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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第三十五話 小栗大尉!弱虫ペダルは面白い!!その六

「それで名が知られようとしていた時に死んだのよ」
「自殺したんだな」
「そうだったんだ」
「あの人の人生はどうも間が悪かったけれど」
 絵のことにしてもだ。
「それでだったのよ」
「つまり運がなかった」
「そういう人だったんだな」
「栄光なき天才達に出てきそうだな」
「そんな人生だったな」
「そうね、けれど評価されなかったっていうのは違うわよ」
 ゴッホの場合はだ。
「評価されだしていたのよ」
「そうなんだな」
「その矢先に自殺してしまったんだな」
「そういえば弟さんや郵便局の人とか理解者いたな」
「そうだったな」
「あとモーツァルトは生前皇帝の庇護もあって凄いお金貰ってたのよ」
 瞬は音楽の天才のことも話した。
「音楽的にも認められていたから」
「ああ、あの人は金遣いがな」
「滅茶苦茶だったな」
 二人もモーツァルトについては知っていた。
「ビリヤードしててな」
「しかもそのビリヤードが下手で」
「散財してて」
「奥さんも大変だったらしいな」
「あの奥さんも色々言われてるけれどな」
「コンスタンツェさんな」
 悪女の代名詞にさえなっている。
「それでもな」
「モーツァルト自身が相当だしな」
「けれどまああの人はか」
「生前から認められていてお金も貰ってたな」
「六歳から作曲してたのよ」
 まさに神童だったのだ。
「それで三十五歳で死んだけれど」
「残した作品は多い」
「しかも駄作なし」
「歌劇では端役なし」
「どの登場人物にも公平に素晴らしい音楽を与えてるんだよな」
 まさに天才だからこそ出来ることだ、確かに性格破綻者であったがその愛は歌劇の全ての登場人物に公平に注がれている。
「やっぱり天才だな」
「そんな天才が生前から評価されない筈ないな」
「だよな」
「作者もモーツァルト好きだしな」
「そうよ、天才は認められないっていうのはね」
 瞬も言う。
「一概には言えないのよ」
「ゴッホにしてもモーツァルトにしても」
「認められていたんだな」
「俺達とは違って」
「そうなんだな」
「何言ってるのよ、あんた達だって認められてるわよ」
 瞬は二人にもこう言った。
「卑怯卑劣の天才として全世界にね」
「ああ、全然嬉しくないな」
「そんなことで認められてもな」
「他の才能で天才って言えよ」
「万能の天才ってな」
「万能って何がよ」
 また突っ込みを入れた瞬だった。
「レオナルド=ダ=ヴィンチみたいじゃない、それこそ」
「だってよ、日帝衆とあらゆる種目での戦いで勝ってるんだぜ」
「日帝衆がその都度送り出す天才達にな」
「天才に勝ってるんだぜ」
「じゃあまさしく天才だろ」
「それも大天才」
「そうしたものだろ」
 こう言うのだった、しかし。 
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