転生とらぶる
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Fate/stay night
1144話
その日の昼食は、色々と気まずい雰囲気の中で行われた。
料理を作った凛は不機嫌そうに怒っており、綾子は微妙に居心地が悪そうに料理を食べ、俺はそんな凛や綾子の様子を気にせず味わって料理を食べる。
怒っていても、さすがに凛と言うべきか。
料理に対する手は抜かないので、当然料理は美味い。
何故こんなに凛が怒っているのかといえば、やっぱり午前中に俺がランサーと2人で会っていたと言ったからだろう。
もっとも、俺としてはここでランサーと会っていなかったと告げた方が裏切りになると思うんだけど……いやまぁ、凛が怒る気持ちも分からなくはないが。
聖杯戦争では敵であるランサーと……それも、最初に戦ったという意味では因縁の相手と言ってもいいランサーと話をしてたんだから。
しかも、その話は完全に世間話であり、特に重要な情報交換とか、そういう話ではなかったというのも凛の怒りに一役買っているのだろう。
「けどな、まさか昼間から……しかも話していた公園に人の姿はなかったけど、それでも新市街で戦いを始める訳にはいかないだろ?」
「……それは分かってるわよ。それでも、向こうから情報を引き出そうとしないってのはどうなの?」
「一応その辺も聞いては見たんだけどな。分かったのは、ランサーとマスターの仲は良くない……いや、寧ろ悪い。けど、ランサーとしては自分からマスターを裏切るつもりは一切ないって事だ。本当に、ランサーのあの義理堅さは見掛けに反しているよな」
普段は軽いのに。
本当に、ランサーってどこの英雄なんだ?
ランサーだけに、槍に関した英雄だとは思うんだけど。
「裏切るつもりはない、ねぇ。全く、どんな魔術師なのかしら。まぁ、いいわ。次からはこういう事があったら、きちんと念話ででもいいから知らせなさいよ? ……その、例えば私が疲れて眠っていたとしても」
疲れている原因を思い出したのだろう。薄らと頬を赤くしながら告げる凛。
うん、こういうところを見ると、凛がマスターで良かったと思うよな。
照れている凛というのは、ちょっと驚くくらいに破壊力が強い。
ランサーが羨ましがるのも、理解出来る。
「取りあえず、この件はこれでおしまい! アークエネミーも綾子も、いいわね?」
「あたしは別に、アークがランサーとかいうサーヴァントと話していても特に何とも思わないから、別にいいけど。寧ろ問題にしてたのは遠坂だけだろ」
「……何か言ったかしら?」
「いえいえ、何も言ってませんとも」
何かを誤魔化すように告げる綾子の言葉に、凛はジト目を向けたものの、このままでは話が進まないと判断したのだろう。
結局は綾子の態度をスルーして言葉を続ける。
「とにかく、午後からはアインツベルンの城に向かうんだから、準備はいいわよね?」
確認するように尋ねてくる凛に、俺は頷く。
「元々、特に何か用意するような物もないしな。着の身着のままって訳じゃないけど、行こうと思えばすぐにでも……いや、待った。その前に確認しておくべき事があったな。凛、キャスターから奪い取ったルールブレイカーはどうなっている?」
「残念ながら、まだ全然調べられてないわよ。そもそも、昨日は帰ってきたのが遅かったし、その後はアークエネミーと過ごして、朝は疲労困憊でついさっきまで寝てたんだから、どこに調べられる余裕がるのよ」
……まぁ、確かに。
こうして聞いて見ると、凛は昨日から今日まで色々と忙しかったんだな。
他人事ではあるが、何となくそう思う。
「じゃあ、あのルールブレイカーとかいう短剣は結局不明なままか」
「そうね。詳細に調べるとすれば、それこそこの聖杯戦争が終わった後って事になるでしょうね」
「そうか。キャスターの宝具だったんだから、値打ち物なのは事実なんだろうけど。その件に関しては、ゆっくりと結果を待った方が良さそうだな」
「ええ。キャスターがこの宝具に刺されても、特に何があった訳でもなかったのを考えると、その効果はちょっと疑問なんだけどね」
あの時の戦闘を思い出したのか、凛が首を傾げて呟く。
「けど、キャスターはアークにあの短剣を突き刺そうとしたんだろ? いや、あたしは気を失ってたから、詳しい話は分からないけど。何の意味もないなら、その短剣を使おうとするか?」
「まぁな。実際あの短剣で刺された時に、キャスターの身体からは赤い光が放たれてたし、必ず何かあるのは間違いないと思うんだが……」
「そうね。綾子を人質に取っていたあの最大のチャンスで使おうとしたんだから、まず確実に何らかの効果があるのは間違いないでしょうけど……特定の、例えば男にしか効果がないとか、そういう条件付けでもあるのかしら?」
それからもあれこれ凛や綾子と話をするが、結局手っ取り早く効果を調べるのなら、実際に使ってみるしか効果を確認する方法はないという結論に達する。
ただ、それもそれで問題なんだよな。
凛の言う通り、あの時のキャスターは間違いなく俺に対してあの短剣を使おうとしていた。
つまり、基本的には人――あるいはサーヴァント――に対して使う為のものなのだろう。
となると、実際に試すとなると使われる対象も限られてくる訳だ。
まさか、俺で実験する訳にもいかないし。
その辺の事を話していると、やはり魔術に関しての話だからだろう。少し前まではまだ若干不機嫌だった凛が、次第に機嫌が良くなってきているのが分かった。
「そうなると、やっぱりベストなのはサーヴァントとの戦いで使うって事か」
「そうでしょうね。けど、問題なのはああいう戦いの中で効果も不明な短剣を使えるだけの余裕があるかどうかなのよね」
そう告げる凛の脳裏には、恐らく俺がこれまで経験してきたサーヴァントとの戦いが過ぎっているんだろう。
実際、ランサーとの戦いは色々な意味で激しかったし、アサシンとの戦いも色々と厳しかったのは事実だ。
ぶっちゃけ、能力的には圧倒的に低いアサシンの方が、俺にとっては都合の悪い相手だった。
いや、ランサーがあの時はかなり手加減をしていたってのは事実なんだけど。
だからこそ、それを命じたマスターに対して不満を抱いてたんだろうし。
「となると、やっぱり効果に関しては凛の解析待ちになるのか」
「そうね。結局はそうなるんでしょうね」
そう結論づけられ、ルールブレイカーに関しての話は終わる。
そうして食事が終わり、ある程度の食休みも済んだところで、凛が準備を整えていく。
今回はバーサーカーとの戦いだからな。
特にバーサーカーのマスターはアインツベルンという事で、凛は最大限の警戒をしながら宝石の準備を進めていく。
アインツベルン……ね。正直、見るからに子供にしか見えないけど。
ただ、凛にしてみればやっぱり遠坂や間桐と共に聖杯戦争のシステムを作ったアインツベルンというのは警戒するべき相手なんだろう。
「さて、準備は万端。行くわよ」
いつものコートに身を包み、戦闘準備万端といった様子の凛に頷く。
そして、俺と凛を見送っている綾子へと向かって口を開く。
「キャスターと違って、バーサーカーは人質を取るような真似をするとは思えないが、一応念の為に気をつけてくれ」
「ああ。勿論。人質になって遠坂やアークの足手纏いになるのはごめんだからな。……それで、遠坂」
「うん? 何?」
「今日の戦いでバーサーカーを倒したら、お礼はしないのか? あたしは構わないんだけど」
「なっ!?」
突然の綾子の言葉に、思わず絶句する凛。
いや、そのお礼ってのが何を意味しているのかは明白だったし、実際昨夜もそのお礼のせいで疲れ切って、今日の午前中は身体を休める事になったんだから、当然だろう。
「き、昨日だって殆ど強引にああいう事をしたんじゃない!」
「そうか? 遠坂だって、何だかんだと色々乗り気だったじゃないか」
「あ、綾子! あんたねぇ。何だってそんなにあっさりとアークエネミーにそういう事を許すようになったのよ!」
頬を真っ赤に染めながら告げる凛に、綾子は小さく笑みを浮かべて、頬を赤く染める。
「そんなの……遠坂なら、言わなくても分かるだろ? あたしの気持ちくらい」
こっちに向けてくる流し目は、まさに女を感じさせる仕草だった。
身体から始まる恋、か。確か今日のTVでそういうのを見た事があったけど……
「アークには危ないところを助けて貰ったし、その姿をあたしはしっかりと見ている。女として、自分の危機を救ってくれた相手に好意を抱くのは当然だろう? それに……夜も優しく、気持ち良くしてくれるしな」
その言葉はさすがに恥ずかしかったのだろう。先程よりも更に頬を赤く染め、視線を逸らしながら告げる綾子。
凛は一瞬そんな綾子に見惚れていたが、すぐ我に返ったように口を開く。
「だ、だったら、綾子だけがそういう真似をすればいいじゃない。何だってあたしまで巻き込むのよ」
「……いいのか? 本当に?」
「も、勿論よ」
「あたしは伊達に遠坂と2年近くも親友をやっている訳じゃないんだぞ? ……改めて聞くけど、本当にいいのか? 大体、あの夢を思い出してみろ。あたし達2人くらい、どうって事ないってのは分かるだろ?」
うん? 夢? 何だ?
いきなり出て来た夢という単語に首を傾げるも、凛と綾子の間では何だか共通認識が出来ているらしい。
そして、そう言われると何故か凛は頬を薄らと赤く染めて俺の方へと視線を向けてくる。
「その……取りあえず今はそういうのはちょっと考えてないのよ。この聖杯戦争が終わったら考えるわ」
「ふーん……ま、遠坂がそれでいいなら、あたしはそれでいいけどさ。結果は見えていると思うんだけどね」
小さく肩を竦める綾子に、凛は何故か拗ねた表情で俺にジト目を向けてくる。
俺が何をした?
「その態度を見れば、一目瞭然だろうに。ま、それはともかくとしてだ。お礼の方はどうするんだ?」
「……わよ」
「うん? 何だって?」
にこやかに……より正確にはニヤニヤとした笑みを浮かべつつ尋ねる綾子に、凛は拗ねたようにして、改めて口を開く。
「分かったわよ。今日頑張ったら、昨日みたいなお礼をしてあげるわ。けど、いい!? アークエネミー、あんたも少しは加減ってものを覚えなさい! 綾子は半サーヴァントで人間よりも頑丈だからいいかもしれないけど、私は普通の人間なの! なのにあんなに色々とされたら、体力が保たないのよ!」
「あー……うん。その、悪かった」
一応加減したつもりなんだけど……というのは、言わない方がいいだろう。
そう思いつつ、ご褒美があるとなれば俺だってやる気に満ちるってものだ。
「ふ、ふんっ、分かればいいのよ、分かれば。……大体、初体験であんな目に遭わされて、もう他の男にそういう衝動を感じないようにさせられたんだから、選択肢なんか最初からないじゃない」
ブツブツと小声で呟いているけど、しっかりと聞こえているぞ。……というのも、言わない方がいいんだろう。
にしても、今の俺にしてみれば凛や綾子は年上……どんなに贔屓目に見ても同年代にしか見えないけど、英霊の座にいる本来の俺もこのくらいの年齢なのか? それとも、やっぱり凛の儀式の失敗で年齢が変わって、10代半ばくらいになったのか?
まぁ、どのみち凛は聖杯戦争終了後も俺を座に帰すつもりはないみたいだから、その辺は心配する必要もないか。
俺としても、記憶がないせいか座に帰るという思いは全くないし。
聖杯戦争終了後も、凛と綾子の3人と一緒に過ごせれば、それは幸せなんだろう。
……まぁ、男1人に女2人だ。傍から見れば、爛れた関係とかに見えるんだろうけど。
今の俺にとっては、凛や綾子と一緒にいるのが既に普通の事になっている。
人間が空気や水がないと死んでしまうように、俺にとっては凛や綾子がいなければ駄目、という感じだ。
本当に、いつの間にこんな風になったんだろうな。
「ほ、ほら! とにかく話は決まったんだし、さっさと行くわよ! お礼はあくまでも今日頑張ってからこそなんだから、しっかりしなさい!」
そう告げ、凛は俺を引っ張って家から出ようとしたところで……
「アーク!」
不意に呼びかけられ、強引に肩を掴んで後ろを振り向かされ……次の瞬間俺の唇が綾子の唇で封じられる。
そのまま数秒。舌を絡ませるでもなく、ただ唇を重ねただけのキスをした綾子の顔はゆっくりと離れて行く。
「あたしはアークを応援出来ないから、これは勝利のおまじないだよ。まぁ、ファーストキスって訳じゃないから効き目はあまりないかもしれないけど、そもそもあたしのファーストキスを奪ったのはアークだし、問題ないだろ。今夜のお礼、楽しみに待ってるから、必ず帰ってきてよ」
そう告げ、居間を駆け出していく綾子。
「……良かったわね」
どこかジト目で見つめてくる凛に、何となく呟く。
「凛はおまじないをしてくれないのか?」
「っ!? バ、バカ。する訳ないでしょ。行くわよ! バカ!」
そう告げ、顔を赤く染めると凛は先に家の外へと向かう。
俺はそれに苦笑を浮かべ、後を追うのだった。
「じゃあ、ここまででいいですから」
「本当にいいのかい? ここからはバスとかも出てないから、帰るにしても大変だよ?」
「ええ、問題ありません」
タクシーの運転手にそう告げて微笑む凛。
……うん、男ってのはこの運転手みたいに中年になっても美人には弱いんだな。
顔を赤く染めた運転手に料金を支払い、俺と凛はタクシーから下りる。
アインツベルンの城のある森。
ここにバーサーカーがいる筈だ。
そう思って、早速入ろうとすると……
「ねぇ、アークエネミー。何か見覚えがあるのが来たんだけど」
凛の言葉に、その視線を追う。
そこには、さっき俺達が下りたのとは違う会社のタクシーが。
そして、俺達同様に森のすぐ側で止まり……そこから下りてきたのは、衛宮とセイバーの2人だった。
その2人も、俺と凛を見て動きを止める。
……さて、何が起きてるのやら。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:380
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1185
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