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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1154話

 アインツベルンの城から街中に戻り、家へと戻ってきた俺達。
 当然ながら凛の横抱きは、人目が増えてきたところで止めておいた。
 さすがに人前でああいう風なのを見せるのは、色々と危険だと思ったし。
 で、家に戻ってきた俺と凛を綾子が出迎え、凛の淹れてくれた紅茶を飲みながら今回の件の話をしていたのだが……

「え? 遠坂、今何て言った? あたしの耳がちょっと悪くなったみたいだ」
「だから、桜がライダーのマスターだって言ったの。ちなみにライダーっていうのは、綾子が半サーヴァントになる原因になったあのサーヴァントね。もっとも、あの時もそうだし、結界の件も慎二に操られてやった事らしいけど」
「桜が……」
「で、その桜が心臓に魔術的な蟲が寄生しているらしくて、衛宮君達はそれをどうにかする為にイリヤに会いに来ていたところで私達に遭遇したみたいね」
「何て言ったらいいのか……」

 ただ呆然とした表情を浮かべるしかない綾子。
 まぁ、そうだよな。部活で可愛がっていた後輩が実は魔術師で、しかも心臓に寄生されているとか、ライダーの件とか、色々と情報量が多すぎたか。
 そん風に凛が説明していくのを聞いていると、バーサーカーを倒したところまで話が進み……やがて凛の目がジト目で俺へと向けられる。

「それでアークエネミー。混沌精霊とグリフィンドラゴンだったかしら? あれについて教えて貰えるかしら? いつの間にあんなスキルと宝具を使えるようになったの?」

 決して嘘は許さない。そんな思いを込めて向けられる視線に、俺は飲んでいた紅茶のカップをテーブルの上に戻して、口を開く。

「勿論隠すような真似はしないから、安心しろ。ただ、これも前もって言っておく必要があるが、念動力やスライムの時と同じくスキルや宝具がどんなものなのかは理解したけど、それに纏わるエピソード記憶は思い出していない。それを理解した上で聞いてくれ」
「続けて頂戴」

 凛が魔術師としての目で俺に視線を向け、綾子はそっち関係の事には知識がないからと、特に何を言うでもなく黙って話を聞いている。

「まず、混沌精霊……いや、説明が簡単なグリフィンドラゴンの方にするか。まぁ、あっちは特に難しい話じゃないんだけどな。どうやら生前の俺が召喚の契約を結んだ存在らしい。……この辺の記憶は曖昧だが、召喚出来るって事は多分そうなんだろうな。グリフィンドラゴンという名前通り、グリフォンとドラゴンが混ざった存在だと思ってもいい。……人為的に生まれたキメラ的な何かなのか、それともグリフォンとドラゴンの子供として生まれてきたのか、はたまた偶然ああいう形になっただけで、実はグリフォンもドラゴンも関係ないのか……その辺の事情は分からないが。能力としては、基本的には身体を使った直接攻撃を得意としている。ただし、カマイタチブレスという遠距離攻撃用の能力も持っている」
「……あのねぇ。グリフォンにしろ、ドラゴンにしろ、どっちも幻想種よ? そうそう簡単に見つけられるものじゃないってのに、その2つの混ざった存在? これだけでも魔術協会に見つかれば騒がしくなるのは間違いないわ」

 溜息を吐きながら告げる凛だったが、それには異議を唱える。

「それを言うなら、俺は英霊だぞ。バーサーカーのヘラクレスとか、アサシンの佐々木小次郎だって十分に騒ぐ理由になるんじゃないか?」
「……まぁ、そうかもしれないわね。それで、その……グリフィンドラゴンだったわね。いつでも召喚出来るの?」
「まぁな。召喚には魔力が必要だけど、俺の場合は魔力生成EXがあるから、殆ど意味はないし」

 そう告げた時の凛は、笑みを浮かべていた。
 ……ただし、笑みは笑みでも、いつものにこやかな笑みではなく、何かを企んでいるかのような、ニヤリとした笑みだが。

「ねぇ、アークエネミー。ドラゴンの鱗とか爪とか、グリフォンの羽毛とかって魔術的な素材としてかなり優秀で、とんでもなく高く売れるんだけど……」
「そう言われてもな。グリフィンドラゴンの大きさを考えると、そう簡単に召喚する訳にはいかないぞ? 向こうにしてもそういうのを嫌がる可能性は高いし」
「いいから、今度試して見てくれる? 間近でじっくりと見た訳じゃないけど、かなりの神秘に見えたもの。正直、スライムとグリフィンドラゴンだとスライムの方が能力的に強いけど、グリフィンドラゴンがランク的にそう負けていないのは、その神秘が理由だと思うわ」

 その後も色々とグリフィンドラゴンについて話し合い、最終的には取りあえず1回、どこか人目につかない場所で召喚を試してみるということになった。
 綾子も、魔術とかそっち関係にはあまり興味がないらしいが、グリフォンとかドラゴンとかにはかなり興味を引かれたらしいし。
 ……もしかして、実はこういうのが好きなのか?
 そうして、何だかんだでグリフィンドラゴンについての話が決まり……

「鱗と羽毛を流せば、少し前から欲しかったあの宝石も……もしかしたら、以前は泣く泣く諦めたアメジストも……ん、コホン。じゃあ本題の方に移って貰いましょうか」
「……威厳がないぞ、マスター」
「しょ、しょうがないじゃない。遠坂の、宝石を使った魔術はお金が掛かるんだから。それに、アークエネミーや綾子の食費とかの問題もあるでしょ。それよりほら。本題よ本題。混沌精霊だっけ? それについて話して」

 何かを誤魔化すように告げてくる凛に、食費を圧迫している身としては、これ以上何かを言うのも何なので肩を竦めて口を開く。

「分かったよ。……さて、混沌精霊についてだが、生憎とこっちもグリフィンドラゴンと同じで、どうやって俺がそんな存在になったのかというのは相変わらず分からない。ただ、それがどういう能力を持っているのかってのは大体分かる。まずは……そうだな、何から説明したものか」

 念動力と同じで、複数のスキルが組み合わさった能力である以上、説明する事も多い。
 取りあえず思いつくままに説明するとしよう。

「念動力と同じく、複数のスキルが組み合わさっているスキルだから、そっちから説明していくぞ。まず、炎、影、召喚、それと特殊な魔術を使いこなせる事で、魔術EX、それらの魔術のみを無詠唱で使いこなせる事から、無詠唱B-となっている」

 その言葉を聞いた凛が納得出来ないと口を開く。

「ちょっと待って頂戴。魔術のランクがEXで、無詠唱がB-ってどういうこと? 基本的に使える魔術は同じで、そのどれもが無詠唱で使えるのなら、無詠唱もEXになるんじゃない?」
「うーん、その件だが、どうやら魔術がEXというのになっているのは、炎、影、召喚以外の特殊な魔術の方が原因らしい。ほら、見ただろ? 俺がバーサーカーを相手にして最後に使った攻撃」

 バーサーカーに対して最後に使った攻撃、それは愛と直撃という特殊な魔術を使った攻撃だった。
 相手の防御手段を無効化する魔術に、複数の効果を1つに纏めた魔術。
 あの時の光景を思い出したのだろう。凛は納得したように頷く。

「……確かに最後の攻撃は凄かったわね。あれだけの攻撃が出来るのなら、魔術のランクがEXになるのも納得出来るわ」
「理解して貰ったようで何よりだ。じゃあ次に、こっちは何でこれを持っているのかは分からないけど、神性D。多分だけど、混沌精霊という存在の神秘とか、そういう理由だと思う」
「神性は神霊適性を持つかどうかだから、直接的な戦闘には関係ないんだけど……精霊であるアークエネミーが、神性のランクがそこまで低いってのはちょっと気になるわね。精霊なんて、それこそ神秘の塊みたいなものじゃない。それとも、神性だから神秘とは別枠なのかしらね」

 なるほど。確かにその可能性は考えられるな。
 神性と神秘というのは、似て非なるものってところか。

「となると、こっちはその神秘性ってのが影響しているんだろうな。対魔力Aってのがある」
「……それ、出来ればキャスターと戦う前に欲しかったわね。キャスターの魔術を軒並み無効化出来たんじゃないかしら」
「俺としても、出来ればそっちの方が良かったよ。あの魔術の雨霰は、ちょっと洒落にならなかったしな」

 魔術こそがキャスターの本領発揮だと分かっていても、上空から魔術を連射してくるっていうのは、厄介以外のなにものでもなかった。

「ま、それでも勝ったんだからいいじゃないか。あたしとしては、能力云々よりも2人が無事に帰ってきてくれる方が何よりだよ」

 綾子の言葉に凛と共に顔を見合わせ、どちらからともなく笑みを浮かべる。
 実際、聖杯戦争というのは魔術師とサーヴァント同士の殺し合い何だから、無事に戻ってくるのが何よりだってのは事実なんだよな。

「そうだな。綾子の言う通りだ。……で、話を戻して次だな。魔眼C。能力としては、相手に対してランダムに状態異常を与えるという能力の魔眼だ、ランクを見れば分かる通り、そんなに強力って訳じゃない。少なくても、ライダーが使った魔眼に比べれば、かなり格が落ちる」
「……ああ、あの魔眼ね。詳細は分からないけど、かなり強力な魔眼よ。多分宝石ランク」

 その宝石ランクとかいうのが、具体的にどの程度凄いのかは分からないが、ニュアンス的には最上級って意味なんだろう。
 まぁ、強制的にステータスが1ランク……もしかしたら2ランク程低下させられたのだから、それも納得だ。
 もっとも、これがあったからこそ俺はバーサーカーに苦戦する事になり、結果的に混沌精霊やグリフィンドラゴンのスキルを使えるようになったんだが。

「アークエネミーの魔眼も、雑魚を……それこそ、学校で襲ってきたような竜牙兵を相手にするのなら便利かもしれないけど、サーヴァントクラスを相手にするにはちょっと厳しいでしょうね」
「だろうな。しかも効果はランダム。麻痺だったり毒だったり、動きが鈍くなったりその他諸々だ。こっちでどの効果を与えるのかを選べない以上、強敵を相手にして使うのは止めておきたいところだな」

 使いようによっては結構便利かもしれないが、それでもやっぱりランダム……運の要素が強いというのは、正直な話あまり嬉しくない。

「そして、最後。どうやら俺の身体ってのは混沌精霊って奴で、サーヴァント云々以前に元から魔力で構成されていたらしくてな。今思えば、魔力生成EXとかも、多分その影響だったんだろうけど。ともあれ、身体が魔力で出来ているというのを利用して魔力放出Aだ。この魔力放出ってのがどういう効果なのは、セイバーとバーサーカーの戦いを見ていた凛なら分かるよな?」
「ええ。あの小柄な体格のセイバーが、2.5mは超えているだろうバーサーカーとまともにやり合えたってだけで、どれだけ有能なスキルなのかは分かるね。……素の実力でバーサーカーを相手にしたアークエネミーが魔力放出を使うとか、ちょっと卑怯じゃないのかって思いたくもなるけど」
「でも、凛としては頼もしいスキルだろ?」
「否定はしないわ。……もっとも、対魔力と同じくもっと早くに使えていれば、聖杯戦争を楽に戦えたとは思うけど」

 凛の言いたい事も分かる。
 実際、もう残っているのはセイバー、ライダー、ランサーの3人のみで、桜ってのを助ける為にセイバーとライダーとは半ば休戦状態。残る最後の1人のランサーは、どこにいるのか全く分からない。
 ……ああ、そうだ。

「そう言えば話は戻るけど、結局凛と桜って女の関係を聞いてなかったな。聖杯戦争を放ってまで気にする桜って女は、どういう関係なんだ?」
「……」

 黙り込む凛に、綾子もまた不思議そうな表情で口を開く。

「その点はあたしも気になっていたところだ。確かに桜はあたしにとって大事な後輩だけど、何だってそこまでして遠坂は手を尽くすんだ? 魔術の世界には疎いけど、それでも遠坂がこの聖杯戦争ってのに真剣に挑んでいるのは分かる。正直、衛宮は仲のいい男友達だし、殺すってのは勘弁して欲しいけど……それでも遠坂なら友達の後輩ってだけで手を抜いたりはしないだろ?」
「……そうね。確かに桜が綾子の後輩ってだけなら私も衛宮君達と半ば休戦状態になったりとかはしなかったと思うわ。けど……それでも私は桜の命が懸かっているというのなら、守らなきゃいけないのよ。同じ遠坂の血を引く者として……血を分けた、実の姉として」

 部屋の中に、凛の口から出た言葉だけが響き渡るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:385
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1186 
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