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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー

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第三十三話 上村中尉!ディオラマも芸術だ!!その九

「そして日帝衆はです」
「その日本、全世界をですね」
「指導していくんですよね」
「正道を忘れないで」
「武士として」
「そうです、ジャスティスカイザーも倒し」
 卑怯卑劣の限りを尽くす彼等をというのだ。
「そしてです」
「次の段階に進まれるのですね」
「再併合から」
「過ちは正します」
 最初の併合の時のそれをというのだ。
「次の併合ではです」
「今度こそ、ですよね」
「あの半島を完璧に統治して」
「先の失敗を正す」
「そうされますね」
「そうしますので」
 ジャスティスカイザーの二人を成敗して半島再併合に反対する勢力を一掃したうえでというのである。
「勝ってから」
「武運長久を祈ります」
「今度こそ勝利を」 
 少年達は瞬と上村を熱い声で送った、そして。
 二人は姫路城までワープした、一瞬で白く美しいまさにこの世の芸術と言うべき天守閣の前に来た。大阪城と並ぶその名城に。
 するとだ、例の二人が観衆の人達と例によって言い合っていた。
「そこで俺達の鮮やかな勝利見てろ!」
「そしてまた悔しがれ!」
「主役が勝つに決まってるだろ!」
「敵は負けるんだよ!」
「五月蝿い!今度こそ負けろ!」
「それで次回から日帝衆が主役になれ!」
 観衆達はこう二人に言い返していた、見ればそこにいるのは人間達だけではない。
 色々な妖怪達もいる、朱の盆や塗り壁、一反木綿にぬらりひょん、から傘に子泣き爺に砂かけ婆に豆腐小僧とだ。
 色々な妖怪達もいてだ、人間達と一緒に二人に言っていた。
「この日本の恥!」
「武士道を知らないのか!」
「御前等みたいな奴等がいるから日本が変に思われるんだ!」
「日帝衆の人達の邪魔をするな!」
「武士道なんて知るか!」
「そんなの守って負けても意味ないだろ!」
 当然二人は妖怪達に言い返す。
「だからいつも勝てばいいって言ってるだろ!」
「負けて武士道が残って何になるんだ!」
「国破れて山河ありなんて俺達には意味ねえ!」
「勝って金とお姉ちゃんとご馳走と酒だぜ!」
「人間勝ってこそ何でもあるんだよ!」
「勝った奴が強くて強い奴が正義なんだよ!」
 こう力説する、だが。
 二人の頭上に半径一メートルはある巨大な冰が降ってきてだった。
 二人の頭をものの見事に直撃した、妖怪達はその冰を見て言った。
「姫様の天罰だな」
「ああ、間違いないな」
「姫様もお怒りか、この二人に」
「当然のことだな」
 天守閣の方を見ての言葉だ、その姫がいるという。
「ふざけたことばかりしているからだ」
「悪いことばかりしおって」
「反省しろ、反省」
「そして心を入れ替えるがいい」
「誰が反省なんてするかよ」
「心だって入れ替えるかよ」 
 二人は悪びれないまま返す、冰を受けた痛みなぞものともせず。
「俺達はこのまま生きていくんだよ」
「お酒、お姉ちゃん、金、イカサマ、ご馳走でな」
「清く正しく生きて何なるんだ!」
「正々堂々とやって戦って負けて何の意味があるんだ!」
「わかったら黙って俺達の勝利見てろ!」
「そして悔しがれ!」 
 ここでまた冰が落ちて来た、今度は半径一・二メートル程の大きさだ。
 だがその直撃を受けても二人は立ち上がる、そしてこう言うのだった。 
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