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ドリトル先生の水族館

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第十幕その四

「また違うよ」
「そうなんだね」
「虫は身体の構造が決まってるんだ」
「確かあれだよね」
 こう言ったトートーでした。
「頭と胸、お腹でね」
「三つに別れてるんだ」
「それで足が六本だったね」
「そうだよ」
 先生はトートーにお話しました。
「そうなっているんだ」
「だから蜘蛛は違うのよね」
 ポリネシアはこの生きもののことをお話に出しました。
「足が八本だから」
「そうだよ」
「ダンゴムシもね」
「ダンゴムシやムカデは足が相当に多いね」
 だからというのです。
「虫じゃないよ」
「虫みたいだけれど虫じゃない」 
 ダブダブが言う例えはといいますと。
「ヤモリとイモリみたいね」
「ヤモリは爬虫類、イモリは両生類だね」
「そうよね」
「似ているけれど仲間じゃないんだ」 
 爬虫類と両生類、別々だというのです。
「昆虫の区分とはまた違うけれどね」
「それで青虫とかは虫なんだね」
 ホワイティは蝶々の幼虫を言いました。
「毛虫も」
「そう、大きくなって蝶々や蛾になるね」
「足が六本以上あっても」
「成虫になったらなくなるからね」 
 六本の足を除いてとです、先生は皆にこのこともお話しました。
「彼等はそれでいいんだ」
「その辺りが他の生きものと違うから」
 チーチーは考えるお顔になっています。
「そこがややこしいね」
「昆虫は成虫になると形が変わることもあるからね」
「変態だね」
「そうだよ、変態するからね」 
 幼虫から成虫にというのです。
「蛹になったりしてね」
「両生類だとおたまじゃくしから蛙になったりして形が変わるね」 
 老馬は両生類のお話をしました。
「それでも蛹にはならないね」
「成長するにつれて形が変わっていくね」
「次第にね」
「足が生えるけれどね、けれど昆虫は脱皮したりして変わっていくから」
「幼虫の時に身体が三つに別れていなかったり足が多かったりするんだね」
「そうしたこともあるんだ」
「そこが難しいんだよね」
「中々わかりにくいわ」
 チープサイドの家族も深く考えています。
「青虫が虫だったり」
「逆に蜘蛛が虫じゃなかったり」
「大差ないようでね」
「実は大きな差なのね」
「うん、生物学的には大きな差だよ」
「それでグソクムシさんもなんだ」
 ジップがダイオウグソクムシのことをお話しました。
「虫じゃないんだね」
「虫だけれどね」
「身体が三つに分かれていなくて足が六本じゃないから」
「そうだよ」
「ううん、というか」
「ダイオウグソクムシはね」
 オシツオサレツも二つの頭でお話します。
「身体は三つに分かれてないし」
「足は凄く多いね」
「それじゃあね」
「虫じゃないね」
「そうだよ、ムシという名前だけれど虫じゃないんだ」
 先生は生物学的な区分からお話するのでした。 
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