詩集「棘」
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愛してると言えなくて
山頂に触れるかのように
淡い雨雲 流れて
行き交う人の笑顔
なぜだか胸が痛んで…
想いは遠く届かず
抱くことも叶わない
君が傍にいない…それだけで
僕は一人 取り残された
愛してると言えなくて
心はいつも空回り
掴んだと思ったその刹那
想いは儚く散ってゆく…
梢の葉も風に舞い落ち
冬が近いと告げている
淋しさ夕に暮れて
君がとても恋しい…
名残る陽も消えて
照らす灯火さえなく
月影のない空…仰ぎ見て
生きるよすが探し倦ねる…
愛してると言えなくて
つのる想いに潰される
希望なんてまやかしで
叶わぬ想い香るだけ…
こんな思いをするのなら
愛なんて知らなければ良かったよ…
ただ…辛いだけ…
愛してると言えなくて
ここにはいない君を見る
振り返った空に蒼い月
幻は虚しく消えてゆく…
愛してると言えなくて
心はいつも空回り
掴んだと思ったその刹那
想いは儚く散ってゆく…
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