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ドリトル先生の水族館

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第九幕その六

「難を逃れたね」
「よかったね」
「先生がそっと守ってくれたし」
「親御さん達も止めたし」
「いや、よかったわ」
「本当にね」
「出来た親御さんだったね」 
 先生も言います。
「子供達が来たら注意するつもりだったけれど」
「うん、親御さん達がね」
「怒って止めてくれてね」
「それで難を逃れたから」
「本当によかったわ」
「子供を怒ることも必要だけれど」
 それでもと言う先生でした。
「ただ怒るだけじゃ駄目なんだ」
「どうして怒るのかだね」
「理由も言わないと駄目なのね」
「さもないと頭ごなしなだけで」
「子供達にとってもよくないのね」
「そうだよ、子供の人格は形成中のものでありそして人間なんだ」
 紛れもなく、というのだ。
「同じ人間でありおかしなことをするとおかしな影響を受ける」
「そのことを考えて」
「そしてなんだ」
「ちゃんと理由を説明して怒るべき」
「さっきの親御さん達みたいに」
「そう、他の人に迷惑をかけたらいけない」
 まずはこのことからお話した先生でした。
「それはエチケットだね」
「人としてのね」
「最低限のね」
「それが出来ないとね」
「そもそも駄目だし」
「そう、そして怒ると前以て言っていてどうして怒るかも話していたね」
 おやつのアイスを買ってあげないとです。
「そうしたことまで言って最後に僕達から注意の視線を外させた」
「そこまでしたから」
「流れるみたいに」
「だからいいんだね」
「あれで」
「凄くよかったよ、しかも暴力を振るわなかったね」
 このこともよかったと言う先生でした。
「暴力は本当に駄目だよ」
「それだけはね」
「幾ら親でもね」
「躾も必要だけれど」
「暴力は」
「そう、暴力はいい結果を残さないよ」 
 先生はこのことは絶対と言うのでした。
「絶対にね」
「子供を。暴力を振るわれた人を傷付けるだけで」
「しかも自分の負の感情を乱暴にぶつけてるだけだから」
「絶対によくないね」
「そうなんだね」
「うん、親でも学校の先生でも職場の上司でもね」
 そうした立場でもというのです。
「暴力はよくないよ」
「決してだよね」
「それだけは」
「それをしたらね」
「もうそれだけで駄目だね」
「僕は暴力を否定しているのはね」
 それはどうしてかとも言った先生でした。
「ただマイナスの感情を相手にぶつけていて相手を傷付けるだけだから」
「それでだね」
「先生は暴力を否定しているんだね」
「だから絶対に暴力を振るわない」
「誰でも」
「そうだよ、暴力は人を傷付けるだけなんだ」
 それに過ぎないものだというのです。
「最近はインターネットでも暴力を振るう人がいるけれどね」
「ああ、先生よく怒ってるよね」
「そうしたことをする人が」
「どうしてもね」
「いるよね」
「そう、いるから」
 だからだというのです。 
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