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『SEX依存症』

作者:零那
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『心を抱く』



行為そのものは、やっぱり嫌だった。
でも、抱きしめられた状態だと何故か許せた。
温かくて心地よかったから。

愛なんか無いくせに、愛に似た何かを感じてしまうから。

たとえ捌け口だとしても、今の此の時間だけは必要とされてる。
此の体温が生きてると感じさせてくれる。
役に立てている。
そう思うと、心が温かくなるような感覚に陥った。

あるお客さんが言った。

『女の子を抱くときは、心を抱きしめてあげることにしてる。体だけ抱いても愛は伝わらないから。』

なるほど...
だから心が温かいのか...

危うく騙されかけた。

『いやいや、そんなんゆっても心なんか抱けんよ?』

『でも、優しく抱きしめられると安心する?しない?』

『...する』

『そーゆうこと♪』

あまり理解は出来なかったけど、言葉にしてどうこうじゃなく、理屈じゃないんだなと納得はした。


 
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