とある3人のデート・ア・ライブ
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第八章 反転
第8話 科学VS魔術
前書き
公募が終わったので投稿しましたー。多分落ちましたー。いつになったら定期更新できるんだろ……
ただただ己のために戦う。
風も止み、邪魔な人達も消え、その二人は相手を見据えていた。
エレンと一方通行。
最強の二人が今激突する。
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ーー
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お互いどちらからともなく二人は激突した。
凄まじいスピードの二人を見えた者は恐らくいないだろう。
一方通行は拳で殴り、エレンは剣で斬りつけていた。
そしてお互いが敵の異変に気付く。
一方「(なンだこいつの″殻″は……。その辺の奴らより遥かに固ェ……)」
エレン「(おかしい……。私はただ斬りつけただけなのに無傷なんてありえません。それに……斬りつけた時のこの衝撃は何なんですか……?)」
二人は相手の能力に疑問に思いながらパッと離れる。
そのまま一方通行は高く飛び、右手に周りの空気を吸い込ませる。
一方「『暴乱風』!」
″それ″をボールを投げるかのようにエレンに向かって発射させる。
すると一方通行の右手から小さい竜巻のようなものができ、それがエレンに一直線向かっていく。
エレン「甘いですね」
エレンはその場から動くことなく剣を下から上に振り上げた。
それと同時に当たった小さい竜巻は軌道を変えて、何もない上空へと消えていった。
一方「(……そンなに甘くねェか)」
エレン「終わりですか?ではこちらから行きますよ」
と、言い終わると同時にエレンが凄まじいスピードで先ほどと同じように一方通行に斬りつける。
しかし、
エレン「っ!?」
先ほどと全く同じように剣先から凄まじい衝撃がきた。
エレン「(やっぱり……私の攻撃をガードしつつ同時に私に衝撃を与えてる……でも、そんな事が可能なんですか……?)」
一方「テメェも甘いな」
エレン「くっ!」
そこからエレンはジリジリと追い詰められていく。
エレンは結局のところその辺の魔術師と根本は変わらないのだ。随意領域が人より固いだけである。
対して一方通行の能力は″ベクトル操作″としか聞いていない。だから先ほどの衝撃などの理由が分からないのだ。
あんなものを毎回受け続けていたら、いくら最強とはいえこちらの身も持たない。
なので、エレンは防戦一方となってしまった。
一方通行はあの固い殻を破るため攻撃に攻撃を重ねる。
一方「おらっ!」
エレン「くっ……」
しかし、エレンの殻はとてつもなく固く、まるでダイヤのようだった。
一方「(……やっぱり半端な攻撃じゃあ破れねェか)」
エレン「(まさかこの私がここまで苦戦を強いられるとは……やはり先ほどの衝撃を見破らないとこちらに勝機はありませんね)」
この間にも一方通行の攻撃は止まらない。
一方「(なら……これならどうだ?)」
エレン「(最初の時より二回目の方を強く斬りつけたら二回目の方が衝撃が強かった……まるで強さが比例してるかのように)」
と、エレンが必死に考えていると、
ガシッと、一方通行が随意領域を両手で掴んだ。
エレン「……?」
一方通行の手から何か出るわけでもなく、ただ掴んでいるだけに違和感を覚えた。
だが、彼の能力を思い出し、今何が起こっているのかすぐ気づいた。
エレン「……………まさか、力づくで破る気ですか!?」
一方「………」
強い力を拒む殻なら、それ以上の強い力で破ればいい。
その理論の元、一方通行はベクトル操作を利用し、徐々に随意領域を追い詰める。
エレン「チッ!」
エレンは咄嗟に一方通行を振り払うことを考えた。しかし、
エレン「随意領域が……反応しない!?」
凄まじい攻撃の前には防御優先になってしまい、その場に浮遊すること以外は全て防御に使われてしまってるのだ。
エレン「(やはりアレを見破らなくては……)」
少し焦りつつも先ほどのことを鮮明に思い出しながら再び思考する。
エレン「(先ほどの衝撃は本当に彼自身が攻撃した?どこか違和感が……)」
少しずつ、随意領域が悲鳴を上げ始める。
エレン「(衝撃が跳ね返ってきたとしたら……まさか)」
そして。
エレン「(反射した……?)」
随意領域は、パリンという音を立てて儚く割れた。
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ーー
ー
一方「………テメェ、化物かよ」
エレン「褒め言葉として受け取っておきますよ」
殻を破った張本人が言うセリフではないかもしれないが、この芸当を見せられたからにはそう言うしかないだろう。
殻を破った一方通行はそのままエレンを掴もうとしたが間一髪避けられた。
随意領域が壊されたというのに機体の制御を保っている時点でかなりすごいことなのだが、それだけならまだ許容範囲だった。
だが、それだけでは終わらなかった。
エレンは一方通行の手から避けた直後に剣で彼の顔を突き刺そうとしたのだ。
普通なら反射が発動するのだが、どういう訳か彼女には通用しなかった。
条件反射で顔を避けて頬を切っただけで済んだものの、昔の彼なら避けようともせずあっさり貫かれていただろう。
なら、なぜ反射が破られたのか。
エレン「攻撃を反射するならば、反射する前にこちらに手を引けばいい。そうすれば反射が発動してあなたの″壁″を貫けると思ったんですよ。かなり無謀な賭けだとは思いましたが……まさか成功するとは」
一方「…………」
久々に、一方通行は恐怖した。
あの木原数多でさえ殴る直前に手を引いて反射の作用を利用する……いわゆる木原神拳を編み出し、獲得するのに数年かかったと言うのに、エレンはそれを一瞬の間に見破り、さらには自分のものにしてしまった。
これこそ天才というべき存在なのだろう。
だけど。
一方「……テメェも無傷じゃねェみたいだな」
エレン「完全に避けれたと思ったんですがね」
エレンの頬から垂れる赤い血。
殻を破られた時に一方通行の爪か何かが引っ掻いてしまったのだろう。
エレン「私を傷つけたのは貴方が二人目です」
一方「そうかい」
ちなみに一方通行は上条当麻、木原数多、垣根帝督に続いて四人目である。
エレン「貴方とはもう少し楽しみたいのですが、私にはアイクを護らなければならないので」
一方「簡単に逃がすとでも思ってンのか?」
エレン「まさか」
刹那、凄まじいスピードでエレンが突っ込んできた。
一方「っ!?」
それを身体を逸らして避けるが、エレンはそこで急ブレーキし、一方通行の腹に蹴りをいれる。
一方「がっ……」
エレン「終わりです」
そこから剣をとり、一瞬の隙も与えず斬りつける。
しかし、
エレン「ぐっ……」
本来なら、普通の人間ならあそこで死んでいただろう。
だが、エレンは勝ちを確信し、油断した結果忘れてしまっていたのだ。
彼には、反射があることを。
その一瞬の隙を、一方通行は逃さなかった。
エレン「ぐあっ……」
同じくエレンの腹に蹴りをいれる。最低限の加護はあるものの、ベクトル操作によって強められたパンチは相当な物だろう。
エレン「はあっ!」
だがエレンはもろともせず、一瞬で立て直して、一方通行の手を掴み、
″吹き飛ばした″。
訳が分からぬまま一方通行は飛ばされ、廃ビルへと突っ込んでいく。
エレン「出来ればこれは使いたくなかったのですが、仕方ありませんね」
そう言い残してエレンはアイクの元へと戻っていった。
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一方「………」
廃ビルへと突っ込んだ結果、エレンを逃してしまった一方通行はその場に寝転んで考えていた。
先ほどの攻撃はただのASTには出来ない芸当だった。
一方「……フン、結局はあいつも魔術師って訳か」
エレンに手を掴まれた時、科学では説明ができない物理法則が駆け巡り、自分の身体を吹き飛ばした。
あれは、魔術。
やはりエレンは只者ではない。
なんせ随意領域が破られ、機体制御が難しい状況で自分をここまで追い詰めたのだ。最初から本気を出されていたらどうなっていたのだろうか。
一方「………ま、俺もあいつも、最後まで本気を出さずに終わったな」
次に会ったらこの借りは何が何でも返す。
そう心に誓った一方通行だった。
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ーー
ー
エレン「一方通行……面白い方ですね。本気を出していなかったとはいえ、私に傷をつけるとは」
DEMインダストリー社に向かいながら先ほどの戦いを振り返っていた。
反射を見破ったとはいえ、やはりアレは強力だ。それに、手応えからして向こうも本気を出していなかっただろう。
エレン「次戦う機会が訪れたなら、その時は最初から本気でお相手しますよ」
誰に聞かせる訳でもなく、そう呟いたエレンは微笑を浮かべながら、空を飛ぶスピードを速めた。
後書き
次は上条さん、士道、美九sideです。
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