ハイスクールD×D 新訳 更新停止
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第5章
冥界合宿のヘルキャット
第98話 ドラゴン、悪魔で龍王でした!
前書き
更新遅れ気味だなぁ……。
「グォアアアア!!」
『ッ!?』
何者かによって見知らぬ岩場に強制的に転移させられた俺達は突然現れたドラゴンにいきなり襲われる!
「どうやら、味方じゃないみたいだね!」
「ああ、その様だ!」
現れたドラゴンを敵と断ずると、俺達は臨戦態勢に入る!
「……ッ!」
「っ!?小猫ちゃん、いけない!」
塔城がいきなり独断先行に走り、副部長が呼び止めるが、塔城は止まらない!?
ドガァァッ!
「……うっ……!?」
塔城はドラゴンに殴り掛かるが、尻尾によって容易に岩に叩き付けられてしまう!?
「小猫ちゃん!?」
重傷を負った塔城の下にギャスパーが駆け寄った瞬間、ドラゴンが二人に襲い掛かろうとする!?
ドォォォォォン!
そこへ、副部長が雷をドラゴンに放って、気を逸らした!。
「部長がご不在故、私が指揮を取りますわ!祐斗君とゼノヴィアちゃん、明日夏君はドラゴンを引き付けてください!イッセー君はその間に神器を!アーシアちゃんと神楽ちゃんは小猫ちゃんを!ギャスパー君と千秋ちゃんは二人の護衛を!鶇ちゃんと燕ちゃんはスキを伺って支援を!私は上空より支援に回ります!」
『はい、副部長!』
副部長の指示の下、緋色のオーラを出しながら、言われた通りに動き始める。
「ブーステッド・ギアッ!」
『Boost!!』
「グォォォ……」
「わっ、こっち見んな!?」
ドラゴンがイッセーの方を向くが、空かさず副部長の支援が入る!
「お前の相手は!」
「僕達だ!」
そこへ、間髪入れず木場とゼノヴィアが斬り掛かる!
ガキィィン!
だが、二人の斬撃をドラゴンは角でいとも容易く受け止めてしまう!
「だが!」
俺は二人に気を取られてるドラゴンの足元にバーストファングを投擲する!
ドゴォォン!
「ッ!?」
爆発と自身の体重によって足元が崩壊して、ドラゴンは足を取られる。
「猛虎鉱爬山ッ!」
さらに間髪入れずにオーラを一点集中させて、もたついていたドラゴンの足に八極拳を打ち込む!
「ッ!?」
だが、もたついていたにも関わらず、ビクともせず、むしろ反動で俺の方が動きを止めてしまう!?
マズイッ!
ドラゴンが俺の方を視線を向けるが、反動が抜け切っていなかったせいで、逃げるのが遅れてしまう!?
「ッ!」
そこへ、クナイが飛んできて、ドラゴンの気が一瞬だけそれる!
燕か!
「ハァッ!」
さらにそこへ、鶇の拳がドラゴンの後頭部に叩き込まれる!
が、それでも、ドラゴンにはビクともせず、一瞬だけ気を逸らさせる事しかできていなかった!
だが、おかげでドラゴンから距離を取る事ができた。
「祐斗君!」
「はい!ソード・バースッ!」
副部長の指示で木場が剣を地面に突き刺して神器の力を開放、ドラゴンの足元から無数の魔剣が現れて、ドラゴンの動きを封じる!
「グォォッ!」
だが、ドラゴンは魔剣の拘束からあっさりと抜け出してしまう!
クソ!なんなんだ、このデタラメな強さは!
ドラゴンが再びイッセーの方を向く!
「……まだだっての……!相手にするにはまだパワーアップが足りねえ……!?」
こいつ、イッセーを狙ってる?まさか、『赤龍帝の篭手』に反応してるのか!?
「ぼ、僕も頑張らなくちゃ!……僕だって……!僕だって、男なんだから!」
ギャスパーが停止の邪眼を使って、ドラゴンの時間を止めた!
「上手いぞ、ギャスパー!」
「グォォオオオオッ!!」
「って、もう動いてるし!?」
「ダメだぁ!?怖くて、集中できないぃ!?」
まあ、気の弱いお前があのドラゴン相手に一瞬でも立ち向かっただけでも上出来だ。
『Explosion!!』
おかげでイッセーの力がフルまで溜められた!
「イッセー君、一緒に!」
「はい!ドラゴン・ショット!」
副部長の雷とイッセーのフルパワーのドラゴン・ショットがドラゴンに炸裂した!
やったか!
「グォォォ……」
「っ、マジかよ!?」
「そんな!?」
「……冗談じゃねえぞ……!?」
あれだけの攻撃を食らって尚、ドラゴンはピンピンとしていた。
「グォォォオオオオッ!!」
「っ、しまった!?」
「イッセー!?」
「イッセー兄!?」
ドラゴンがイッセーに向けて火を吐こうとするのを見て、俺と千秋は駆け出すが、間に合わない!?
「よーし、そこまでだ」
突然の第三者の声を聞くなり、ドラゴンは火を吐こうとするのを止めた!
俺達は声のした方を向く。
「……部長と先生……?」
そこにいたのは、行方が分からなくなっていた部長とアザゼルだった。
━○●○━
「このドラゴンが悪魔ぁっ!?」
あの後、俺達はアザゼルから事の状況の説明を聞き出し、まずこのドラゴンが転生悪魔だと言う事を知り、アザゼルが俺達に嗾けた事を知る。
「久しいな、ドライグ」
『ああ。懐かしいな、タンニーン』
「喋った!つうか、知り合いかよ!?」
『おい、俺には挨拶無しかよ、タンニーン』
「……ふぅ、久しいな、ドレイク。相も変らぬ様だな」
ドレイクやドライグの知り合い、更にあの強さとなると、相当な高位なドラゴンって事か?
「『魔龍聖』タンニーン、元龍王の一角でな、ちょい訳ありで悪魔に転生した物好きさ。お前らの修行の為、手を貸してもらった」
「フン、サーゼクス殿の頼みだと言うから特別に来てやったのだ。その辺を忘れるな、堕天使の総督殿」
元龍王タンニーンの言葉をアザゼルは肩を竦めて聞き流していた。
「みんな、怪我は無い?ごめんなさい、貴方達を騙す様なマネ、私は反対したのだけど、お兄様まで賛成してしまって……」
「眷属達の力が伸び悩んでいるのはリアス、お前のその甘さと迷いにも問題があるんだぜ」
「迷った事なんか……!」
「不意を突かれてどこまで力を出し切れるか、ちゃんと確認しておきたかったんでな。おかげで今後の修行方針が決まったよ」
「……堕天使が考えそうな事ですわ……」
「俺はお前らを強くする為なら、何でもする。なにしろ先生だからな」
どうやらこの冥界旅行、普通の旅行で終わりそうにないな。
もっとも、俺は元々旅行で終わらせる気は無かったから、丁度良いがな。
「とにかく、そんな汚れた姿で家に連れて行く訳にはいかないわね」
━○●○━
「ふぅ、良い湯だぜ。これで酒があればもっと最高なんだがな」
俺達は今、とある温泉に来ていた。
あの後、タンニーンとの戦闘で付いた汚れを落とす為にあの岩場から移動した所にあったこの温泉に来た。
お湯の熱が体の芯にまで伝わって、さっきの戦闘の疲れが抜けていく。
これからアザゼル考案の修行の事を考えると、束の間の休息って事になるのかね。
「おい、アザゼル」
「やれやれ、先生を付けろよ」
修行の事で聞きたい事があった俺はアザゼルの隣に座る。
「修行のプランはもうできてるのか?」
「ん、まあ、粗方わな。元々ここに来る前から考えてたしな」
「……俺にはどんな修行を課すんだ?」
「安心しろ。人間ベースに合わしちゃいるが、キッついの課してやるよ」
何に安心すれば良いのか分らない言い方だが、今はそんな事どうでも良い。
「……成果はどこまで望めるんだ?」
俺が気になるのはそれだけだった。
「将来性があるのは確実だな」
……将来……。
「……それじゃ遅い……!」
「遅い、ねぇ。あのレイドゥンとか言う奴か?」
アザゼルの言葉に俺は目線を落とす。
「……だったらなんだよ……」
「確かに奴さんは強いだろうな。お前よりは確実に。それも相当な差だ。その差を一刻も早く縮めたい気持ちも分かる。けどな、お前さんは人間だ。悪魔のあいつらとは体の頑丈さが違い過ぎる。下手に一気に力を付けようとすれば、最悪死ぬぞ?」
「死ぬつもりは無い。少なくとも…」
「奴を倒すまでは、か?落ち着いている様に見えて、内心は親の仇討ちの想いで一杯みたいだな?」
「別にそんなんじゃ…いや、父さんと母さんの仇を討ちたいって言う想いはある。ただ今は守りたい物をあいつから守りたいだけだ」
「ほぅ」
「あいつの口ぶりから、これからも俺達兄弟を強くする為に何かしら介入してくるだろう。その為にこの日常を壊されるかもしれないなんてごめんだ!その為に、せめてあいつから守れるだけの力は短期間で付けたい。あいつを倒すかとかどうかはそれからだ!」
俺の言葉を聞いて、アザゼルは後頭部をガリガリと掻く。
「ハァ、分かったよ。んで、千秋にもそうすれば良いのか?」
「いや、俺だけで良い。あいつには戦いよりもできれば女の子らしい事をしてほしいからな」
「イッセーとの仲を深めるとか、か?」
アザゼルがイヤらしい笑みを浮かべていたが、とりあえず無視する。
「まあ、そうだな」
「お前さんだって若いんだぞ。戦いよりももっと青春を謳歌したらどうだ?」
「フッ、その為に守れる力が欲しいんだよ」
「なる程ね」
「ちなみに聞くが、みんなにはどんな修行を課す気だったんだ?」
「あ?まあ…」
それから、アザゼルからみんなに課す修行の内容を聞いた。
「…てな感じだ」
「……約一名、ハードって言葉が生易しくなる様な内容だな……」
「あいつは良いんだよ、あいつは」
随分な扱いだな、おい。
死にはしないだろうが、大丈夫なのか、あいつは?
まあ、もっとも…。
「なら、俺にもその修行をやらせろ」
それを自分からやろうとする俺もあれだがな。
「オイオイ待て待て!?厳しくするにも限度があるだろうが!」
「良いから、やらせろ!」
強く言う俺を見て、アザゼルは呆れた様に盛大に溜息を吐く。
「はぁ、やれやれ。この話は後だ後!今は体を休めろ!」
これ以上ここで話しても平行線になるだけか。
俺は渋々頷く。
「分かった……」
「たくっ、せっかくの温泉だってのによ」
アザゼルが何か愚痴ってるが、とりあえず無視する。
「ぼぼ、僕は良いですぅ!後から入りますからぁ!?」
「男のクセに何恥ずかしがってんだよ!」
「ウウゥゥゥッ!?」
何だ?
何か騒がしいなと思い、そちらへ視線を向ければ、嫌がるギャスパーをイッセーが無理矢理温泉に入れようとしていた。
どうやらまたギャスパーの対人恐怖症が出て、温泉に入るのを渋っていた所に、イッセーが裸の付き合いもできないのはどうかとってな感じで温泉に入れようとしてるんだろう。
「お前男なら胸までバスタオルを巻くなよ!こっちも戸惑うだろ!?」
「そそ、そんな!?イッセー先輩は僕の事をそんな目でぇぇっ!?」
「アホかァァッ!!」
ドボーン!
結局、ギャスパーはイッセーに放り投げられる形で温泉に入れられた。
「イッセーくーん、ギャスパー君にセクハラしてはいけませんわ」
上の方から副部長のからかいの言葉が聞こえてきた。
上を見ると、副部長の顔が見えた。
てっきり、上のスペースから湯をこのスペースに流れ出させる構造なのかと思ってたが、どうやら上のスペースは女湯、下のスペースが男湯と言う構造みたいだ。
「サイコー過ぎるぜ!冥界の温泉ッ!!」
上が女湯と分かるなり、イッセーはいつもの様にテンションを上げていた。
「ああ、イッセー」
アザゼルがイッセーを手招きしながら呼ぶ。
イッセーも首を傾げながら、アザゼルの前まで来る。
「ところで、イッセー」
「はい?」
「お前、リアスの胸を揉んだ事はあるのか?」
いきなり何を聞いてるんだ、この堕天使総督は?
「はい!この右手でモシャッと!」
お前も真面目に答えるなよ。
「じゃあ、こう女の乳首を突いた事はあるか?」
「……い、いえ、まだです…!」
「ハァァァ……」
期待外れと言わんばかりに長い溜息を吐くアザゼル。
「……なんだお前、突いた事無いのかぁ?ポチッとじゃなくて、ずむっと突くんだ。指が胸に埋没していく様は圧巻だぞぅ♪」
アザゼルの言葉にイッセーは呆気に取られていた。
「って、乳首は玄関のブザーじゃないんですよ!?」
「いや、あれはある意味ブザーに近い。押すとなるんだよ。いやーんってな」
「ッ!?……なんて事だ。俺は揉んで、吸って、挟むのがおっぱいだと思ってました……!おっぱいって、乳首って、そんな機能があったんですね……!」
「だからお前はまだまだなんだよ。女の胸はそれこそ無限だァッ!!」
「ッ!?先生、俺は今、猛烈に感動しています!先生、おっぱいを突きたいです!」
「ああ!諦めるなよ!お前ならできる!諦めたら、そこでおっぱい終了だァッ!!」
「はい!はいッ!!」
アホらしくなってきたのか、いつの間にか俺は二人のいた所から離れて、温泉に肩まで浸かっていた。
まあでも、こんなのが多いこの日常が俺の守りたい日常なんだよな。
二人の熱弁を聞き流しながら、俺は修行に向けて、決意を新たにする。
━○●○━
「おぉう、待たせたな」
「まったく、遅いにゃ、美猴」
「ヴァーリと段取りの最終確認をしてたら、この二人が着いて来てぇってしつこくてな」
「なんで二人まで来るのよ?」
「良いじゃん。神様ってのを一目見てみたいんだよ」
「……待ってるだけなんて退屈だからな」
「ロキなんてどうでも良いのに」
「そう言うなって、黒歌。これも仕事だ。そろそろ行こうぜ。あっちこそ、待たせたらメンドクセーぜ」
「私は妹を連れ戻したいだけにゃ」
「でも、絶対一悶着あるだろ?それに俺も会いたい奴いるし」
「『魔弾の竜撃手』の弟か?そんなに期待できる様には思えないがな」
「お前はすぐ現状の力量で判断するなぁ。もう少し、将来的に見てみたらどうだ?」
「今強くなきゃ、全然意味無いだろ?」
「そうかもしれないけどさ。でも……」
「ほら、さっさと行くぜ。予定が狂うのもメンドーなんだからよぉ」
「ほ〜い」
「はいはい」
「了解」
後書き
ヴァーリチームに新オリキャラを投入しました。
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