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ドリトル先生の水族館

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第七幕その一

                 第七幕  大きな水槽
 先生達は水族館の生きもの達を診察して回り続けていました、そしてその中でとても大きな水槽の前にきました。
 その水槽の前に来てです、動物の皆が先生に言いました。
「この水槽が、だよね」
「この水族館で一番大きな水槽だよね」
「何か凄い大きさだね」
「どれだけのお魚がいるのかな」
「うん、この水槽はね」
 先生も皆にお話します。
「八条水族館の大水槽でね」
「それでなんだね」
「ここに一番沢山のお魚がいるんだね」
「その水族館の中でもね」
「一番沢山のお魚がいるんだよ」
「そうだよ、あえて色々な種類のね」
 それでというのです。
「だからこのコーナーはまた特別なんだ」
「ううん、特にね」
 ガブガブはその中で特に大きなお魚を見て言いました。
「あの平たくてとても大きなお魚」
「ジンベイザメだね」
「あのお魚が一番凄いよ」
「というかあれも鮫なんだ」
 トートーもその丸い目をさらに丸くさせています。
「鮫っていっても本当に色々なんだね」
「というかね」
 チーチーが言うことはといいますと。
「あんな大きな鮫を他のお魚と一緒に入れていいの?」
「あの鮫はプランクトンを食べるからね」
 だからと答えた先生でした。
「別にね」
「プランクトンを食べるの」
「あの鮫はね」
 ジンベエザメはというのです。
「だからいいんだ」
「そうなんだ」
「ただ、あの鮫は飼育の仕方が難しいからね」
 先生は皆にそのジンベエザメのことをさらにお話しました。
「だから何かと大変なんだよ」
「飼育係の人は」
「そうだよ、僕もね」
 先生は老馬にも応えました。
「あの鮫の飼育を頼まれたらね」
「無理?」
「難しいね」
 実際にというのです。
「あの鮫についてはね」
「先生でもなんだ」
「僕は確かに色々な生きもののことを知っているけれど」
 それでもというのです。
「その命を預かるからにはね」
「僕達がそうだとしても」
 ここで言ったのはジップでした。
「それは僕達それぞれのことをよく知っているから出来るんだよね」
「そうだよ」
「ジンベエザメさんはそうはいかないんだね」
「知ってはいても頭だけのことだよ」
「実際に動くとなるとだよね」
「そう、頭に入れているだけでは駄目だからね」
 それでというのです。
「だから僕にはジンベエザメ君達の世話は出来ないよ」
「先生はその辺り慎重よね」
 ダブダブはそのことを言いました。
「確実に一緒にいられないとね」
「うん、命を預かるからにはね」
「軽率では駄目ってことね」
「そうだよ」
 ダブダブにもこう答えます。 
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