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ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D

作者:ユキアン
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ハイスクールD×D 妖狐伝 2

 
前書き
妖怪に関しては独自設定です。ただ、変にしっくりきた気がします。皆さんはどう思います? 

 




「う~ん、妖怪?」

「……なんでしょうか?」

「もう一度聞くけど、本当に妖怪?」

「何故疑問なんですか?」

「いえ、私って妖怪によく会うと言うか、よく裏京都に遊びに行くから妖怪と触れ合うことが多いんだけど、妖怪っぽくなさすぎて。微かに妖怪っぽい気配はあるから妖怪?何かの残滓に憑かれたりしてるだけって落ち?ダメだわ、専門家に聞いたほうがいいわね」

「存在を全否定してそれはひどいです」

新しい眷属候補の自称猫又系妖怪の小猫のことを専門家に聞くために携帯を取り出す。案内の仕事は最近ほとんどしてないって言ってたからたぶん大丈夫だろう。

「あっ、十束、今大丈夫かしら?」

『どうかしたのか、リーア?』

「それがね、私の新しい眷属候補の娘なんだけどね、本人は猫又系の妖怪だって言ってるんだけどあまり妖怪っぽくないのよ」

『大体は予想がついたな。その娘、妖怪の知識がほとんどないな。治療の名目で特別許可証を発行するからオレの組本部に連れてくるといい。出来るだけ早く連れてきたほうがいいな』

「それじゃあ、30分後に連れて行くわ」

『こちらも準備を済ませておく』

「わかったわ。というわけで小猫、30分後に京都に行くわよ。まあ、特に何か必要ってわけじゃないけど」

「あの、先ほどの電話のお相手はどういった方なんですか?」

「十束?妖狐の妖怪で表と裏、両方の京都を守護する京盛会の会長補佐兼裏京都を守護する妖獣会会長八坂様の実子で直系若葉組の組長よ」

「……ヤの付く自由業の方ですか?」

「そこまで物騒じゃないわよ。初期型のマフィアに近いかしら」

「あまり変わりませんよね、それって。堂々と看板を出してるかどうかの違いだけで」

「大丈夫よ、あくまで自警団っぽい形から抜け出してないから。シノギを奪い合ったりもしてないし。元々の設立理由が不況を乗り越えるために閉鎖的だった京都を他種族にも開放して、その他種族が暴れないように見張る自警団だから。今はこの状況を維持しつつ世代交代を潤滑に行うための幹部育成の為と合法的に観光収入を増やす為の金策の為に幾つかの組が増えているだけだから。武闘派がいないとは言わないけど」

「全然大丈夫じゃないように聞こえるんですけど」

気にしないでおこう。八坂様や十束が居る限り妖獣会の方は問題ないはずだ。京盛会も同じく。問題があるとすれば表側の安晴会の過激派たちだろう。








「ようこそ、裏京都へ。オレが十束だ。君がリアスが言う眷属候補か?」

「はい、塔城小猫です」</div>

「話は長くなるだろうし、立ち話もなんだ、奥に茶と団子を用意してある」

小猫とリーアを奥に案内して一服してから話を始める。

「そもそも、妖怪とは何なのか?話はそこからになる。分かっていればここまで力を落としているわけがない」

「そうなのですか?」

「ああ、そこらへんも詳しく説明する。まず、妖怪とは何なのか。それは人々の恐怖などの感情、畏れから生まれた現象が起源となる隣人だ」

「現象?」

「そう、最初は人間たちが理解できなかった自然現象や、作り話などから畏れが生まれ、それが一定以上の力を得たことで生まれた存在だ。今のオレたちの世代はそうして生まれた現象から生まれた、この世に安定して生まれた存在、それが妖怪だ。厳密には違うが精霊と幻想種と普通の動物の中間ぐらいの存在だ」

「いきなり分かりにくいんだけど」

「まあそうだろうな。起源に関してはあまり重要ではない。重要なのは畏れの部分だ。オレたちの元になった存在は畏れの塊だ。つまり妖力と呼ばれるものはこの畏れを指す言葉だ。そしてこの畏れは恐怖などの感情から生まれる。畏れはオレたちの存在そのもので力だ。その畏れを得る為にオレたちはわざと自分たちの話を人間の間で広めた。今でも実際に話通りのことを行って畏れを得ることもあるし、人間たちが都市伝説扱いしだした話で生まれた現象もいる。紹介した方が早いな。メリー、少し来てくれるか」

しばらく待つと奥の部屋から西洋人っぽい少女が現れる。

「呼んだかしら、十束」

「すまないな、今は妖怪と現象についての説明をしていてな。近くにいる現象が今は君しかいないのでな」

「ああ、分かりにくいからね。はじめまして、私はメリー。『メリーさん』って怪談話を聞いたことはあるかしら」

「確かメリーさんという女の人から何度も電話がかかってきて、今何処何処にいるのって言う場所がどんどん近づいてきて」

そこまでリーアが話したところですでにメリーが力を使い、認識をずらして念話をリーアの携帯に繋げる。何も考えずにリーアが携帯をとり、あのセリフが聞こえる。

『私、メリーさん。今、あなたの後ろに』

振り返ろうとするリーアの頭を抱きしめて振り返らせない。

「メリー、止めろ。怒るぞ」

「は~い」

力を封印したのを確認してからリーアを放す。

「大丈夫だな、リアス」

青ざめているリーアの体調を確認する。うむ、大量の畏れがメリーに流れ込んだだけだな。これならすぐに回復するだろう。

「い、今、体を止めれなかった。話を、知っていたのに」

「それが現象の力だ。話通りのことしかできないが、強制力は半端ではない。振り返っていたらメリーに首を刈られて死んでいた。そして、今メリーを恐れたことで大量の畏れがメリーに流れ込んだ。少し休めば大丈夫だ。メリー、もういいぞ」

「はいは~い。それじゃあね」

メリーがまた奥の部屋に戻り、しばらくしてリーアが落ち着いてから話を続ける。

「あれが現象だ。現象が誰かと交わって産まれた子供が第1世代の『メリーさん』の妖怪だ。大きな違いは話通りにしか力を使えないか、それを発展させることができるかが現象と妖怪を分ける」

「違いは分かったわ。それじゃあ小猫が妖怪っぽくない理由って畏れが少ないから?」

「ほとんど残ってないな。今はギリギリ名前の補正分だけしか畏れの供給源がないにも関わらず、色々なものに怯えたのか溜め込んでいた分を全部使ってしまったのだろうな。とりあえず、詳細な種族を特定してそれに合った供給方法を確立、それから別の供給源を用意した上で畏れの使い方を覚えないとな。とりあえず心構えその1、誰かと戦う際には名乗りを上げて挑発する。ちょっとでもビビらせれば小石のような量だが畏れは得られるし、倒せばそれなりに貰える。驚かす前、驚かした後に自分であると見せつけるのが重要だ。分かりやすく説明する前にちょっとだけ畏れを渡しておく。馴染まないから1日も持たないが応急処置だ」

尻尾を伸ばして腕に巻きつけ少しだけ畏れを渡す。くすぐったそうにしているが仕方ないことだ。自分にあった畏れではないからな。その分、離れやすくもある。ある程度渡したところで小猫に見えないように合図を出す。同時に小猫の背後に大きなタライに乗った赤ん坊を抱っこした女性が降ってきて大きな音を立てる。それに驚いた小猫の隠れていた耳と尻尾が現れる。それと同時に異変に気付いたようだ。

「実感した通りこんなのでも畏れは得られる。ありがとう、沙耶さん。弥生も元気に育てよ」

釣瓶落としの沙耶さんが帰るのを見送ろうとしたらリーアが弥生が気になるようで部屋の隅に移動する。

「というわけでしばらくの間は誰かに着いて行ってその補助で畏れを貯めることから始めるぞ。このままだと妖怪として完全に死ぬからな。というか、尻尾が1本ってことは化け猫か。桜組の吉野に任せるか。リーア、猫又になるまでは吉野の所に預けるぞ」

「構わないわよ。ただ、あまり悪魔には関わらせないであげて。お姉さんが主人を殺してはぐれ認定されているから、その所為もあって保護という形で私の眷属にする予定だったの。だから、悪魔の中にはまだ眷属じゃない小猫にって、京都にいるんじゃ問題ないか。ここで暴れるような馬鹿は、今でもいるの?」

「酒飲んで暴れる馬鹿は今でもちらほらいるぞ。まあ、それぐらいは可愛い物だ。お祭り扱いで処理できるから」

「あの、どうしてそこまでしてくれるんですか?」

「なに、数少ない同族を助けるのに理由がいるのか?よっぽどでない限りオレたちは同族を受け入れるよ。それにウチの若葉組は身寄りのない者や力のない者を育て上げるという理念の元に動いているのでな、これも仕事なのだよ。ちなみに本人の意思が尊重される。嫌なら出て行っても構わないが、最低限の知識を得てからの方がいいだろう」

「何故でしょうか?」

「悪魔に転生しようともベースは妖怪だ。畏れの使い方を知らねば肉体的成長は絶望的だと言っておこう」

たぶん、ほとんど成長できないだろうな。

「お世話になります」

素直に頭を下げてくる小猫に満足して吉野に電話をかける。












小猫を預かって半年、本名の方も教えてもらい、予想よりも早く畏れを集め、使い方を熟知し、尻尾が二股になる。傍にいて分かったが仙術の素質もある。これは本気で化けると思ったのだが本人がそれを嫌がったために手をつけないでおく。それでも、基礎の基礎だけは叩き込んでおく。いつでもその力を使えるように。それと同時に保険もかけておく。世界の悪意を精神ではなく肉体に作用させるように。そして手本を見せておく。失敗した時がどうなるかも。

「これが成功時だ。畏れ以外の力が感じられるはずだ。気配も変になっているだろう」

「はい。それに匂いも薄い感じがします」

「自然に近づくからだな。そして扱いを誤れば精神か肉体に影響をもたらす。こんな風に」

袖をまくり上げて狐に近づいた肌を見せる。完全に飲まれれば知能を持たない妖狐になるだろう。

「リミッターをかけておいた。白音も飲まれれば精神ではなく肉体の方に影響をもたらすようにな。悪魔に転生してから完全に飲まれれば、おそらくは4~7周目の猫になるだろうな」

「周目?」

「ああ、知らないのか。西洋の方にある話だ。ネコは9つの命を持っているという妖怪だ。輪廻転生を繰り返すうちに力と知恵を身につける。100万回死んだネコとはそれの現象にして起源だ。悪魔に転生することで転生に触れてしまうからな。おそらくはそっちに流れる」

ネコの妖怪は多いからな。吉野は細分化が難しいと言ってたな。

「仙術とは世界の気を取り込んでその気を扱う術だからな。そして自然とは時に恵みを時に災害をもたらす。それが陰と陽、悪と善となる。だが、これらは表裏一体。自分たちの得になる物を善、害になる物を悪と呼び習わしているだけであり、本質的には同義であり、世界は常に回っている。それを一番理解して表現しているのがこの陰陽玉だな。全くの同一の大きさに切れば絶対に陰と陽を完全に分けることはできない。これは世界の一つの縮図と言っても過言ではない。これを見て、昔を思い出し、少し考えてみるといい。オレからは以上だ。転生悪魔になればこれまでのように自由に京都に来れなくなる。まあ、他の悪魔に比べれば簡単には来れるだろうがな。それじゃあ、リアスが迎えに来るまでの3日間は好きに過ごすといい」

「はい」

白音が屋敷から出て行き、十分に離れたところで話しかける。

「妹は先に進もうとしているぞ。お前はそれでいいのか、黒歌」

「にゃ~」

「都合の悪い時だけ猫になるんじゃない。お前もそろそろどうしたいのかを見定める時期だ。別にこの組に居るのは構わん。だが、ここは仮の宿だ。いつかは巣立つ日が来る。いずれ、な」

話はそれだけだと茶を啜る。黒歌は何も言わずに猫のままでオレの膝の上に乗る。姉妹の会合は果たされずに時は進む。





</div>




白音は小猫として悪魔となり、黒歌も若葉組を離れてしばらく、ようやく成人を迎えて酒を飲み始める。妖怪の体というのは不思議な物で酔おうと思えば酔えるし、酔いたくなければ酔わない。鬼どもが酔っ払って乱痴気騒ぎしているのはわざとなのだと理解する二十歳の夏。オレは危機に陥っていた。命ではなく貞操だけどな!!しかもよりにもよってなんでこの人なんだよ!?

「ほらほら、こわくないこわくない。ぜ~んぶ、お姉さんに任せてくれればいいのよ。私も初めてだけどなんとかなるって」

「お客様、ガイドへの過度のお触りは禁止されてます。というか、力ずくになると後始末が面倒になりますけどこのまま犯られるぐらいなら殺りますよ」

押し倒されている状態で気を取り込んで尻尾を全て展開する。龍脈の一部に触れて完全な戦闘態勢をとる。この人相手に手加減などしてたまるか。というか魔王の初めての相手なんてやったら面倒なことにしかならんわ!!

「もぅ~、いけずなんだから~」

「こんな若造を相手にしなくても貴女なら選び放題でしょう?私は今のところそういう願望はありませんので」

「ぶぅ~、リアスちゃんにはあんなにべたべた触らせてるのに~」

「小さい頃から遊んでますからね。それに仕事じゃなくてプライベートで会ってますから」

「ずるいずるい、私ともプライベートで会え~!!」

「お断りです!!せりゃ!!」

巴投げで覆いかぶさっていたセラフォルー・レヴィアタンを投げ飛ばして起き上がり、結界を張る。

「これ以上やるなら、こちらも全力ですよ。妖獣会直系若葉組組長、十尾の十束、ガチで命取りにに行かせてもらうぞ!!」

「ごめん、待って、今のでお酒が回って、気持ち悪い」

本気で気持ち悪そうにしているセラフォルー・レヴィアタンを見て完全に毒気を抜かれる。そりゃあ、オレを酔わそうと自分もかなりのハイペースで飲んでたからな。いざという時のエチケット袋を渡して背中をさすってやる。ある程度落ち着いたところで水を飲ませて、膝枕をリクエストされたので呆れながらもしてやり、サービスで尻尾で覆ってもやる。はぁ、甘いよな、オレって。








「修学旅行に京都とは、あまり見るところがないな、リアス」

「入り浸りすぎたからね。まあ、ソーナたちは違うし最近表の方のお店には行ってないから大分変わったんでしょう?」

「まあ、色々変化はあるな。ただ、また安晴会の過激派がなんか企んでいるらしくてな、ちょっと行動範囲を制限させてもらうことになる。ガイドも直系の組長・若頭クラスだけで回している。万が一があってはこまるからな、すまん。おっと、自己紹介が遅れたな。事前に聞いていると思うが、オレが今回のガイドを務める妖獣会直系若葉組組長、十尾の十束だ。ガイドによって案内できる範囲が変わってくるが、オレは表裏何処でも案内できる。短い間だがよろしく頼む。さて、どういった場所を案内しようか?」

「ソーナたちは神社とか仏閣って興味ある?」

「それ以外に何か見るものでもあるのですか?」

「食べ物も美味しいし、着物とか櫛や簪みたいな小物とか、地元民しか知らないような名所とか、裏の方で鬼とお祭り騒ぎとか」

「商魂逞しく着物や小物はレンタルとかもやっているぞ。着付けも店側で行ってくれる。食べ物も店によってはお土産として長期保存できるように加工も行う。裏のお祭り騒ぎはいつものことだが、日によって宴会芸が変わるな。やってみたいこと、見てみたいものがあるなら言ってくれれば最大限便宜を図るぞ。不況がトラウマになってるからな。金持ち相手には職人の拘り以外は捨てる覚悟がある」

「トラウマですか?」

「まあ簡単に説明すると、不況が原因で京都を焼きかけた」

リーアも初めて聞いたのか絶句している。

「それぐらいヤバかったんだよ、表と裏の軋轢が。不況に職人の後継者問題、陰陽師の過激派と乱痴気騒ぎを起こし回る鬼ども。色々な要因が積み重なってそうなりかけた。それをなんとかするために奔走した結果が今の京都だ。本当に焼かれなくて済んで良かったと心から思ってるよ。それを理解している奴らは職人としての最後の一線以外は投げ捨てるぞ。おかげで外国人や悪魔の弟子がそこそこいる」

「外人はともかく悪魔の弟子なんて見たことないんだけど」

「会ってるぞ。米さんの所のジンはそうだ。とある上級悪魔の三男だ」

「えっ、嘘!?魔力が全然感じられなかったのに!?」

「リアス、そこも驚く所ですが上級悪魔の三男が弟子入りしている所も驚く所ですよ。あと、逗留が認められている所も」

「えっ?私、普通に逗留を認められてるけど」

「「「えっ?」」」

「えっ?」

「ああ、あまり知られてないが逗留許可は直系組織の組長、または京盛会の審査委員会が出せるんだが、審査の基準はそれぞれだ。ただ、その相手が京都全体にとって害にはならないと判断するのが最低条件だ。飲兵衛共は鬼が簡単に逗留許可を出すから比較的多いな。ちなみにリアスは京盛会の方からの許可だな。グレモリー家がかなり京都に落としてくれたからな、そちらの方から許可が下りていたはずだ。オレも個人的に出しているけどな。リアスとは付き合いが長いし、昔はしょうもないことで家出まがいなことをしてこっちに来て遊んで、疲れて眠った所をグレイフィアさんに回収されていってたからな。一々許可を取っていたグレイフィアさんに同情して逗留許可制度を作ったんだし」

「リアス、貴女」

「ち、小さい頃だったんだから仕方ないでしょ!?」

「ああ、そうだな。3歳の時に暇だからと脱走してオレにぶつかったのが付き合いの始まりだもんな」

「十束はちょっと黙ってて!!」

「はっはっはっはっは、グレイフィアさんにとことん弄るように言われてるから無理だな。力の抜きどころを増やせってことだな。仮面を被らなくてもいい相手を増やせ。肩肘張りすぎだと思われてるんだろう」

「それを言うなら十束だって」

「リアスが知らないだけでオレは肩肘など張っていないさ。今も昔も暇を見つければ組を抜け出しては京都中を練り歩いているからな。オレは京都が大好きだからな」

閉じていた傘を広げて肩に担ぐ。子供の頃とは違い可愛らしいという評価よりも今では歌舞いていると言われるぐらいには様になった行為。傘自体も独特の模様で畏れを含むそれに周囲から音が飲まれる。話の腰を折るには最適だ。

「オレが好きな京都を君たちにも好きになってほしい」

大好きというよりも愛していると言った方が正しいか。だが、そのためにオレは縛られている。何かを得るためには何かを手放さなければならない。状況によって手放すものは変わるが、オレが今欲しい物は京都を愛している限り得ることはできない。ままならない物だ。なあ、リーア。

 
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