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レインボークラウン

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第二百七十三話

               第二百七十三話  氷
 春奈は水の魔法の温度を下げていった、その中で。
 ふとだ、イーとリャンが言った。
「どうもです」
「私達にはです」
「温度が低いと」
「辛いものがありますね」
「そうよね、貴方達はね」
 主の春奈も言う。
「どうしてもね」
「蛙と亀なので」
「眠くなります」
「少し、ですが」
「それでも」
「そのことは我慢してもらうしかないかしら」
 少し首を傾げさせてだ、春奈は言った。
「悪いけれど」
「ですか、私達は」
「ご主人様が氷の魔法を使われる時は」
「何だったら」 
 春奈は自分の使い魔達にこうも言った。
「私が氷の魔法を使う時は私の服の中に入る?」
「ポケットの中等に」
「そうしろというのですね」
「ええ、どうかしら」
 これが春奈の提案だった。
「それで」
「ですがそれですとご主人様に迷惑では」
「私達が服の中にお邪魔しますと」
「いいわよ」
 にこりと笑ってだ、春奈は二匹に答えた。
「それ位は。それよりもやっぱり貴方達が寒いから」
「だからですか」
「氷の魔法を使われる時は」
「ええ、私の服の中に入って」
「ではその様に」
「我慢出来ない時はさせてもらいます」
「迂闊に寝たらね」
 それこそともだ、春奈は言った。
「よくないから」
「車が来た時、怖い生きものが来た時に」
「危険ですからね」
「だからそうしてね」 
 こう言ってだ、そのうえで。
 春奈はあらためて自分の魔法の氷の温度を下げていった、そうしながら使い魔達に言った。
「お水だけ温度を下げていってみるわ」
「そうすれば私達に寒さは及ばない」
「だからですね」
「ちょっと周りを冷やし過ぎてるわね」
「ではお願いします」
「その様に」
 使い魔達は春奈の言葉に感謝した、そして実際にだった。春奈は温度の調整を水、自分が使っている魔法に集中させていった。


第二百七十三話   完


                             2015・9・19 
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