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DQ5~友と絆と男と女  (リュカ伝その1)

作者:あちゃ
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9.出会いは突然。別れは必然。恋する乙女は超天然。

<サンタローズ-パパス邸前>

俺はあさから父さんに、剣術の稽古をつけてもらっている。
俺は銅の剣で斬りかかる。
父さんは自分の剣で、受け流し、弾き、去なす。
時折父さんの攻撃が、俺に降りかかり、ほぼ寸止めで勝負が決まる。
2度程かすって頬から血を流す。
「ここ最近で、随分と腕を上げたな!力加減が難しくなった」
「でも、もっと強くならないと。ビアンカと約束したんだ、また冒険しようねって!」
「そうか。では、頑張らないとな!とは言え、今日はここまでだ。父さん、調べ物があるのでな。家には居るが…また今度にしよう」
そう言うと、家の中へ入っていった。
俺はプックル相手に、稽古を続けた。
プックルは素早く、いい稽古相手だ!
3度程引っかかれたけど…


<サンタローズの教会>

俺はあの後、軽く水浴びをし、汗を洗い流して着替え、宝玉を見せる為フレアさんの元へ赴く。
汗臭い状態で抱き付くのは失礼だろう。

教会の中に入り、手にした宝玉を見せる為、フレアさんを探すが誰も居ない。
神父様も居ない。(まぁ、こっちはどうでもいいけどね)
「…あっ………ん………」
裏手からフレアさんの声が聞こえた。

俺は教会の裏へ回り込み、フレアさんを探す。
どうやら、物置小屋から声が聞こえる。甘く湿った声が…
もしかしてフレアさん、一人エッチでもしてるんじゃね?
そう思い、扉を少しだけ開け、中をそっと覗く。

フレアさんが居た。
一人エッチはしてなかった。
一人じゃないエッチをしていた…
俺の思考は停止した。
フレアさんは髪を振り乱し、胸は開けたわわな膨らみを上下に揺らしてる。
スカートは腰まで捲し上げられ、そこに男の腰が打ち付けられる。
男はこの村では見た事のない、旅人風の若い男。紫のターバンを巻き、マントを着けている。
顔は日に焼け、腕は父さんと変わりないぐらい、筋肉で盛り上がっている。
数分………いや、数十分!
俺は動けないでいた。目を離せないでいた。
どちらともなく、果てると濃厚なキスをし、余韻を味わう。
その瞬間、男と目が合い俺は慌てて、その場を離れた。


教会の正面で途方に暮れる。
フレアさんを奪われた気分がした。汚された気分がした。
フレアさんにも個人の意志があり、俺はそれを束縛する立場などではない。
それは解っている、解っているが、イヤな気分が心に広がる。

「やぁ、リュカ。綺麗な宝玉だねぇ」
事をサッサと済ませた男は、俺の名を呼ぶと、俺の手から宝玉を掠め取る。
「あ!ちょ「あら?リュー君。私に会いに来てくれたの?」
俺が男に文句を言おうとすると、奥からフレアさんが現れた。
いつもの口調。いつもの声。
でも、どこか潤った甘い感じに聞こえる。
フレアさんの顔は上気し、心なしか歩みもふらつく。
服も所々不自然にシワが付き、さっきの光景が脳裏に過ぎる。

俺が思わず俯くと、
「ありがとう。これ返すよ」
そう言うと、男は俺と視線を同じにし、勝手に腰の袋へ宝玉をしまい込む。
男の瞳は、吸い込まれそうな程澄んでいた。
俺は、この瞳を知っている。
どこかで見た事がある。
それを思い出そうとしたが、男から微かに漂う、フレアさんの香りが邪魔をして、思い出す事が出来ない。
「その宝玉は、とても貴重な物だ。人にあげたりせず、大事にするんだよ」
「う、うん…」
この瞳で言われると、逆らう事が出来なくなる…

そして男は、俺の耳元へ顔を寄せ呟いた。
「フレアさんの処女は俺が貰った」
な!!?
俺は信じられない物を見る様な目で、男を睨んでいた。
男は、全く気にせずフレアさんに別れを告げる。
「それではシスター。私はこの辺で…あなたに出会えた事は、私の一生の宝です」
「まぁ…」
すげー顔を赤らめ、クネクネしている。
「あの…お名前を教えて頂けますか?」
名前も知らない相手とヤってたのかよ!
この世界のシスターって、そうゆうもんなの?
「次、お会いした時に名乗らせて頂きます。では、またお会いしましょう」
フレアさんは俺を抱き抱えると、去りゆく男を、ただぼーっと見詰めている。
男が見えなくなるまで。
そして、見えなくなっても…
普段なら、フレアさんの胸に顔を埋めるのだが、今はそんな気分になれない。
なにより、フレアさんから栗の花の匂いがして、とても憂鬱な気分になる。

フレアさんは、さっきの男の話で一人盛り上がっている。
聞くに堪えず、早々に家路につく。



<サンタローズ>

自宅付近までくると、あの男が我が家から出てくるのを発見する。
何やら怒りがこみ上げてきた。
石でも投げ付けてやろうと思い、男の後を追う。
この村は、山間にありアップダウンが激しい。
慣れない者は歩く事すら苦労する。

しかし、あの男はスイスイ村の出口へ向かっていき、俺は見失った。
村の出入り口で番兵をしている、トーマスに聞くと、
「誰も村から出てないよ!?」
じゃぁ、まだ村内にいるはずだ。
色んな人に話を聞き、絶対見つけ出す!

パパス宅前で焚き火に当たる青年の証言。
「そういえば、パパスさんの所から出て行ったよ。そしてリュカ君がその後を追っていった」
馬鹿じゃないの?そんなの分かってるよ。後、追ってるんだから。馬鹿じゃないの!

可哀想な義父を持つ嫁の証言。
「うちのお義父さん、お鍋のシチュー全部食べちゃったのに、食べてないって言い張るの!」
もう手遅れだから、生暖かい目で見守ろう。

宿屋の旦那の証言。
「誰かが宿帳に落書きしたんだ。まぁ、お客なんていないからいいけどね」
この宿屋、経営大丈夫!?

と、まぁ…役に立つ情報は無い。
つーか、ぶっちゃけもう、どうでもよくなってるんだけどね。
男の尻を追っかけるのに飽きた。
とは言え、最後に酒場を確認する事にした。
もしかしたら『一発ヤった後のビールは旨い!』なんて、飲んでいるかもしれないし。

酒場に下りて見渡す…
やはりあの男はいない。
その代わり、変なのがいる。
年の頃なら、12歳前後。薄紫色の髪をし、尖った耳が特徴的な少女。
行儀悪くカウンターの上で胡座をかき頬杖をついている。
そして何より身体が透けてる。
他の誰にも見えていないらしく、本人もその事を理解しているせいか、パンツが見えているのに大股を開いている。
俺はただ黙って、パンツを観賞していた。
ピンクのパンツだ。

かなりの長時間、ピンクを観賞していた俺の視線に気付いたのか、彼女が話しかけてきた。
「あなた、私の事が見えるの?」
「うん。(ピンクのパンツが)見えるよ」
するとカウンターから飛び降り、
「ここじゃ落ち着いて話が出来ないから、他の所で話しましょ。この村に地下室のある家があるから、そこに来て」
そう一方的に言い残して、去っていった。
地下室?無断で他人の家に入れるワケ無いだろうに…
まぁいい…

俺は当初の目的を思いだし酒場のマスターに、あの男の事を聞いたが知らない様だ。
ヤリ足りなくて、再度教会へ行ったなんて事じゃないだろうな………
はぁ…捜索を諦めて家に帰ろう…


<サンタローズ-パパス宅>

家に帰ると、サンチョがまな板を探していたので、一緒になって探し始めた。
だが何処にも無いので、地下室へ探しに行くと、そこにさっきのスケスケの女の子がいた。
何やってんだ?人んちで?
「ちょっと!遅いじゃない!何時まで待たせるのよ!!」
あ゛?無い言ってんだ?このスケスケ女!?



…話をまとめると、
彼女はエルフのベラ。
俺は彼女のパンツしか見てなく、話を聞いてなかったと言う事が判明。
彼女の住む妖精の国が一大事。
そこまで話すと、有無を言わさず俺を拉致った!



 
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