家宝の旧式リボルバーは.44SP弾を使えるので、「S&W M29」の弾丸と併用できるので以外と便利だ。
オレは二つ折れ式のリボルバー、そのシリンダーに弾薬を6発詰めてリロード。
武偵手帳の非接触ICチップをシステムコンソールに読み込ませて射撃レーンを起動すると、ターゲットが動き出した。
オレはシングルアクションで引き金を引き、銃声を奏でる。
ダァン!と激しい銃声が6連発。すべての弾丸は高得点ゾーンの銃を象ったマスに吸い込まれるようにその地点を貫く。
オレは母さんから受け継いだ高速リロードの練習も兼ねて……弾薬を装填する。
二つ折りに開きながらシリンダーから空薬莢を弾き出しながらバラでポケットから無造作につかみ出した.44マグナム弾をシリンダーに落としながら誤差を修正。
そのまま銃弾6発を納めてその反動を利用して銃を閉じてターゲットを再び銃撃。
先と同じように6発はターゲットを蜂の巣にした。
……ここまでの時間は約……1.7秒だ。
オレは男だから天道家に伝わる「おっぱいリロード」なる行為ができないので……母さんみたいに胸に隠した弾薬を空に出して一瞬でリロードする離れ技なんでできない。
まぁ……まぁ、S&W M29でならそれに似たことはできるんだけどな……弾薬を手で空に投げて一瞬でリロードとかな。
この後、オレは「S&W M29」「デザート・イーグル」と「コルト・ガバメント」と立て続けて練習した。
弾薬が切れた頃合いにオレは射撃レーン近くの売店に向かったのだが……「.50AE弾」と「.45ACP弾」が揃って売り切れていた……が「.44SP弾」は在庫が余り気味らしい。
回転弾倉式拳銃は装弾数が極端に少ないからな……コルト・ガバメントと撃ち合っても「装弾数」で劣るがパワーはリボルバーに軍配が上がる。
構造が単純な分、強力な弾薬が使えるのが長所だからな……リボルバーは。
オレが好き好んでリボルバーを使う理由は簡単だ……母さんと父さんの影響だ。
二人は誰よりもリボルバーを使うことにこだわるからな……その影響も少なくはない。
しかし、どうするか……自動拳銃2挺が使えないとなると困るな……
「そこのおにーさん!お困りなのだ?」
……ん?
「誰だ……ってうぉ!?」
振り向くとそこにはパンパンに銃口を逆に突っ込まれて、安全のために弾倉が付いていない数種類のアサルトライフルが詰まったリュックがオレに話しかけてきた……声の高さが不自然なのだが……?
「ここなのだ!見下げるのだ!」
「……へ?」
オレが下を見るとそこには武偵高のセーラー服を着たちびっ子がいた……っておい。
小学生がこの物量運ぶって無理があるだろう!?
つーか、あんたはM◯Pの龍人族の行商バァか!?もしくはねこバァか!?
「お嬢さん……小学生なのによくそれだけの量を運べるね……」
「あややは小学生じゃないのだ!」
アンダー150のミニな身長の少女がぷりぷりと怒っているが……身長差のせいで小学生が怒ってるみたいだ……いや、ほんとマジで。
「す、すまない。君は?」
「あややは装備科の2年生、平賀 文なのだ!おにーさんは何て名前なのだ?」
「失礼、先に名乗らせてしまいましたね。僕は天道・H・ハヤト。ハヤトで結構ですよ」
「じゃあてんどーくんでいいのだ?」
……まぁいいか
「如何様にもお呼びください見たところで平賀さんは……武器商人ですか?」
「あややは銃職人なのだ!」
……なるほどな……つまり
「なら話が早い。.50AE弾と.45ACP弾は取り扱っておられますか?」
「少々お待ちくださいなのだ!」
平賀さんはリュックをドシンッ!と大きな音と共に下ろすとその大きなリュックの中に頭から潜り込む。
そしてゴソゴソとリュックの中で「これじゃないのだ……これでもないのだ!」……と尻をふりふりさせる。
1分程リュック内を探索してようやく「あったのだ!」と、下の方で物を掴んで頭にバネやネジをくっ付かせた平賀さんが満面の笑みで弾薬ケースを出してきた。
「あややが作った徹甲弾と弱装弾なのだ!いちりゅーの武偵としての働きをサポートすることのできる仕上がりなのだ!」
徹甲弾に弱装弾か……オレは顎に手を添えて思案した。
弱装弾とは火薬の量を減らして弾丸の威力を落とした物だ……つまりは使えるな。
徹甲弾は簡単に言えば貫通弾……エンジンブロックも貫くことができるとかいうが撃ったことはないのでわからない。
「じゃあ、弱装弾を買わせてもらうよ。いくらだい?」
オレが値段を聞くと……平賀さんはキャラのデフォルメされたくまさんの電卓を出して計算して満面の笑みで電卓の電子画面を見せてきた。
「……ふむ……この程度なら」
オレは絶界からギッチリと諭吉さんがおしくらまんじゅうされた財布を引っ張り出してお金を払う。
「お買い上げありがとうございますなのだ!これはサービスなのだ!」
平賀さんは.50AE弾と.45ACP弾のそれぞれの弱装弾に徹甲弾をサービスとしてつけてくれた。
……若干押し付けられた感もあるのだが……まぁいいか。
そんなことを考えながら、オレはリュックを背負い直し、歩いていく平賀さんを見送るのだった……。
◯
「ヨォ、初めましてだな」
目元を隠すように黒のソフト帽を被った男が俺に話しかけてきた……
「……久しぶりだな……次元 英介」
「……おいおい、オレはただの武偵の卵だよ……今はな」
何でこいつがこの学校にいるんだよ……こいつの名は次元 英介。
あの大怪盗ルパン三世の相棒だった男……次元 大介の養子だ。
オレはとある案件でこいつのチームと一度組まされた……教授の命令でな。
「いやー……ブラドの試練の時はお互いに苦労したな」
「まったくだ。まぁ……そんなことはどうでもいい何でお前までいるんだ……五ェ門」
「殺気を納められよ、天道の」
ゆるく天然パーマのかかった黒髪の男がオレの背後に立っていた。
こいつは五ェ門……苗字はないらしい。
てことは……
「やっほー、ハヤトん!」
ふりふりのフリルだらけの改造制服に身を包み、オレのことを「ハヤトん」と言うふざけたあだ名をつけて呼ぶイタイ姿のちびっ子……
「久しぶりだな理子……いや、ルパン四世」
「その名前であたしを呼ぶな……くふふっりっこりんでーす!」
一瞬鋭い目になったが、その場でくるりと回転しておどけた顔になった理子。
このチビ女はその大怪盗ルパン三世の娘である、峰・理子・ルパン四世。
やれやれ「武偵殺し」……いや、「武偵攫い」の真犯人が以外と近くにいたとは思いもしなかった。
「理子。先に言っておくが……オレはお前が派手な動きをしない限り介入しない……ねらうのはアリアだけにしておけよ?」
「くふっわかってますよー……何て言うと思うか?」
「今は仕掛けねぇよ……不当強襲罪に問われるのはごめんだからな」
男喋りの理子にオレは一応釘をさす。
まぁ破るだろうけどな……約束をしたわけでもないがな。
「次元、五ェ門……相変わらず尻に轢かれてるのか?」
「何でそーなるんだよ!」
「俺はただジジィの遺言に従っているだけだ……他意は決してない」
……相変わらずだな、こいつらは。
「理子。一応、警告はしといたぞ?」
「はん、何とでもすればいいよー?くふっ」
ニヤーっと意地の悪い笑顔で理子は……次元と五ェ門を連れて去っていく。
……やれやれ……こりゃ、一波乱起きそうだな……割とガチでな……
そんな予感をオレは胸に秘めて……教室に向かうのであった……
(続く)
後書き
こんな感じで……ルパン四世として理子を描くことになります。
うまくかませることができれば……いいなぁと思いながら……では失礼いたします!
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