cielo
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出会い
序章
2
前書き
練習投稿1の続き
_綱吉side
今日は朝から予感がする、何か起こると。きっと今生の兄となったジョットと今日会っていたら、綱吉に同意してくれただろう。そう思考しながら首にぶら下げたチェーンをたどり胸元の指輪を握りこんだ。
前世からの仲間たち、今生で再会した彼らのみに許された温室で優雅にをお茶をしながら思考は15年前にさかのぼる。
15年前
綱吉は亡くなった。仲間たちに見送られながら永遠の眠りについたはずだった…
気が付いたら、ジョットに抱かれていた。
10歳程度のジョットにのぞき込まれ、その瞳に映る嬰児が自分だと気づいたのだった。この世界に転生していたジョットは持ち前の超直感で綱吉が生まれたことを感知し迎えに来たのだ。
綱吉だけではない、前世の仲間たちが少なくない人数が転生しており、ことごとく孤児になっていた。おそらくは生まれてくるときにリングを持っていることも関係するのだろう。幸か不幸か、綱吉は捨てられた時の記憶はないため詳しくはわからない。金持ちの家に生まれたジョットが皆を見つけ出し、引き取った。
”デーチモ、いや綱吉案ずるな。お前たちに窮屈な思いはさせぬ。”
そういって、ジョットが作ったのがこの学園だ。今でこそ高校として知られているが、もとはジョットが綱吉たちの養育のために作ったので小規模ながら義務教育を満たす学校としての許可を持っているのだ。
高校は規模が大きいので一般とは別枠”特殊”としてわけ、専用領域を設け完全に別の活動空間としたのだ。綱吉たちは一般領域も含む学園内どこでも立ち入りができるが、反対に一般生徒や教師は”特殊”の専用領域は立ち入り禁止だ。
「ツナ、どうやら校長が心霊調査を頼んだらしい。午後には調査員がやってくるってさ、面倒だから一般のほうにいくなって雲雀と骸がいってた」
温室の穏やかな空間に綱吉の意識を引き戻したのは、武―黒色短髪のさわやかな青年―の声だった。
「心霊調査…あ、最近一般校舎で起こっている問題について?」と―変わった髪型の美しい少女―クロームが尋ねた。
「おそらくそうだろうな。プリーモには許可はとっていないだろうからこっちにかかわってくることはないとは思うが…。」眉間にしわを寄せ隼人は言った。
___ GH side
「うわぁ、すっごい広い学園!それにきれい~。」
「麻衣はしゃぐな、遊びに来ているわけじゃないんだぞ。」
ナルの冷ややかな声をしり目にみんなは内心麻衣同意した。広大な敷地に美しい校舎、はしゃいでしまうのも無理はない。
「こちらの部屋をお使いください。この部屋は他校の方が部活動の遠征試合に来られるときや合宿が行われるときに使っている部屋です。両隣の部屋が宿泊スペースになります。」
学園の講師の一人である竹中という男性に案内された部屋はベースとして使うのに十分な広さがあった。両隣の宿泊スペースもきれいに整えられ、まるでホテルの客室のような部屋だった。
「ありがとうございます。こちらの部屋をベースとして使わせていただきます。」
ナルは無表情ながら心なしか満足げに口の端を上げ竹中に答えた。
ナルの返答を受け振り返った竹中講師は言いにくそうに顔を陰らせながら言った。
「調査のためにも講師や学生に話しを聞いたりされると思うのですが、注意していただきたいことがございます。」
「それは専用領域のことでしょうか?」
”専用領域?”と疑問符を上げる麻衣たちに地図を見せながら竹中講師はうなずいた。
「そうでございます。専門領域は特殊生徒のみの領域のため一般の生徒や講師、外部の方々は立ち入りを禁止されております。また、特殊生徒の特権により自由が認められておりこちらからの干渉は禁止されております。ですので、専用領域への立ち入りや特殊生徒への干渉をされないようお願いいたします。」
構内の生徒たちに事情をきき、ときにはベースに来てもらい情報を聞き出す。
リンが生徒に事業を聞きながらPCに入力しているのを見ながら、ぼーさんは悪態をついた。
「いや~、まいったね。”他が立ち入り禁止の専用のスペース”があって、”特権で自由が認められて他から干渉されない”なんて、まるで漫画の学園だろーよ。ここの学園長はどんだけ特殊生徒を特別扱いしてるんだよ、ったく!」
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