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ドリトル先生の水族館

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第九幕その十一

「神様が進化を促してくれた」
「そうなんだね」
「何かダーウィンさんを神様がどうとかで言う人がいるけれど」
「そうでもないのね」
 ダブダブとポリネシアがお話します。
「そうなのね」
「矛盾していないのね」
「そうだよ、進化とそれを促す条件は全て神が用意されているからね」 
 だからだとです、また皆にお話した先生でした。
「矛盾していないんだ」
「神様とダーウィンさんも」
「そうなんだね」
「僕も学問をしていてわかったよ」
 そうしたことがというのです。
「ダーウィンさんの進化も神の中にあるんだ」
「成程ね」
「そうしたものなんだね」
「ダーウィンさんは神様を否定していない」
「そうなんだね」
「僕はこのことに気付いて驚いたけれど」 
 ふとです、先生はここでお話を変えてきました。
「日本では皆普通に考えているんだ」
「神様とダーウィンさんのことを」
「矛盾しないって」
「そうなの」
「そうしたものだって」
「最初からわかってるんだね」
「それこそダーウィンさんの進化論を聞いてね」 
 そしてというのです。
「もうすぐになんだ」
「神様とは矛盾していない」
「そうだっていうんだね」
「ここの国の人達は」
「普通に受け入れているんだ」
「うん、日本人の宗教観だとそうなんだね」 
 そのことからお話するのでした。
「普通に矛盾しないんだ」
「確か先生のお国でも大騒ぎだったんだよね」
「ダーウィンさんの進化論と神学で」
「神お否定するとかで」
「今も言い合ってるんだよね」
「ユダヤ教だと恐竜の存在を否定する人もいるよ」
 そうした人のこともです、先生は皆にお話しました。
「この世界は神が何千年か前に創られているからそれ以前の生物が存在する筈がないってね」
「そうした意見もあるんだね」
「聖書の考えに忠実に添って」
「そうしたことを言う人もいるのね」
「そうなんだね」
「そうだよ、こうした意見もね」
 先生は穏やかなお顔のまま言うのでした。
「いいんだよ」
「間違っていないんだ」
「恐竜がいないって言っても」
「それでもなんだ」
「いいんだね」
「うん、それも学説だよ」
 それもまた、というのです。
「だからいいんだよ」
「そうなんだ」
「それもなんだね」
「先生は否定しないんだね」
「学説の一つとして肯定するんだね」
「どんな学説も検証してもね」
 それでもともです、またお話した先生でした。
「否定はしないんだ、僕は」
「そうしたことはしないよね、先生って」
「何でも受け入れるよね」
「自分の考えはしっかり持ってるけれど」
「否定はしないんだね」
「否定をしたらそれで終わりだからね」
 だからだというのです。 
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