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Break Wing ~破壊の翼~

作者:Drache
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4 寮

寮に行くと部屋とロッカーの鍵を渡され、自室となるJ-64に向かった。

J-64は二階の右端の部屋だった。
自分の名前があることを確認してから入ると他二人のルームメイトはもう先についていた。
「お帰り、月影」
「倒れたって聞いたけど元気そうだな」
空人と緋井垣。この二人と一緒の部屋になれてラッキーだった。
「わりい。遅くなった」
そう謝り、荷物を自分のベッドに放り投げる。
「あれ?月影の荷物えらい少ないね」
「着替えと、日用品しか入れてないからな」
「俺なんて特大バッグ二つだぜ?そう考えると月影は少ないよな」
「そうか?」
これくらいは普通だと思っていたのだが少し違うらしい。
「おっと、そろそろ食堂に行かないとか」
「そうなのか」
現在時刻は午後7時。
三人でぞろぞろと食堂へ移動していると男女共有スペースで光山とばっちり出くわした。
「月影君、体は大丈夫なの?」
「ああ、おかげさまでなんともないよ」
ふとそこまでいってから光山の隣にもう一人の女子生徒がいることに気付く。
「えっと・・・?」
「あ、はじめまして。太陽の友達の凛崎莉伊奈です」
「はじめまして。闇野月影です」
「ち、ちなみに莉伊奈ちゃんは緋井垣君のおさななじみだそうです」
「「よけいなことはいわなくていい!!」」
緋井垣と凛崎が同時に言った。
なるほど。
「仲のよろしいことで」
「「仲良くない!!」」
また2人同時に叫んだ。
「ああ、もう!何で言っちゃうかなあ!」
「ほんと最悪だよ」
「それはこっちのセリフよっ!!」
さすがにほかの人たちの目も気になってきたところでずっと笑っていた空人が止めに入った。
「ストップ。これ以上やるとほかの人の迷惑になるから」
「だってこいつが・・・」
「元はといえばお前が・・・」
「いいから。ほら行くよ」
いまだに言い合う二人の背中を押しながら空人は食堂に入っていく。
「・・・俺たちも行くか」
「そうですね」
俺たちはそういいながら苦笑すると三人を追いかけて歩き出した。


夕食が終わり部屋に戻るとき、放送が入った。
『闇野月影、光山太陽は至急応接室に来るように。繰り返す――――』
「「?」」
俺たちは首をかしげながらも食堂の下にある応接室に走った。
「闇野です。失礼します」
「こ、光山です。失礼します」
そう断ってから応接室に入るとそこには寮長と理事長、知らない黒スーツ姿の男がいた。
何が起こっているかわからない状況に、俺は光山を守るように少し半身になりいつでも攻撃が仕掛けられるようにした。
ところが黒スーツの男は俺たち二人を見てかすかに頷くと
「はじめまして。政府直属機関『アルフレッド』の第三業務部長、赤石屍と申します」
そういって俺たちに名刺を渡した。
 
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