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ポケットモンスター 急がば回れ

作者:おうーん
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8 ヤマブキシティ

ブルー「ここ本当にヤマブキシティ?」

イエロー「なんか怪しい人がいっぱいいるね」

ピカチュウ「ピカ」

ロケット団員A「ヤマブキシティごとロケット団がのっとったぜ!」

ロケット団員B「ボスはこの街をロケット団のものにするってよォ」

ロケット団員C「悪いことやりまくるとスカッとするぜ!」

高層ビルが建ち並ぶ街中に黒い男たちが溢れかえっている。

イエロー「どうやらヤマブキシティに間違いなさそうだね。
ちょっと様子がおかしいけど」

エスパーおやじ「君たち、外にいては危険だ。私の家に来なさい」

ブルー「知らないおじさんについていっちゃいけないって博士に言われてるから」

エスパーおやじ「君たちもう成人してポケモントレーナーの旅をしてる身じゃないか」

ブルー「それもそうね。じゃあ行ってあげてもいいわよ」

イエロー「でもどうして僕たちがポケモントレーナーだとわかったんですか?」

エスパーおやじ「こんなご時勢この街に観光客は来ないからな」

2人とピカチュウはエスパーおやじの家についていった。

イエロー「おじさん、一体この街で何が起こってるんですか?」

エスパーおやじ「だいたい察しはつくだろう。ロケット団に占拠されたのだよ。
ロケット団はあちこちで破壊と略奪の限りを尽くす悪の組織だ。
外とは塀で完全に遮断されてしまった。連絡すら取れない状況だ。
ゲートが4つあるが簡単には通れない。
上空にも強力なバリアーが張ってあって、出入りする手段といえば……」

ピカチュウのほうを向く。

エスパーおやじ「ポケモンのテレポートくらいしかない」

イエロー「バリアーって……?」

エスパーおやじ「こんなことができるのはヤマブキジムのジムリーダー以外に考えられん」

ブルー「それじゃあジムリーダーもロケット団ってことなの!?」

エスパーおやじ「おそらくな……」

突然ドアのチャイムが鳴る。

エスパーおやじ「まさか、気づかれたか?」

イエロー「バリアーを突破して来たんだ。気づかれてもおかしくないですよ」

ブルー「ちょっと、どうするのよ!?
あたしたち捕まっちゃうの?」

少女の声でエスパーおやじを呼ぶ声が聞こえる。

エスパーおやじ「大丈夫だ。ロケット団じゃない」

そう言ってドアを開けて少女を招き入れる。

エスパーおやじ「この子はイミテ。
この街の子だ」

イミテ「……こんにちは」

イエロー「こんにちは」

ピカチュウ「ピカ」

ブルー「あれ? この子……」

イエロー「ブルーにそっくりだね」

ブルー「キャーかわいい! あたしの生き別れの双子の妹だったりして!」

ブルーははしゃいでイミテに抱きつく。

イミテ「いや、あの……わたしは……」

イエロー「性格は全然違うみたいだね」

ブルー「冗談よ冗談! あたしに双子なんていないし」

エスパーおやじ「イミテ、今日はどうした?
近頃はロケット団がうろついてるから無闇に出歩いてはいけないと言ったろう」

イミテ「ごめんなさい。でも、なんだか嫌な予感がして……」

ピカチュウ「ピカ」

ピカチュウが見上げて声をかける。
イミテがそっと頭をなでると、ピカチュウはとても気持ちよさそうに鳴く。

ナツメ「あなたたち、捜したわよ」

エスパーおやじ「お、お前は……!」

テレポートを使って一瞬で現れたナツメに、そこにいた誰もが驚く。

ナツメ「わたしはヤマブキジムのジムリーダー、ナツメ。
今、この街は大変なことになってるの。早く帰りなさい」

エスパーおやじと、彼の話を聞いた者たちは警戒する。

ナツメ「安心なさい。
ジムリーダーとしてヤマブキの人々を守るのは当然の務め。
あなたたちはどうやってここに来たのか知らないけど帰ったほうがいいわ」

イエロー(おかしい!
エスパーおやじですら僕たちがテレポートで来たと推測できたのに、どうやってここに来たのか知らないと言った。
やっぱり何が隠しているのか?)

ブルー「でも、ナツメさんってロケット団……」

イエロー「ナツメさん」

イエローはブルーの言葉を抑えて言う。

イエロー「僕とポケモンバトルしてくれませんか?」 
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