レインボークラウン
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第二百七十六話
第二百七十六話 頼りになる兄
春奈は兄である夏雄が大好きだ、いつも彼の為に何かをしようとする。勿論夏雄も春奈に対してそうしてくれる。
その兄妹の仲を見てだ、イーとリャンはまた言った。
「仲がいいですね、ご主人様とお兄様は」
「何時見ましても」
「仲良きことは美しきかなといいますが」
「非常によいことですね」
「私もお兄ちゃんもね」
二人共と言う春奈だった。
「お互い嫌いじゃないし」
「それに争いごともですね」
「お嫌いですね」
「うん、二人共ね」
「だから喧嘩もせずに」
「仲がいいのですね」
「お互いに否定しないし」
春奈は二匹にこのことも話した。
「いいところはいいって言ってね」
「悪いところは言ってもですね」
「否定しないことはいいですね」
「誰でも否定されたら否定し返します」
「そして悪いことばかり起きます」
自分を否定されるとその人も他人を否定する様になる、これもまた悪循環と言っていい。
「そうなりますので」
「否定されないこともいいことですね」
「うん、だから私達はね」
春奈と夏雄はというのだ。
「上手くいっているのだと思うわ」
「相手を互いに思いやる」
「一言で言えばそうですね」
「それが仲良くなること」
「そういうことですね」
「そうよね、私お兄ちゃんも他の皆にもね」
ここでこうも言った春奈だった。
「親切に、優しくしていきたいわ」
「そうあるべきです」
「それが第一です」
「最初からご主人様に備わっている美徳ですし」
「その美徳を忘れないで下さい」
「そうしていくわね」
春奈もこう答えた。
「お兄ちゃんもそうしていくでしょうし」
「そうですね、夏雄様も思いやりのある方」
「これからもそれは忘れることがないでしょう」
「そうしたお二人だからですね」
「これからも仲良くやっていけますね」
「喧嘩をしても」
喧嘩についてはだ、春奈はどうしてもという顔だった。
「何にもならないからね」
「それは無意味ですね」
「衝突は何も生み出しません」
二匹も言う、その二人の美徳について。
第二百七十六話 完
2015・9・28
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