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転生とらぶる

作者:青竹
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Fate/stay night
  1131話

 ベッドの上で綾子を落ち着ける為に身体を重ね、それが終わって一段落したところで俺も凛も綾子も、3人が3人ともそれぞれ身体が色々と汚れていた事もあり、風呂に――個人的にはシャワーでも良かったんだけど、2月にシャワーはさすがに寒いと却下された――入って一段落し、現在は居間で凛の淹れてくれた紅茶を飲んでゆっくりとしていた。

「あー……うわああ……あー……」

 呻いているのは、綾子。
 紅茶の入ったカップを横に置き、頭を抱えながら呻き声を上げている。
 俺の血を飲んだ時はともかく、まさか再び俺に抱かれるとは思ってもいなかったのだろう。
 しかも、何だかんだで我を忘れるくらいに声を上げていたし。
 紅茶を淹れた凛の方も、綾子程には取り乱してはいないが、頬が赤いのは隠せていない。
 チラチラと俺の方へと視線を向けてくる辺り、色々と思うところがあるんだろう。
 ちなみに顔が赤いのを指摘すると、風呂上がりだからと言い張られた。
 ……もう風呂から上がってから30分くらい経ってるんだけどな。
 余程に熱い風呂だったんだろう。
 俺にとっては丁度いい風呂だったんだけど。
 うん。こうして見ると、ゆっくりしているのは俺だけだったな。
 サーヴァントの俺が言うのも何だけど、凛にしろ、綾子にしろ、まだ10代の女だ。
 しかも凛は魔術師として日々過ごし、綾子は武術とかで身体を鍛えて日々を過ごしてきた。
 それ故に、2人ともがそっち方面は間違いなくウブであり、いきなり俺とこういう関係になった事に混乱しているんだろう。
 最初は儀式って事で自分を納得させたんだろうが、今回は綾子を落ち着けるという意味での行為だったのだから、尚更だ。
 このまま気まずい空気の中で過ごすのもなんなので、紅茶を飲み終わったのを機に口を開く。

「ん、コホン。取りあえず綾子は落ち着いたか?」
「お、落ち着いた!? あたしにあんな……あんなに色んな真似をしておいて落ち着いただって!? ああ、ああ、ああ。落ち着いたさ。間桐の死体を見ても動揺しない自分に多少まだ疑問は感じてるけど、それでも落ち着いたさ。自分でも不思議なくらいに今のあたしは間桐の死よりもアークに抱かれて、乱れに乱れ……あああああああああっ! 何だってあたしはあんな事を……何が『アーク、愛してる』だ『あたしの全てをお前のものにしてくれ』だ。更に『あたしの人生はこの先ずっとお前と共にある』だって? 本当に……本当にあたしは何を言ってるんだ! だ、大体それもこれも、アークがあたしに考える事すら出来ない程徹底的に追い詰めたのが原因なんだぞ! い、言っておくけど、あくまでもあの言葉はその場の雰囲気とかだからな! 本気にするなよ!」

 ……うん。落ち着いたっていうのは色々と間違ってたな。
 まだ十分以上に取り乱してる。

「遠坂も遠坂だよ。何で澄まし顔をしてるんだ!? 『私の全てをアークエネミーで埋めて』とか『あんたは一生私のものだけど、私も一生あんたのものよ』とか言ってたくせに!」

 ごふぅっ!
 綾子の言葉を聞いていた凛が、突然噴き出す。
 幸いだったのは、紅茶が殆ど口の中に残っていなかった事だろう。
 おかげで周囲に紅茶を撒き散らかさないで済んだのだから。

「あ、あ、あ、綾子! あんたねぇ! 何だって私にまで絡んでくるのよ!」
「うるさい! 大体アークに抱かれてヒィヒィ言ってた癖に、何もそんな事はありませんでした、みたいな風を装ってるのよ」
「それを言う!? それなら、あんただってアークエネミーに思い切り抱きついて普段の姿なんか思いも寄らない程に甘えてた癖に!」

 そこから始まった言い争いは、正直聞いている俺が一番ダメージがでかかったように思える。
 学校に入学してから今までのお互いの失敗を、事細かに言い争っているのだ。
 女同士の喧嘩って怖いとつくづく思う。
 俺は記憶を失っているけど、凛や綾子を抱いた時の自分の行動を思えばそういうのには強かったんだと思う。……こういう風な体験もしてたんだろうか。
 ともあれ、一旦治まるまで俺は気配を殺してその場から離れ、台所を漁ってクッキーを発見し、それを食べて気持ちを落ち着かせる。
 そのまま数分。未だに居間の方から聞こえてくる声を聞き流しながら、クッキーを味わう。
 いや、これ本当に美味いな。
 サクッとした歯応えと同時に、口の中で溶けていくかのように消えていく食感。
 それでいて、微かにチョコの風味が口に広まる。
 うん、個人的にはマカデミアナッツとかが入っているクッキーが好きなんだけど。こういうのも悪くない。

「……アークエネミー、あんた、いないと思ったらいつの間にこっちに来てたのよ。しかも取って置きのクッキーまで食べて……ほら、居間に戻るわよ。これからの事を相談するんだから」

 そう告げ、俺を引っ張っていく凛。
 居間へと戻ると、さっきの言い争いは凛の方が勝ったのだろう。綾子が頭を抱え、うーうーと唸っている。
 ……結局最初に戻っただけじゃないのか?
 ふとそんな風に思うも、取りあえず綾子を落ち着かせる必要があるだろうと判断し、綾子の方へとクッキーを差し出す。

「……アーク?」
「ほら、これでも食べて元気出せ。お前が普段とは違ってベッドの中では甘えて来て可愛いってのは俺が知ってるから、気にするな」
「あああああああああああああああああああ!」

 頭を抱える綾子。

「あのねぇ。あんたが追撃を加えてどうするのよ。ほら、綾子。とにかく一旦正気に戻って。これからの事を話し合うんでしょ?」
「ああ……ああ、うん。そうだな。確かにこれからの事を話さないとな。ちなみにベッドの上の可愛さって点では遠坂も相当なものだと思ったけどな。多分、学校で遠坂に憧れている奴があんな遠坂を見たら、間違いなく暴走するだろう程に」
「なっ!? ……ん、コホン。とにかく話を進めましょう」

 一瞬何かを言おうとした凛だったが、すぐに調子を取り戻したかのように咳払いをしてから口を開く。

「まず、綾子が慎二の死ぬ光景を見ても何とも思わなかった事。これは、正直言ってアークエネミーの血を飲んで半サーヴァントになったのが原因だという以外に説明が出来ないわね。正直、凄く興味深いんだけど……もう半サーヴァントを作るのはまず無理だし」
「遠坂が処女じゃなきゃ出来ないってのは、色々と厳しいよね。正真正銘一生に一度しか出来ないって事だし」
「ええ。まぁ、誰か他の女がアークエネミーと契約すれば可能かもしれないけど……」

 そう告げる凛に、俺は首を横に振る。

「多分無理だろ。そもそも、凛のように魔術師として優れている必要があるんだからな。その時点で難しすぎる」
「うん? そうなのか?」

 俺の言葉に首を傾げる綾子。
 凛はそんな綾子に、苦笑を浮かべて頷く。

「確かにね。処女とかは何らかの儀式に必要だったりする事もあるから。……とにかく、処女云々の話は置いといて、綾子の現状よ。これはさっきも言ったけど、アークエネミーの血の影響でほぼ確定。正確には、身体を人間からサーヴァントに変えさせられた影響でしょうね。その結果、受肉した英霊とも呼べる状態になった」

 一旦言葉を止め、紅茶を一口飲んでから再び口を開く。

「ただ、その影響が完全に受肉したサーヴァントまで強化されず、半サーヴァントとでも呼ぶべき状態になったのは……アークエネミーの血が足りなかったのか、それとも本来なら血に適応せずに死んでいたのを私の儀式で無理に生かしたせいなのか……あるいは、こう言うのもなんだけど、綾子が持っていた潜在能力がサーヴァントの域にまで届いていなかった、という可能性もあるわね。他にも幾つか考えられるけど、今パッと思いつくのはこのくらいよ」

 先程までのあーあー言っていた様子を一変させて話を聞いていた綾子が、小さく息を呑んで口を開く。

「それで、あたしはこれからどうなるんだ?」
「これから?」
「このまま半サーヴァントって状態のままなのか、アークみたいに完全なサーヴァントになるのか、それとも……こっちは殆ど可能性はないと思うけど、人間に戻れるのか」
「そう、ね。正直……分からないとしか言いようがないわ。そもそも、こんな事態になったのが初めてですもの。魔術協会辺りにでも聞けば、もしかしたら前例とか、似たような事例の記録があるかもしれいけど……」
「じゃあ!」

 勢い込んで尋ねる綾子に、凛は首を横に振る。

「下手にそんな事を聞けば、怪しまれるだけよ。そして魔術協会が半サーヴァントなんてものを見逃す筈がない。下手をすれば……いえ、下手をしなくても封印指定にされるでしょうね」
「封印指定?」

 綾子が尋ねるが、その言葉は俺も知らない。
 聖杯からの知識にもなかったし。
 そういう訳で、興味深く凛の説明を聞いていたのだが……俺と綾子は、2人揃って、思いきり眉を顰める。
 封印指定。
 1代限りで学術的に不可能な領域に至った魔術師に送られる称号であり、通達。
 それを受けた魔術師は、一生涯幽閉され、更にはホルマリン漬けにされたりもするらしい。
 ……色んな意味で関わりたくないな。
 実際、それを嫌って封印指定を受けた魔術師の多くは魔術協会を抜けて野に下るらしいし。

「けど、それは遠坂みたいな魔術師に与えられる称号なんだろう? あたしの場合は一般人なんだけど」
「そんなの魔術協会の連中が聞くと思う? 魔術の領域だからって、問答無用で封印指定にされるわよ。その心配もあったから、綺礼にこの件を知らせてなかったんだし」
「……つまり、結局は不明な訳か」
「でしょうね。ただ、半サーヴァントっていうのは決して悪い事だけじゃないわよ? まず、人間から半サーヴァントになったから、最初から受肉している。霊体化出来ないってのはマイナス要素でもあるけど、魔力の消耗が激しくなくて済むわ。……まぁ、綾子の場合はアークエネミーから魔力を貰ってるんだから、その辺を考えると殆ど意味はないんだけど」
「それって、結局いい事なのか?」
「考えようによってはね。魔力を自由自在に、しかも好きなだけ使えるんだから、魔術師にとっては心底羨ましいでしょうね」
「……それって、結局狙われるだけなんじゃ……」

 ジト目の綾子をスルーして、凛の説明は続く。

「そして、人間離れした身体能力。これはもう言うまでもないでしょ。少なくても、一般的な暴漢に襲われるとか、そういう心配はしなくてもいいわ。……ライダーみたいなのに襲われれば別だけど」
「そっちは……まぁ、確かに利益って言えるだろうな」
「それと、こっちはまだ確実とは言えないけど、半サーヴァントになった事によって寿命がかなり長くなっている可能性があるわ。それこそ、下手をすれば100年、200年とかまで生きられるくらいに」
「嬉しいような、悲しいような……微妙なところだな」
「まぁ、もし魔術師であれば、誰でも半サーヴァントになれるならなりたいと思うでしょうね。それが可能か不可能かは別としてだけど。……さて、そろそろいいかしら」

 話を切り上げるように言葉を切る凛。
 それを疑問に思っていると、凛は目を瞑って何かに集中する。

「……うん、上手くいってる。どうやら見る限りだと葛木と特に何もない感じで病院から帰っていったみたいね」
「見えるのか?」
「ええ。使い魔を送っておいたの。あの2人が柳洞寺のマスターと接触しているのが確実な以上、何らかの情報を得る事が出来るかもしれないでしょ?」

 確かにあの2人が色々と怪しいのは事実だけど、まさかそんな事までしてるとは。

「と言うか、そんな事をする余裕があったのか?」
「学校から出た時にね。……うん? 柳洞の方は病院で入院中みたいだけど、葛木の方は学校に帰ってるわね。しかも柳洞の方は見て分かる程に魔力を抜かれている」
「周囲にいる者を騙す為……って可能性は?」
「可能性はなくはないけど、多分違うわ」
「根拠は?」
「女の勘」

 自信満々に言い切る凛に、綾子の方から噴き出す音が聞こえてくる。

「あら、何かおかしい事でもあったのかしら?」
「いーや、別に? ただ、あれだけアークに喘がせられていた遠坂が女の勘とか言ってもな」
「……それは私だけじゃなくて、綾子も同じだと思うけど?」

 その言葉と共に、お互いがお互いを睨み付ける。
 うん、少し前から思ってたけど、何だか微妙に仲が悪いような気がするな、この2人。 昨日まで……と言うか、ベッドでの行為が終わった後に顕著になっている気がする。
 そんな俺の視線に気が付いたのだろう。綾子は口元に笑みを浮かべる。

「遠坂とは、殺すか殺されるかの関係になるだろうって思ってたからね。まぁ、予想とはちょっと違う感じだけど」
「なんで今更?」
「さっきの説明を聞いて吹っ切れたってところか」
「……程々にな」

 俺としては、それ以上言える事もない。

「さて、綾子の件は取りあえず置いておくとして……アークエネミー、街に出るわよ。出来ればマスターを失ったライダーを、あるいはランサー辺りを仕留める事が出来れば最善なんだけど」
「今から出るのか? 今日はてっきりゆっくり休むとばかり思ってたが」

 そもそも、ベッドで激しい運動を済ませた後だ。
 その状態でこれから出掛けるとしても……

「俺はともかく、凛は腰の方、大丈夫なのか?」

 その言葉に、顔を赤くした凛に無言でガンドを撃たれる。
 回避したからいいものの、当たったらどうするつもりだったんだよ。
 と思ったら、何故かこちらも同様に頬を赤く染めた綾子の拳が、俺の胴体へと叩き込まれるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:375
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1184 
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