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『私とカッターナイフ』

作者:零那
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『リストカット』



長年のSOSコールにやっと児童相談所と警察が動いた。
保護されるも、理不尽なことはつきまとった。
納得も出来ないまま話は進む。

けれど、家庭からは解放された。
養父の玩具では無くなった。
それだけは救いだった。
本当に其れだけが救いだった。

保護所でもいろいろあった。
なんやかんやで施設留置も決まり、転校手続きも済んだ。
何に対しても納得することは無かった。
改めて大人の汚さを目の当たりにしたってだけだった。

別に良い。
なんの期待もしてない。
こんな腐った世の中。
こんな汚い大人達。

何処に行っても何処に居ても自分は自分らしく居よう。
死にたくなったらまた死ぬ。
生きてても良いかなって思ってるうちは生きてく。

現時点で、父親的存在として組長が居てくれるから悲しませたくはない。
だから生きてくことを選んでる。

其れでもやっぱり耐えきれない時はある。
リストカットを知った。
流れる血を見てると、ほんの少し、楽になれた気がした。
其の感覚にとりつかれた。
イタイ辛いと心が感じた時には、既に切ってしまってた。


 
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