転生とらぶる
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Fate/stay night
1135話
「今更だけどさ、よく考えたらネットを使うんならあたしの家でも良かったんだよな」
新市街を歩いていると、ふと綾子が呟く。
現在、俺と凛、綾子の3人は新市街にある図書館へと向かっていた。
「出来れば、もっと早くそれに気が付いて欲しかった」
既に図書館がそう遠くない場所にあるのが見える状況で、綾子の家に行けば良かったと言われてもな。
ここからわざわざ引き返すのも面倒臭いし……
「もしかしたら、綾子の家族を巻き込むかもしれないわよ? まぁ、ないと思うけど」
そんな凛の声に、綾子は微かに眉を顰める。
それはそうか。
綾子が凛の家に泊まっているのは、半サーヴァントと化した自分の身の安全もあるが、同時に家族を聖杯戦争に巻き込みたくないというのもある。
それを考えれば、確かに聖杯戦争に巻き込むかもしれないと言われれば、自分の家に連れて行くのは躊躇するだろう。
「それもそうだね。それに……」
何故かチラリと俺の方へと視線を向けてくる綾子。
そのままどこか照れくさそうに口を開く。
「アークを連れて行ったりしたら、色々と家が騒がしくなりそうだしね。そんな状況だとアークも調べ物とか出来ないだろ?」
「調べ物をするのなら、静かな方がいいのは事実だけど」
「そういう事。……うん? じゃあ図書館じゃなくてネットカフェでもよかったんじゃないか?」
「嫌よ。あんな機械ばかりのところ、待ってる間私達が暇じゃない。それにネットカフェって利用料が掛かるんでしょ? それなら、図書館の方が無料で利用出来るわ」
「……遠坂……」
「何よ、しょうがないじゃない。ただでさえアークの食費でかなりの額が飛んでいってるのよ? 正直、黄金律の効果はどこにいったのかってくらいに。それを思えば、節約出来るところは節約するしかないでしょ。ただでさえ、私は宝石を必要としてるんだから」
若干不満そうに告げる凛。
その辺はしょうがない。
基本的に凛の魔術は、魔力を込めた宝石を投げつけるってのがメインだ。
……ガンドは例外としても。
つまり、魔術を使う分だけ宝石を使い捨てている訳で……その辺を考えれば、金に厳しくなってもしょうがないか。
魔力に関しては俺からの魔力供給EXで困る事はないだろうが、それを込める宝石はどうしても……
魔力を溜め込む量が多くなると、その分宝石の質も重要になってくるらしいし。
「ほら、とにかくもうすぐ図書館に着くんだし、今更ああだこうだと言ってもしょうがないだろ。今はとにかくアークの記憶を取り戻すという意味で麻帆良ってのを探そう」
何かを誤魔化すかのような綾子の言葉に頷き、俺達は図書館へと入っていく。
幸いこの図書館は、本を読む分には何らかの登録の類は必要ないみたいだ。
ただし、本を借りる時には身分証の類を使って登録しなきゃ駄目らしい。
今の俺には学生証って身分証があるんだから、その辺は問題ないが。
「さて、じゃあ取りあえず俺は日本の地域で麻帆良ってのを調べてみる」
「私は地名以外で麻帆良という言葉がないか調べてみるわ」
「ならあたしはネットだな」
チラリとインターネットコーナーと書かれている場所を見ながら告げる綾子。
結局図書館にもインターネットが使える場所があったのは幸いだったな。時間制限とかがあるらしいけど。
とにかく、全員が自分のやるべき事を決めると、それぞれに散っていく。
綾子を1人にするのはちょっと心配だが、図書館内でなら何かが起きる筈もないだろう。
もし誰かが何か血迷って襲ってきても、そう離れた場所じゃないし。
そう判断すると、俺は早速日本地図とかのある場所へと向かう。
この図書館は新市街の発展してきた頃に建った建物らしく、そんなに古い建物じゃない。
そんな建物だからか、きちんと地図は地図として集められていた。
……いや、それが普通なのか。
そんな風に考えながら、まずは逆引き出来る日本地図を探す。
やがて見つかったのは、逆引き出来るからこそか、かなり分厚い地図だった。
どちらかと言えば辞典とでも表現すべき厚さ。
その地図の、『ま』の部分を探していく。
麻帆良、麻帆良、麻帆良……
駄目だ、ないな。
言葉の響きからして、間違いなく日本の地名だと思うんだが。
実は、『マ・ホーラ』とかいう日本以外の場所だったりしないよな?
別に字で『麻帆良』と見た訳じゃないから、その可能性は十分に考えられる。
もしそうだとすると、世界中から探さないと行けないだけにかなり大変だ。
ぶっちゃけ本で調べるのは無理だろう。それこそネットを使って調べる必要が出てくる。
それでも一応という事で、他の地図も引っ張り出しては探していく。
何となくだけど埼玉県辺りにあるような気がしたんだけど。
うん? けど、何で埼玉県? 何を根拠にしてそんな風に考えたんだ?
自分の思考に疑問を抱きつつ、それでも念の為とばかりに埼玉県付近の拡大地図を探して麻帆良を探していく。
……ただ、そんな真似をしても麻帆良という地名は全く見つかる様子がない。
それとも、地名とかじゃないのか?
例えば、どこかの建物とか、あるいは会社名とか、そんな感じ?
そうも思ったけど、それだと本で探しきるのはまず不可能だろう。
当然本に載っていないデータとかもあるだろう。
寧ろそっちだと、凛が調べている方に入る筈だ。
そのまま1時間程。
気が付けば、俺の周りにはかなりの本が積み上げられていた。
「駄目だな。地名っぽい名前だけど、多分地名じゃない。こうして見る限りだと、恐らく他の何かだ」
溜息を吐きながら、本を元の場所へと戻していく。
ちょっと休憩って訳でもないけど、凛や綾子の方を見に行くか。
そう考えて、まずは凛の方に行ったんだけど……
「なぁ、なぁ。いいだろ? 俺達と一緒に遊びに行こうぜ? いい店知ってるんだよ」
「そうそう、こいつの顔って物凄く広いんだぜ? ほら、アイドルとか興味ない? もしなんなら事務所を紹介して貰ったらどう? まぁ、君みたいな美人なら、スカウトされるのもむずかしくないだろうけど」
「何度も言ったけど、興味ないので。大体、何で図書館でナンパなんかしてるの? そういうのはもっと相応しい場所でやったらどう?」
……いや、うん。
確かに凛が美人なのは事実だし、声を掛けられてもおかしくはない。
けど、だからって何だって図書館でナンパなんかされてるんだよ?
いや、この場合責められるのは凛じゃなくて図書館でナンパしている相手の方か。
凛としても、出来れば穏便に済ませたいとは思っているんだろう。いつものように鋭い舌鋒は控え、興味がないと言いたげに調べ物に熱中している。
……しょうがない。凛だけにしておけば、いつまでもナンパが続くだろ。
出来れば面倒事は避けたいところなんだけどな。
そんな風に考えながら、凛の方へと近寄っていく。
さて、このまま大人しく退散してくれるのか、それとも乱闘騒ぎにでもなるのか……
「凛、どうしたんだ?」
「……あら、アーク。そっちの調べ物はもう終わったの?」
となりにいる男達は全くいないかのような仕草で言葉を返してくる凛。
さて、どうなる……?
と、相手の反応を見ようと思ったら……
「ちっ、何だ男連れかよ」
「だから言っただろ? あんな女が1人な訳ないって」
「けどよ、あれだけいい女だぜ? 声を掛けたくはなるだろ」
そんな風に言葉を交わしながら離れて行く。
ああ、何だ。ナンパはナンパでも、悪質なナンパじゃなかったんだな。
引き際を心得ている辺り、好感が持てる。
それは、俺だけじゃなくて凛も同様だったんだろう。少し意外そうな表情で立ち去っていく男達の方へと視線を向けていた。
「ちょっと意外ね」
「まぁ、それは否定しない。……もっとも、図書館でナンパするってのが元々不思議だけど」
「そう? 知的美人が好みなんでしょ?」
クイッと、いつの間にか付けていた眼鏡を手で直す凛。
確かにこうして見る分には知的美人に見えない事もない。
実際、凛はミスパーフェクトとか言われているように、成績もいい。そういう意味では知的美人ってのは間違ってないんだろうな。
元々魔術師ってのは研究者の側面が強いって話だし。
「否定はしないよ」
「あら、もしかして眼鏡を掛けた方がアークエネミーの好みだったりする?」
「どうだろうな。……それはともかくとしてだ。麻帆良は何か見つかったか? 地名の方だと麻帆良ってのは特になかったけど」
「こっちも駄目ね。それっぽいのはなかったわ。となると、後は綾子に期待かしら」
溜息を吐いた凛の言葉に頷き、集められた本を片付けてからネットコーナーで麻帆良を調べている綾子のところに向かったのだが……
「これ、デジャヴって奴かしら?」
その光景を見て、凛が呟く。
「そう言いたくなる気持ちも分からないではないけど、明らかに使い方を間違っているぞ」
「……分かってるわよ」
溜息を吐きながら視線を目的の……綾子の方へと向ける。
「なぁ、なぁ。いいだろ? 俺達と一緒に遊びに行こうぜ? いい店知ってるんだよ」
「そうそう、こいつの顔って物凄く広いんだぜ? ほら、アイドルとか興味ない? もしなんなら事務所を紹介して貰ったらどう? まぁ、君みたいな美人なら、スカウトされるのもむずかしくないだろうけど」
「あたしが調べ物をしてるのは見て分かるだろ? あんた達に付き合ってる暇はないんだよ」
そこで繰り返されているのは、先程見た光景と全く同じもの。
というか、男達が話している内容も凛に話していたのと全く変わらない。
そんな男達を、綾子は手を振って追い払っていたのだが……不意にその視線が俺の方へと向けられる。
「アーク、そっちはもういいのか?」
自分達が誘っていた女が親しげに呼び掛ける声を聞けば、当然男達の視線も俺に向けられる訳で……
「げっ、またあいつかよ。あんないい女を侍らせておいて、更にもう1人とか……」
「……今日は厄日だ……行こうぜ、何だか牛丼食いたくなってきた。そうでもしないと、俺の中にある嫉妬が爆発しそうだ」
「そうだな、そうするか」
そんな風に話ながら去って行く2人の男。
本当に、何なんだろうな?
何かあのやり取りを見ていると、実は本気で女をナンパしようとしているようには見えないんだけど。
にしても……
「知的美人を好む、ねぇ」
チラリ、と凛の方を見ながら呟く。
その台詞にすぐさま反応した凛は、文句あるのとでも言いたげに俺の方へと視線を向けて口を開く。
「何よ、文句あるの?」
「いやいや、別に? 知的美人の凛はさすがだと思ってだな」
「……喧嘩を売ってるなら買うわよ?」
「滅相もない」
そんなやり取りをしていると、綾子がどこか呆れた口調で話し掛けてくる。
「そこ、夫婦喧嘩は程々にな。それで、麻帆良って単語で何か分かったことはあるのか?」
「ちょっと、誰が夫婦よ……残念ながら私もアークエネミーも特に判明した事実はなかったわ」
「そうか」
どこか納得したように頷く綾子を見ながら、何となく話の流れが予想出来たけど、そのまま尋ねる。
「そっちは? ネットなら何か見つかったんじゃないのか?」
「残念ながら、こっちも特にこれといったものはなかったわ。他に調べるとしたら、まだ電子化されてない情報とかだけど……」
「多分駄目でしょうね。アークは恐らく近代の英雄。正直、どこで生まれた英雄なのかは全く分からないけど、近代の英雄なら当然その麻帆良って言葉が何らかの形で残っているのが当然よ。……今更昔の事を調べても、多分意味はないわ」
「そうか。そうなると……結局アークって何者なんだろうな?」
こっちを見て尋ねてくる綾子だが、正直それは俺が一番知りたい。
「まぁ、ここで調べても麻帆良ってのが何なのかが分からないって事が分かった。となると、これ以上ここにいても無駄だろ? そろそろ出ないか? ……腹も減ったし」
何故か俺の言葉に溜息を吐く凛。
「言っておくけど、外食は程々にするわよ。寧ろ、買い物して家に帰ってご飯にしましょうか。食材も結構買い込んであるし」
半ば有無を言わせずに告げる凛に、俺と綾子はそのまま図書館を出て行く。
結局、今日の午前中は麻帆良という言葉を見つける事も出来なかったし、無駄に過ごした事になったな。
いや、完全に無駄って訳じゃないか? 眼鏡の凛も見る事が出来たし、あのお笑いナンパ2人組を見る事も出来た。
……まぁ、結局は聖杯戦争に関わるという意味では収穫はなかったんだけど。
「凛、午後からはどうするんだ? 図書館での情報はなかったし……いっそ学校に行くか?」
「行って何をするのよ……多分入れないわよ? 警察が出入りを規制しているでしょうし。それに結界も結局は破壊出来たんだから、特に用事はないでしょ?」
そう言われると、そうなんだよな。
けど実際にやるべきことは、と言えば……
夜ならまだサーヴァントを探したりも出来るんだけど。
何だかんだで、未だにサーヴァントは全員生存している。
この聖杯戦争、実は結構長引きそうだな。
そんな風に思いつつ、俺達は凛の家へと帰るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:375
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1184
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