ドリトル先生の水族館
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第九幕その四
「きっといい人いますから」
「先生ならいい人と結婚出来ますよ」
「それで幸せになれます」
「絶対にそうなりますから」
このことは間違いないからだというのです。
「お見合いとかもどうですか?」
「それでもいい人と出会えますよ」
「それか近くにです」
「どなたかおられませんか?」
「いないんだよ、これが」
やっぱりこう言った先生でした。
「だから君達のお気遣いは有り難いけれどね」
「そうですか、けれどです」
「絶対にですよ」
「結婚して下さい」
「それで幸せになって下さいね」
「神様がそうしてくれるならね」
これが先生のお返事でした、そうしたことをお話してです。先生は学生さん達と別れてそのうえで、でした。
この日も診察をします、丁度日本近海のお魚さん達を診察してからです、次の場所に向かおうとしましたら。
水族館の中を走り回っている子供達がいました、トートーはそうした子供達を見て首を少し左に傾げさせて言いました。
「ああした子は絶対にいるよね」
「うん、動物園でも植物園でもね」
ホワイティがトートーに応えます。
「こうした場所はね」
「学校以外の場所でも」
それこそというのです。
「はしゃぐ子供はね」
「いるね」
「ちょっかいかけられない様にしないと」
「子供はすぐにそうしてくるから」
チープサイドの家族もお話します。
「先生の周りにいて」
「離れないことね」
「離れたら子供達が来た時に厄介だよ」
「だからそうしよう」
「親御さん達が注意してるよ」
ガブガブは子供達の傍にいる男の人と女の人を見て言いました。
「怒ってるけれど」
「それでもね」
「うん、あまり聞いていないね」
子供達は、とです。ガブガブはポリネシアに言います。その子供達を見ながら。
「はしゃいでいるままだね」
「困ったことね」
「子供ってすぐにはしゃぐからね」
老馬はこう言いました、先生のお傍で。
「何かと」
「そうなのよね、幾ら怒られても」
「中々なおらないんだよね」
「どうしてもね」
ダブダブが老馬に応えます、それはもうわかっているという顔です。
チーチーはです、少し困ったお顔になって言いました。
「僕達のところに来ないかな」
「来て吠えたりしたらかえって僕達が怒られるし」
ジップはこのことが心配なのです。
「だからね」
「来られたらちょっとね」
「うん、迷惑って言えば迷惑だね」
「特に僕が目立ってる?」
「そうだろうね」
オシツオサレツはここでも二つの頭でお話します。
「どうしてもね」
「そうなってるよね」
「目立つつもりがなくても」
「この二つの頭のせいでね」
「あっ、皆大丈夫だよ」
先生が子供達にちょっかいをかけられるかどうか心配している動物の皆にです、優しい笑顔で言いました。
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