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オズのポリクローム

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第九幕その二

「巣で休む以外は」
「じゃあ今も」
「飛んでると思うわ、このお空をね」
 オズの国のこのお空をというのです。
「だからひょっとしたら会うかも知れないわよ」
「見たいですね」
 ジョージは期待している笑顔です。
「是非」
「その鵬さんを」
「はい、オズの国のお空はお魚も飛んでいて」
「そうした鳥さんも飛んでいるのよ」
「それならです」
「鵬さんもよね」
「見たいです」
 是非にというのです。
「その鳥さんを」
「そうなのね、じゃあお空を見ていたらね」
「ひょっとしたらですね」
「見られるかも知れないわよ」
「そうですか。じゃあ見ていれば」
「会えるかもね」
 こうジョージに答えたドロシーでした、飛行船はお空の高い場所を飛んでいますが周りには鳥さん達もお魚さん達も一杯飛んでいます。
 そしてです、その中にでした。
 一際大きな、本当に身体は五十メートル羽根を広げたら一キロはあるかも知れないとんでもなく大きな黒い鳥さんが飛んでいました。飛行船の上に。
 その鳥さんを見てです、ナターシャが言いました。
「あれが鵬さんなのね」
「そうよ」
 ドロシーがナターシャに答えました。
「あの鳥さんがね」
「そうなんですね」
「あの鳥さんは私結構見るわ」
 ポリクロームも言います。
「凄く大きいわよね」
「そうですよね」
 恵梨香はポリクロームのその言葉に応えました。
「驚く位。ただ」
「ただ?」
「鵬さんは何を食べられてるんでしょうか」
「お魚だよ」
 神宝が恵梨香に答えました。
「いつもお魚を食べてるんだ」
「そうなのね」
「身体が大きいから相当に食べるらしいよ」
 このこともドロシーにお話するのでした。
「お魚にしても」
「そうなのね」
「うん、それにしても鵬までいるなんて」
「驚いたかしら」
「はい、オズの国は凄いですね」
「昔はいなかったのよ」
 かつてのオズの国はというのです。
「鵬もね」
「そうなんですね」
「それが今はいてね」
「ああして飛んでるんですね」
「オズの国は今は色々な生きものがいる国なの」
 その時代のアメリカが反映される国だからです。アメリカには中国系の人もいるので中国の伝説の生きものもいるのです。
「そうなのよ、あとね」
「あと?」
「他にも沢山中国の伝説の生きものがいるから」
「四霊獣や鵬さん以外にも」
「いるわよ。鳳凰だってね」
「鳳凰。フェニックスですね」
 鳳凰と聞いてです、ジョージは言いました。
「あの鳥もいるんですね」
「そうよ、あの鳥もいるから」
「是非見たいですね」
「そうよね、フェニックスを見られたらいいことがあるのよ」
「それもとてもいいことがですよね」
「あの鳥さんは人々に幸福をもたらしてくれる鳥だから」
 だからだというのです。 
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