転生とらぶる
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Fate/stay night
1127話
まだ俺と暮らし始めて数日、綾子が凛の家に居候するようになってからも2日目だというのに、既に恒例となったような朝の出来事――ゾンビ凛――を済ませ、凛や綾子が俺を見て顔を赤くするという、これもまたお馴染みになりそうな出来事を済ませた後で食事を終え、俺達は学校へと向かっていた。
……にしても、凛と綾子の顔が赤くなっているのって、やっぱり一昨日の儀式が原因か?
まぁ、昨日寝る直前にそれを思い起こさせるような事を言った俺が悪かったのかもしれないけど。
もしかして、それで悶々として夜には眠れなかったとかじゃないよな?
さすがにそこまでウブではないと思いたい。
「ねぇ、見てみて。今日も遠坂さん達が一緒に登校してるわよ?」
「くそっ、うちの学校の2大美女を独り占めとか。絶対に許せねえ。何て妬ましい」
「あのねぇ、あんたとアーク君だとレベルが違いすぎるのよ、レベルが! あんたの顔でアーク君に対抗しようなんて10年……いえ、500年は早いわよ!」
「そんなにかよっ!? って言うか、500年とか俺既に死んでるじゃん!」
「つまり、あんたは一生どころか、何回生まれ変わってもアーク君に勝つなんて無理なのよ!」
「くそう……顔のいい男ってのは得だよな」
「何言ってるの? あんた達だって美人は贔屓してるじゃない。それと同じよ同じ」
登校していると、そんな漫才のようなやり取りが聞こえてくる。
こんなやり取りをしながらも、その男女は2人で登校してるんだから言葉と行動が一致してないよな。
そのまま耳を澄ますと、次に耳に入ってきたのは、男2人の話し声。
「……なぁ、そう言えば間桐の奴が遠坂に言い寄ってなかったっけ? あの、無意味にプライドの高い奴が自分の言い寄っていた遠坂をアークにあっさりと取られて、平気でいると思うか? 妙な騒動にならないといいんだけど」
「確かにな。間桐の奴、自分が気にくわない相手にはネチネチとしつこい嫌がらせをするから。けど、あの転入してきてから数日で遠坂と美綴を落とした……いや、堕としたアークだぜ? そんな相手に間桐が何か仕掛けたとしても、あの2人にボコボコにされるのがオチじゃないか?」
「遠坂はともかく、美綴は武芸百般だって話だしな。その可能性は十分にあるか」
「ああ。なら……」
「だな。俺達は……」
『間桐がボコボコにされるのに期待しよう』
あのワカメ、やっぱり男には相当嫌われているみたいだな。
まぁ、あんな性格だから無理はないけど。
『うー……こんな時間に登校してくるのも久しぶりだけど、この視線には相変わらず慣れないな』
綾子が、どこか恥ずかしそうに念話で呟く。
表情はキリッとしているけど、その内心では俺達に向けられている視線がそれなりに堪えているらしい。
『慣れよ、慣れ。どのみち聖杯戦争が終わるまでは一緒に行動しなきゃいけないんだから、慣れるしかないわよ』
『遠坂、よくこんなに視線を向けられて平気だな』
『遠坂家の家訓は、常に優雅たれだもの。この程度の視線を気にし過ぎてもしょうがないわよ』
『……ふん。アークに抱かれた時は、凄い大声を……それも快楽に染まった声を出して、とてもじゃないけど優雅なんてもんじゃなかった癖に』
「ちょっ!」
綾子の言葉が余程意外だったんだろう。念話ではなく肉声で声を出す。
ただ、こうして3人揃って無言で歩いている中で、いきなりこうして声を上げれば目立つ訳で。
『おや、遠坂。とても優雅なんて風には見えないんだけど』
『綾子、貴方ねぇっ!』
悔しげに念話で呟く凛。
そんな風に念話で会話をしながら、俺達は学校への門を潜る。
瞬間、やはり強烈な違和感が襲う。
『相変わらず、結界は修復しているらしいな』
『全く、毎日毎日ご苦労様って奴よね。いい加減にして欲しいわ』
念話での俺の呟きに、凛が忌々しげに返してくる。
気持ちは分からないでもない。毎日結界の起点を潰すという行為をしているおかげで、俺達の放課後は殆ど自由がない。
これが普通の時ならまだしも、聖杯戦争中に放課後が丸々潰れるのは非常に痛いんだろう。
……聖杯戦争でもなければ、こんな結界なんか張られないんだろうけどな。
ともあれ、結界の起点を潰していく限り魂喰いのこの結界が発動する心配はない。
これだけの結界だけに、やっぱり張ったのはキャスターなのか、それともワカメの執念深さに命じられたライダーなのか。
そんな風に考えながら、学校の中へと入り、廊下を歩いていると……
「おはよう、遠坂、美綴、アーク」
そんな声が聞こえてきて、ピクリ、と凛の動きが止まる。
いや、この様子を見る限りだとビキリと表現した方がいいのか?
そちらへと視線を向けると、そこにいたのは当然ながら衛宮の姿。
小さな笑みを浮かべて俺の方へと視線を向けている。
「あら、衛宮君。おはようございます。けど、色々と不用心ではないですか? この前も同じような事を言ったと思いますが」
周囲には大勢の生徒達が行き交っている為だろう。凛は猫を被って衛宮にそう告げる。
ただし、笑みを浮かべながらも魔術刻印のある左手を右手で押さえているところを見ると、相当苛立ってるな。
まぁ、親友が衛宮のせいで半サーヴァントになってしまったんだから、無理もないだろうけど。
その本人は、今のところは気にしている様子はないみたいだけど。
『あちゃあ、またタイミングが悪い。ただでさえ夢見が悪くて苛立ってるってのに』
『うん? 苛立つ? 何がだ?』
『あ、いや、何でもないよ。こっちの話』
慌てたようにそう告げる綾子の様子に疑問を抱いで訪ねるけど、戻ってきたのはどこか誤魔化すような言葉。
まぁ、聖杯戦争に関係しているんなら、凛がきちんと言うだろうし……そこまで気にするような事じゃないんだろ。
「ああ、その辺は大丈夫だよ。ほら、これがあるから」
そう告げ、右手を見せる衛宮。
その甲には令呪が存在している。
なるほど。確かに何かあったとしたら令呪でサーヴァントを呼び寄せるのは難しい話ではないだろう。だが……
「残り1画しかないのに、ですか?」
苛立ちを隠して尋ねる凛。
そう。その言葉通り、既に衛宮の右手の甲に残る令呪は1画のみだ。
最初に俺達と遭遇した時に、セイバーが致命的なダメージを受けそうになったのを令呪の力で回避して1画、学校で俺達と戦闘になった時にセイバーを呼び寄せて1画。
そして令呪というのは3回だけのサーヴァントに対する絶対命令権。
つまり、あと1回令呪を使えば、その右手の甲にある令呪は完全に消滅してしまう。
だというのに、衛宮はそれがどうしたといった表情を浮かべていた。
根本からお気楽なんだな。それとも最悪の未来を想像出来ないのか?
もしも凛が後先を考えないような性格のマスターであれば、俺にここで衛宮を殺せという命令すら出来るというのに。
そんな命令があれば、敏捷さからいってそれこそ一瞬で奴を殺す事が出来る。
……まぁ、凛がそんな考えなしの行動を取るとは思えないけどな。
もしかして、衛宮もそれを理解しているからこそ、こうして話し掛けてきているのか?
そう考えると、結構用意周到なのか? ……いや、ないな。多分何も考えていないだけだろう。
そんな風に考えている間にも、凛と衛宮の会話は続き……
「では、この辺で私は失礼しますね。行きましょう、アーク、美綴さん」
衛宮の前から立ち去る凛に促され、俺と綾子もその場を後にする。
「悪いな、衛宮。今日はちょっと遠坂の機嫌が悪いんだよ」
綾子が去り際に衛宮にそう告げているのが聞こえてきた。
「おはようございます」
凛がそう告げて教室に入る。
俺と綾子もまた、軽く挨拶をしながら教室の中に入っていく。
それに教室の中から色々と挨拶が返ってきて……
「おはよう! やっぱり今日も3人で登校してきたな。いやぁ、アークってば女誑し、天然ジゴロ、ヒモの王様!」
「蒔の字、それは少しも褒めておらんぞ。……おはよう、3人共」
「その、おはようございますっ!」
いつもの3人組が挨拶をしてくるけど……蒔寺の言葉は絶対俺を褒めたりはしてないよな?
寧ろ貶すというか、責めるというか。
「あら、蒔寺さん。またしっかりとお話をする必要があるようですね」
「そうだな、いつの間にかアークのハーレムメンバーに入れられそうなあたしとしても、その辺は1度しっかりと認識させておく必要がある」
「ひぃっ、じょ、冗談っすよ。冗談。何も本気でそんな事を言ってる訳じゃ……」
昨日の件が余程堪えたのだろう。ビクリと震える蒔寺。
何だかんだで懲りない奴。
「全く、蒔の字は……だが、アークにもああいう風に言われる理由はあるのだぞ?」
氷室の言葉の矛先がこちらに向かってきたのに、思わず首を傾げる。
「どういう事だ?」
「何、この場にいる者を見て見ろ。遠坂、美綴、蒔の字、由紀香……そして、私。気が付かないか?」
「……何が言いたい?」
「全く、本気で気が付いていないのか、それとも意図的なものなのか……こう言えばいいか? 遠坂と美綴はこの学校でも1、2を争う美人。私にしても、自分で言うのは何だがそれなりに顔立ちは整っていると自負している。そして由紀香は穂群原学園の癒やしと呼べる存在だ。さて、こんな面子の中に男が1人。……何か言うべき事は?」
「ちょっと待った! 私! その中に私が入ってない!」
遠坂や綾子から逃げるようにしてこっちに近づいてきた蒔寺が、必死に叫ぶ。
……ちなみに、三枝は癒やしと言われて照れていたりする。
「蒔の字か? いてもいなくても変わらんだろう」
「ちょっ! あんた本当に私の友達!?」
「……さて、どうだろうな。一応友達という事にしておこうか」
「ああああああ、黒い、黒すぎる! 私達の友情が、こんなに一瞬で……これも、これもアークのせいだ!」
ジトリとした視線でこっちを見てくる蒔寺。
それに何かを言い返そうとしたところで……
「そろそろHRを始めるぞ」
扉が開く音と共に、葛木が姿を現す。
担任が現れたからにはこれ以上騒いでいる訳にもいかず、それぞれが自分の席へと戻っていく。
その際に蒔寺に覚えてろよとか言われたけど、それって完全に俺はとばっちりじゃないか?
ともあれ、自分達の席へと座って朝のHRが進んでいく。
『葛木、特に何か変わったところはないよな? もし昨日の件を知っていれば、何か態度に出てもおかしくない筈だけど』
『そうね。そう考えると、やっぱり聖杯戦争に関わっているんじゃなくて、柳洞寺を拠点としているマスターに何らかの操作を受けているとか、そんな感じかしら?』
『ちぇっ、残念。佐々木小次郎の件を聞けると思ったのに』
『綾子、あんたねぇ。もし馬鹿正直にそんな事を聞いたら、あのキャスターがいるのよ? どんな仕掛けがされているのか分かったものじゃないわよ?』
『げっ、マジ?』
『ええ。例えば、聖杯戦争に関わる質問をした相手に対して自動的に攻撃するように洗脳されている可能性もあるわ』
『うわっ、魔術ってえげつないな』
そうなんだよな、その辺がネックになっていて葛木に聞く事が出来ないのも事実。
出来れば一気に聞いてしまって、それこそ凛の魔術で情報を引き出すような真似が出来るんだけど。
『とにかく、今は迂闊な真似をしない方がいいわ。気は進まないけど、一時的に衛宮君達と組んでみるってのもいいかもしれないわね』
『無駄だと思うけどな。もし衛宮やセイバーと組んでキャスターとアサシンを追い詰めたとしても、絶対に殺すような真似は許さないだろうから、結局サーヴァントとマスターの数は減らないまま、こっちの戦力情報のみが向こうに知られるだけって事にもなりかねない』
どうやったとしても俺と衛宮は相性が悪い。
そんな風に念話を使って相談している間にも、授業は進んでいく。
休み時間には凛や綾子と喋り、そこに蒔寺がちょっかいを掛け、氷室に突っ込みを入れられ、三枝に窘められる。
……うん、氷室が朝言ってた通り、見事なまでに俺の周りは女ばかりだな。
確かにこういう状況だと、他の男達に……中には女からも嫉妬の視線を向けられてもおかしくはないか。
他のクラスメイトから、ハーレム王とか呼ばれている時はどうしようかと思ったけど、客観的に見れば否定出来ない事実なんだよな。
しかも、生きるか死ぬかの儀式が影響しているとしても、実際に凛と綾子は抱いている訳だし。
授業を聞き流しながらそんな風に考えていると、その視線に気が付いたわけではないだうが、凛が俺の方をジト目で見て念話を送ってくる。
『アークエネミー、あんた何か妙な事を考えてない?』
『いや、特に何も。ただ、どうやってこの聖杯戦争を勝ち抜くかを考えていただけだ』
『とてもそんな視線には見えなかったんだけど……』
凛がそう告げた、その時。
ゾクリ、とした何かが背中を走る。
『凛、綾子、何か……やばい!』
念話でそう告げた次の瞬間。俺の視界は真っ赤に染まるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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