雷の第一世代
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別れ、そして出会い
X777年7月6日、シュレとラクスマーニはいつものように魔法の練習をしていた。シュレは自分の天才肌で次々と魔法を習得していった。そんなある日。
「そろそろシュレも強くなってきたな。また手合わせをしてみるとするか?」
「ああ、頼む。」
シュレとラクスマーニは今まで53回手合わせをしている。しかし、53回ともシュレの敗北だった。次こそ勝つ、と意気込みながら、シュレはラクスマーニの前にたった。
そしてどこかで小さな音がなったと共に
ーーーーー勝負が開始した。
「雷竜の…咆哮!」
「うぬ!」
シュレは雷の速さでラクスマーニの頭上へ行き、咆哮を放った。
「雷竜の鉄拳!」
「むう!」
ラクスマーニの唯一の弱点は翼と翼の間。
シュレは何度も手合わせをし、ラクスマーニの弱点を研究していた。すると、ラクスマーニが翼と翼の間をいつも入念に防御していた事がわかった。そして今日、シュレはラクスマーニの弱点をつき、勝利しようとしていた。
(これで…終わりだ!)
「雷竜方点戟!」
「うおお!」
これでラクスマーニを越えた!とシュレは思った………が
ガシッ‼
「へ?」
自分でも間抜けな声だと思うような声が出た。
「強くなったが、まだまだだな。」
「!くっそぉ!もう一回やってくれ!次こそ勝つ!」
ラクスマーニの勝利に納得がいかないシュレはもう一回と駄々をこねる。
「強くなったと言っただろう」
「っでも!」
強くならないとギルドには入る事が出来ない、と言おうとしたが、ラクスマーニによって遮られた。
「シュレ。」
「何だよ…って…これは……」
ラクスマーニがシュレに渡したものはーーーーー
「これは我が愛用していた剣だ」
そう、ラクスマーニが昔愛用していた剣だった。それはいいのだが…
「デケェよ!」
まぁ、竜が使っている剣が大きいというのは当たり前なのだが………これではどう扱えばいいのかがわからない。ラクスマーニにこれでは使えない、と言おうとしたが、ラクスマーニは
「何、大丈夫だ。大きさは魔力を流せば変わる。」
と言った。
「そうか…感謝する、ラクスマーニ。」
「ああ、いつもの口調に戻ったな。」
シュレはいつもは貴族風?の口調で基本的に穏やかな性格だが、怒ると手がつけられなくなってしまう(ラクスマーニでさえ)のだ。
「もうこんな時間か。」
辺りを見回すと暗くなっていて、あと少しで真っ暗になりそうだ。
「もう寝ろ」
「ああ、お休み」
「お休み」
そう言うラクスマーニは何故か寂しそうだった。シュレは何故、寂しそうな顔をしていたのかを聞こうとしたが、聞いてはいけないような気がした。それと同時に嫌な予感がしたが、気のせいだと思い、寝てしまった。
ー翌朝ー
「おはよう、ラクスマーニ…………ラクスマーニ?」
シュレが起きると、いつもは横にいるはずのラクスマーニの姿がなかった。シュレはラクスマーニは戻って来ると信じ、待った。夕方まで。しかしラクスマーニが帰って来ることはなかった。
「う、うぅ…うわぁぁぁぁぁぁ!」
いくらシュレといえども当時は11歳。7年間も一緒にいて一緒にいるのが当たり前だ、という関係の者が突然いなくなるということには耐えきれず、泣き出してしまった。
X777年7月7日、雷竜ラクスマーニが消えた。
ー翌日ー
「俺は…」
シュレは昨日、ラクスマーニがいなくなったことに泣き、そのまま泣き疲れ、寝てしまったのだ。
(これからどうしようか……)
ラクスマーニがいなくなったことに慌て、これからのことを考えていなかった。そして、シュレはあることを思い出した。
『今は分からなくてもいい。後で考えろ。』
7年前のラクスマーニの言葉。その言葉でシュレはあることを決めた。
(あの頃の俺はギルドに入りたかった。では、ギルドに入ろう!)
そう思い、ギルドへ向かう準備を始めた。
「持ち物は…ラクスマーニから貰った剣だけでいいだろう。」
ガサッ
「!何者だ!」
「いやー疲れたなー。」
「!?」
そこには、シュレと同い年ぐらいの子どもがいた。
「お前…何故此処に…?」
「あ?お前誰だ?」
「お、俺はシュレイダーだ。シュレでいい。お前は?」
「俺はナツだ!」
シュレは少し混乱していたが、自己紹介を終えた。
「ナツ!何故此処にいるんだ?」
「…俺の父ちゃんがいなくなっちまって……」
「な!?」
シュレは同じような境遇の者が自分のほかにもいるのか、と思ったが、そんなにいてもいいのか、と考え直し、一応聞いてみることにした。
「お前の親とはドラコンか?」
「ああ、火竜イグニールだ。」
「!」
ここまで聞いては分からないはずがない。ナツも滅竜魔導士なのだ。
「実は俺も竜に育てられたんだ。」
「お前もか!?」
「ああ、俺は雷竜ラクスマーニだがな。」
そう言い、自分が滅竜魔導士であることを明かした。
「俺はギルドへ向かおうと思うのだが、ついてこないか?」
「おぅ!」
そんなこんなでナツとシュレは一緒にギルドへ向かうことになった。
ガサガサッ
「誰だ!?」「何者だ!?」
ナツとシュレの声が重なった。
「ん?なんじゃ、お主ら。」
そこには老人が立っていた。
「俺たち、親がいなくなっちまって……。」
「竜だがな。」
ナツとシュレがそう言うと老人は滅竜魔導士か、と驚愕し、二人がそれを肯定すると、老人はなにやら考えだした。
「ではお主ら、ギルドに来んか?」
「………は?」
余りにさらっと放たれた言葉にナツとシュレは戸惑い、シュレはなんとか声を発したが、ナツは驚愕の余り、言葉を失った。
「てかお前誰だ?」
暫くして復活したナツがそう聞く。
「ワシか?ワシはギルドのマスターじゃ。」
「!?」
「なにぃ!?」
またもやさらっと放たれた言葉に驚愕したが、じゃあ入れてくれ、とナツが頼もうとするとシュレがそれを遮った。
「じーさん、入るには何かの試験があるのか?」
「そんなもん無いわい。」
「…」
そう言われてしまえば選択するものは1つで、ナツとシュレは声を揃えて行くに決まってる!と言った。
「では、行くぞ。喝っ!」
マスターがそう言ったとたん、目の前の景色が変わり、いつの間にか大きな建物が目の前に立っていた。
「デカイ…」
「スッゲー!」
シュレは一言感嘆の声を漏らし、ナツは目をキラキラさせながら興奮している。
「これが妖精の尻尾じゃ!」
「「フェアリー…テイル?」」
「妖精に尻尾は有るか無いか…永遠の謎…すなわち永遠の冒険、という意味が込められているのじゃ。」
マスターがそう言いながら扉を開けるとそこには…………
「マスター!お帰り!」
「定例会、ご苦労様でした。」
「じーさん、お疲れー。」
「グレイ、服」
「うおっ」
もちろん大人もいるのだが、ナツやシュレと同い年ぐらいの子供達がたくさんいた。
「じーさん、こいつらは?」
先程服を脱いでいて声をかけられていた、グレイという子供が声をかけて来た。
「こいつらは新しいギルドのメンバーじゃ。」
「ナツだ。よろしく。」
「シュレイダーだ。シュレと呼んでくれ。よろしく頼む。」
こうして、ナツとシュレは妖精の尻尾の一員となった。
後書き
いやー、大変でしたねー。
とりあえず大急ぎでやったんですが、3日程かかってしまいましたねー。
こんな適当な作者ですいません。
オリキャラ募集します!採用する可能性が高いです!キャラ崩は覚悟お願いします!
感想、批評、どんどんお申し下さい!
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