ウルトラマンゼロ ~絆と零の使い魔~
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魔人‐ファウスト‐part2/死を運ぶ魔人
「ファウスト…!!?」
なんだ。この…黒いウルトラマンは!!?
サイトはファウストと名乗るこの、黒いウルトラマンに不気味なものを感じる。これまで悪のウルトラマンというものは、サイトが知る限り未確認だ。何せウルトラマンとは光の国からやってきた正義の使者だから当然だろう。かのハンターナイトツルギ=ウルトラマンヒカリも純粋な悪では決してない。地球の人に迷惑をかけたことがあるが、ある事情で間違いを起こしただけの身だ。
『ゼロ、こいつに見覚えは…?』
『知らねえ…こんな不気味なウルトラマンなんか見たことも聞いたこともねえぞ!!』
ゼロもこのファウストと言う脅威に戦慄していた。正直、見たら間違いなく一生忘れないままでいる自信があると思えるくらい、このファウストと言うウルトラマンらしき存在は強烈だった。
「さ、サイト!君はウルトラマンとやらに詳しかったんじゃないのか!?なんだこいつは!?」
ギーシュが酷く驚き、焦った様子でサイトに詰め寄る。モンモランシーも思わぬ襲撃者の変貌に、腰を抜かしていた。
「サイト…!!」
ルイズがかなり不安がってサイトにしがみつく。今まで以上にかなり強く握っている。
「大丈夫だ。俺が守ってやる」
彼女の頭を撫でながら、サイトは彼女に強く誓った。
「ちっ!」
シュウは軽く下打ちした。今はこいつに構ってる暇はないし、他の連中の身の安全も考えなくては。なんとか彼らを逃がしてから…。
「逃げても無駄だ。なぜなら私は、お前の影なのだからね」
シュウの心を先読みするかのように言い当てたファウストが、一歩シュウの前に歩いて言った。
「貴様が、俺の影だと?」
目を細めるシュウに、ファウストは暗くて低い、しかし女性と男性の声が入り混じった声で続ける。
(なんだ?こいつは何を言っているんだ?)
サイトは目を細めながら、ファウストの言葉に耳を傾けた。どうも、あの男の方が狙いのように見えるが、変に含みのある言い回しのせいではっきりとした目的が見えてこない。
「お前が光を手にしたことでお前の心の闇が浮き彫りになって形を成したもの、それが私なのさ」
強い光は、同時に強い影を生む。その法則は何となくシュウにも理解できた。目を閉じて、彼は自分の記憶を辿る。どれもこれも、色濃く残っているのは、
…思い出したくもない真っ黒な闇の立ち込めた記憶ばかりだった。
「確かに俺の心には、拭いされない影がある。だが、お前が俺の影であろうとなかろうと…」
そう言って彼は懐からエボルトラスターを取り出した。
「お前が俺の敵なら、倒すだけだ」
ついにエボルトラスターを引き抜き、彼は強い意思を持ってその声を轟かせた。
「え?お、おい!!」
突然の強敵としか思えない存在の出現に頭に血でも上ったのか?サイトは思わずシュウを引き留めようと声を上げる。ギーシュたちが目の前にいるのに、お構いなしか!?サイトの声に耳を貸さず、シュウは天に向けてエボルトラスターを掲げた瞬間、彼は赤い光に身を包み、等身大の銀色のウルトラマン・アンファンスに変身した。
「え、ええええええええええ!!!?」
「こ、これは一体どういう…」
案の定、モンモランシーとギーシュは頭が割れてしまうほど驚愕した。さっきまで同じ人間の姿だったのに、瞬時に異形の姿…それもウルトラマンになったのだから。瞬時に、アンファンスはジュネッスブラッドへスタイルチェンジする。
(変わった…?メビウスと同じ能力なのか!?)
サイトが生で始めた見たウルトラマン…メビウスも時折形態を変えて戦う特異体質を持つウルトラマンだったから、思わずメビウスと今シュウが変身したウルトラマンを重ねた。
「シュ!」
ウルトラマンは、右拳に貯めた光〈フェーズシフトウェーブ〉を天に放出、光のドームを作り出した。
しかし、ファウストは決して動じることはなかった。最初からこうなることを予測していたように。すると、ファウストは湖の方へ視線を泳がせると、その湖の中に向けて黒く波動を放射すると、湖はどす黒い霧に覆われた。そして、湖から激しい水飛沫が沸き起こる。湖に潜んでいた、巨大な影が雄叫びをあげながらその姿を見せた。
「ギィイイイイイ!!ギィイイイ!!」
「『宇宙怪獣ベムラー』!」
その名をサイトが叫んだ。
かつて初代ウルトラマンが地球に初めて訪れたときに戦った、宇宙の平和を乱す悪魔のごとき怪獣がその姿を現した。
「怪獣だ!!」
声を上げるギーシュ。恐らくあれが、水の精霊が封じていたと言う怪物に違いない。あの黒いウルトラマンが復活させたと言うのか?すると、ベムラーはファウストに操られたためか、青い球体に姿を変えてファウストに近づく。
「まずい!」
きっとあのファウストと言う黒いウルトラマンはベムラーと二体一で彼に挑む気だ。これでは二体一になってしまう!サイトはギーシュとモンモランシーに近づき、自分にしがみつくルイズを引きはがして彼らに託す。
「ルイズを頼む!」
「サイト!?待って!置いてかないで!!」
「ま、待ちなさいルイズ!!」
まるで、欲しいものを買ってもらえるまで玩具コーナーに立ち止まって駄々をこねた結果親に置いて行くぞと言われ置いて行くなと泣きだす子供のように、ルイズはサイトを追いかけようとしたが、危険と判断したモンモランシーが彼女を引き留めた。
「放してよモンモランシー!!サイトのことが大好きなの!だから片時も離れたくないの!!」
「わかったわかったから!!でも、サイトも無鉄砲だけど今の甘えるだけのあなたじゃさらに邪魔になるだけじゃない!!大人しくしてってば!!」
それでもうるちゃいうるちゃいと喚くルイズだが、すでにサイトは、シュウの変身したウルトラマン・ジュネッスブラッドが形成した光のドーム内に入り込んでいた。やがて光のドームはウルトラマンとファウスト、青い球体のベムラー、そしてサイトを包み込んで消滅したのだった。
「さ、サイト…サイト!?」
サイトの姿が影も形もなくなったことに、ルイズたちは驚く。
「あの銀色のウルトラマン…一体何をしたんだ?」
ギーシュは辺りを見渡してみたが、サイトたちの姿はどこにも見当たらなかった。
「わからないわ…でも…」
「う、うええええええん!!!サイトーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
べたぼれの対象であるサイトをロストしたせいで、ルイズはその場に座り込んで、子供と言うよりも、幼児と言う言い方が相応しいくらいに座り込んで泣き叫んでいた。
「ショックのあまり幼児退行してるルイズをどうにかした方がいいのは確かね…」
モンモランシーはサイトを探すより先に、この子をどうやって落ち着かせるかについて頭を悩ませた。ルイズは一度啖呵を切るとなかなか収まる気配を見せなくなるものだから、それが泣いた場合でも同様かと思うと気が滅入ってしまう。
「こんな問題児を置いて行って、彼は何を考えているのよ…」
今の状態のルイズを一番うまくあやすことができるのはサイトただ一人。だから早く姿を見せてほしいと、いろんな意味でサイトの無事を祈るモンモランシーだった。
「………………!!」
光のドームの中へ侵入したと同時に、サイトはゼロと意思を合わせ、テクターギア・ゼロへと変身を完了させた。現在の彼は、ラグドリアン湖の湖畔ではなく、水面がところどころ存在している赤い地面の荒野の真ん中に立たされていた。
「ここは…いったいどこだ…?」
メタ・フィールドのことなんて梅雨も知らないゼロはその場に突っ立っていた。ふと、シュウの変身したウルトラマン・ジュネッスブラッドの姿を確認した。この空間の発動者である彼も当然ながらこの世界にいた。
「なあ、ここは一体…」
「…!避けろ!」
どんな場所なのかを尋ねようとした時だった。ジュネッスブラッドはとっさに頭上を見上げると、ゼロを急に押し出した。押し出されたゼロと押した反動で後方に飛び退いたジュネッスブラッドが立っていた場所に、一発の紫色の光弾が落下した。それから次々と、二人を狙って空から光弾が何発も降り注いできた。バックステップ・バック転などを駆使しながら二人は空から雨の如く降り注ぐ光弾を避けていく。
「UURYAAAAAAA!!!」
「グワ!!」
だが、最後の一発をジュネッスブラッドが避けて宙に一時浮いた途端、突如ファウストが飛来、ジュネッスブラッドの首根っこを右手で掴み、そのまま地面に激突、押さえつけた。
一体どこに隠れていたというのか。自分の独壇場のはずなのに、まるで忍者のように隠れてから突如出現し、そして攻撃してくるとは。ジュネッスブラッドは地面に首根っこを掴まれた状態のまま押さえつけられていた。
「『ここ(メタ・フィールド)』なら勝てると思っていたか!?」
ジュネッスブラッドを無理やり立たせると、ファウストはジュネッスブラッドを乱暴に立たせ、その腹に手刀を叩き込み、もう一度首根っこを掴んで彼を投げ飛ばした。地面に背中を打ち付ける形で地面に倒されたジュネッスブラッドはその場で膝を着くも、すぐに立ち上がる。
『まずい!ゼロ、早く!』
あのファウストかいう黒い巨人、間違いなく只者ではない。伊達に黒い訳ではないようだ。シュウの変身したウルトラマンでも負ける可能性が見えなくもない。危機感を覚えたサイトはゼロの中で叫ぶ。
「ちっ、しょーがねーな!行くぜ!」
ゼロとしても、サイトとしてもあのウルトラマンから話を聞いておきたいと思うところがある。助けに向かおうと走り出したが、ここでゼロは走るには距離が離されていたことに気づく。避けているうちに二人の距離は気づいたときにはかなりの長距離にまで突き放されていたのだ。これではすぐに救援に向かうにしても少し間が出てしまう。
そう言えば、さっきファウストが回収したベムラーの姿がない。使役したはずの奴を一体どこに隠したのか?とその時だった。
「ギィイイイ!!」「ウワ!?」
上空から青白い光線がゼロに襲い掛かり、テクターギアの表面に着弾して火花を起こした。彼が怯んだところで、上空から飛来した青い球体が、再びベムラーの姿に変化する。
「ち…ベムラーを使ったのは、二体一二であいつを倒すためじゃなくて、俺が来るのを見計らっていたために、一対一に持ち込むためだったのか…」
ファウストがベムラーを従えていた理由を見切ったゼロ。ベムラーはゼロに向かって突進すると、ゼロは自分もベムラーを押しのけようとベムラーの体を正面から押し出す。一見、押し出し合いは五分に見えたのだが、ゼロの方が押され始めていた。
『くっそ、やっぱテクターギアのせいであまり力が…!!』
常に装備されているテクターギアのせいか、ゼロは思ったほどの力でベムラーに対することができなかったようだ。心の中で悪態をついていると、ベムラーはゼロを地面に張り倒し、上からのしかかってきた。このままでは…押しつぶされてしまう!!
「ヌウウアアアア!!」「ジェアアアアアア!!」
一方でファウストとジュネッスブラッドは互いに空中へ飛び上がると、相手に向かってキックを放つ。二人の蹴りはほぼ同時のタイミングで放たれたこともあって、相手にヒットすることなく、ただ互いの足をぶつけた程度に終わる。
地上へ降り立つジュネッスブラッドは同時に降りてきたファウストに接近し、ハイキックを放つ。ファウストはとっさに振り向いてそれを防ぎ、次々と撃ちこまれるジュネッスブラッドのパンチの連撃をしなやかに受け流した後、ジュネッスブラッドの首根っこを捕まえ締め上げる。ファウストは一度ジュネッスブラッドから手を放すと、腹に一撃手刀を加えてから彼を投げ飛ばす。宙を舞いあがったジュネッスブラッドは着地に成功したが、すかさずファウストが回し蹴りを放って彼を吹っ飛ばした。
ファウストは地に激突するジュネッスブラッドに向けて紫色の闇の光弾〈ダークフェザー〉を発射するが、ジュネッスブラッドは両手を前に突き出して〈サークルシールド〉を展開、ファウストの光弾をかわした…と思うのもつかの間、ファウストは防ぐだけで手いっぱいのジュネッスブラッドに向けてさらにダークフェザーを連射してきた。一発二発程度ならまだしも、こうも連続で撃ちこまれると限界が来る。
「しぶといな。ならばこれでどうだ!」
ファウストは手の中に一発の光球を作り出すと、それをはるか上空に打ち上げる。すると、その光球は上空で分裂し、頭上からジュネッスブラッドに襲い掛かってきた。ファウストの、ただウルトラマンを倒すためだけに用意された必殺の光線技〈ダーククラスター〉である。
「グワアアアアアアア!!…ッグ!!」
ピコン、ピコン、ピコン、ピコン…。
強烈なダメージ受け、膝を着くジュネッスブラッドの胸のカラータイマー『コアゲージ』が赤く点滅を開始した。そろそろ限界が、彼の身に近づきつつあったのである。もしあの輝きが消滅してしまったら、ウルトラマンは二度と立ち上がれなくなってしまうのだ。
「フフフ…」
余裕ありげな笑みを浮かべながら一歩ずつ近づいて行くファウストはジュネッスブラッドの前に立ち、右手で彼の首を掴み、持ち上げる。ものすごい力で締め上げてくるため、息苦しくなったジュネッスブラッドはファウストを引き離そうとしたものの、ダメージで力が弱まったせいか、手に力が入りにくい。
「このフィールド内はいわばお前のための舞台。だが、このザマはなんだ?正直期待外れだね…」
「グ…ウァ…!!」
「この程度の力しかないというのならば、このまま私の闇の力に屈し、消えてしまえ…」
ファウストは、ジュネッスブラッドを絞め殺そうと、彼を持ち上げている腕に力を込めていった。
「!」
このままだとあいつがやられてしまう。早くこいつを退けないと。とベムラーをすぐにでも退かそうにも、ベムラーは思った以上に体が重く、
ベムラーのこの重い体に耐え兼ね、ゼロは押しのけようと手を突出しベムラーを押し出すが、対するベムラーも食って掛かろうと牙をむき出し、手を伸ばしてゼロを取り押さえる。このままでは自分たちも危ない。ゼロは足に炎を発火させ、自分がテクターギアを装備している身でただ一つ使える必殺の蹴り〈ウルトラゼロキック〉でベムラーを蹴り上げた。
「デアアアア!!!」
強烈な一撃を食らって地を転がるベムラー。ゼロはその間に飛び跳ね起きで立ち上がり、ベムラーといったん距離を置く。ベムラーも立ち上がったが、ゼロにウルトラゼロキックで蹴られた箇所を押さえながらもだえ苦しんでいる。ゼロはそこを、タックルで狙って攻撃、より一層必殺の蹴りで受けた傷の痛みをえぐらせる。続いてベムラーの尾を掴んで引っ張ると、ベムラーは殺気の仕返しと言わんばかりにゼロの胸に口から光線を鼻ってゼロを吹っ飛ばす。
『痛ってて…この野郎…!!』
立ち上がって鼻の頭を拭うゼロは、鎧で重みある体をなんとか飛び立たせてベムラーの背後に回り込り、ベムラーを持ち上げ、遥か空中へ飛ぶ。何百メートルまで持ち上げたところで、彼は地面に一気に勢いよく投げつけると、ベムラーは急速に地面へと落下した。
流石にベムラーも、かなりの高度から身動きできず地面に叩きつけられてはたまらなかったようだ。ならば、もう一撃食らわせて止めを刺してやる。
ゼロは再び足に…それも両方の足に炎を滾らせると、ベムラーに向かって急降下した。
〈ウルトラゼロキック!〉
「ドオオリャアアアアアアアアアアアア!!!!」
ベムラーも最期の悪あがきか、それとも一発逆転を狙ってか熱線を吐いてゼロを打ち落とそうとしたが、自慢の熱線もゼロの炎を纏った足に着弾した途端二方向に別れて弾かれてしまっている。それでも熱線を吐き続けたのだが、ゼロの渾身の蹴り技がついにベムラーの体にヒット、ベムラーは大きく吹っ飛び、爆散した。
「あいつは!?」
ベムラーに勝ったのはいいが、まだ憂いは残っている。ゼロは、自分と同じウルトラマン…ジュネッスブラッドとファウストが今どうしているのか確認しようと、彼らの方に視線を向けた。
―――俺は、ここで負けるのか?ここで…死ぬのか…?
ファウスト、TLTにいた頃噂では聞いていた黒い巨人。聞いたときには、とっくに倒されたはずの存在となっていた。なぜこいつが異世界に存在し、そして自分に戦いを挑んできたのかはわからない。それでも倒さなくてはならないのは確かなこと。
でも、自分は、まだ何も成し得ていない。この光が、どうして俺の身に宿ったのか、その意味をまだ欠片も理解していない。見つけることも、何もなすことができないまま、こいつの闇に飲み込まれてしまうのか…?
孤門、尾白、瑞生……憐……。
しかし、この時彼の脳裏に誰かの…少女の声が囁いてきた。
――――シュウ…
彼の胸に埋め込まれたY字型の宝珠『エナジーコア』の上から、ティファニアのコントラクトサーヴァントによって刻まれた使い魔のルーンが浮かび上がり、熱い闘気を表すかのように真っ赤に染まった光を輝かせた。
「!!」
ジュネッスブラッドは声を聴いて我に返り、自分の首根っこを掴むファウストの右腕を払い、今度は自分がその腕を掴んで、柔道選手も驚くほど勢いよくファウストを背負い投げた。
「ディアアアアアアアアアア!!!」
「グゥウオオオオ!!!?」
投げつけられたファウストは背中を打ち付ける。
…よし!
構えなおしたジュネッスブラッドは、ファウストに掴みかかった。対するファウストも同様に掴みかかる。ファウストがジュネッスブラッドの腕を払うと、彼の頭を狙って上段回し蹴りを仕掛けるが、ジュネッスブラッドはとっさに頭を伏せ、お返しにファウストの胸に蹴りを撃ちこむ。一度距離が空くと、ファウストはジュネッスブラッドに向けて拳を繰り出す。ジュネッスブラッドはその腕を受け流して逆にファウストの腕を捕まえると、ファウストの脇腹に膝蹴りし、腕の籠手の様なアームガードから生えた刃『エルボーカッター』でファウストの顔を切りつける。怯んだところでもう一撃…これまでにないほどの強烈なキックをお見舞いしてファウストを彼方へ吹っ飛ばした。
「オリャアアアアア!!!」「ゴオオオオアアアア!!」
遠く離れた場所へ落下したファウスト。
ベムラーにちょうど勝利したゼロはその戦いの行方を、見守った。手を出すことはできなかった。ファウストがよろよろと立った時には、すでにジュネッスブラッドは両腕に稲妻状のエネルギーをスパークさせていた。そして、L字型に両腕を構えると、豪烈な威力を誇る必殺光線を発射した。
〈オーバーレイ・シュトローム!!〉
「ヘア!!」
ファウストはとっさに、ジュネッスブラッドが使ったサークルシールドと同じ効果を持つ闇の盾〈ダークシールド〉を展開、光線を防ぐ。だが光線が撃ち終わったと同時にエネルギーが暴発し、闇の盾はかき消されたことでファウストはその衝撃で後方へ吹っ飛ぶ。
「グファ…!!」
ピコン、ピコン…。
倒れたファウストの黒く染まっていた胸のコアゲージが、ジュネッスブラッドと同様赤く点滅を始めていた。もうエネルギーが、彼女も残されていなかっただろう。この戦いはどちらもこれ以上戦うことはできなかった。
「おい、大丈夫か!?」
ゼロが、さすがに体力を切らしたジュネッスブラッドの下に駆け付け、彼の肩に触れる。今度はサイトの意思と言葉で、ゼロはジュネッスブラッドに謝った。
「悪い、俺がもっと早くこっちに来れば…」
「気にするな…」
しかし、深いダメージをエネルギー不足で既にバテバテにも拘らず、ファウストは満足げに、そして不気味に笑い声をあげていた。二人は、警戒してファウストを見る。
「今日はあくまで…君たちの力を試しに来ただけ…でも…それでこそ戦う意味があるよ………また、楽しませてくれよ…?」
ファウストは最後までくっくっと笑ったまま、己の体を紫色に鈍く光ると、その姿を空間に溶かすように姿を消した。
(最後まで不気味な奴だな…)
ゼロは本人の意思でそう呟いて、元のサイトの姿に戻って行った。ジュネッスブラッドも、これ以上この姿でいることも苦痛に感じ、変身を解くと同時にメタ・フィールドも解除した。
元の姿に戻り、元のラグドリアン湖の湖畔に戻ってきたサイトは、自分の無事に気付いたルイズに飛びつかれた。
「サイトのバカバカバカああああああ!!心配したんだからあああああ!!」
「うわああ!!ちょ、悪かったって!!だからそんなに泣きながら叩くなよ!!」
サイトは上から飛びついてきたルイズの涙目+往復ビンタを受けてしまう。結局体に残るダメージ関係については、ルイズの理不尽なお怒りによるお仕置きを受けてる時の日常となんら変わらない。
「いやいや、さすがサイトだ!僕を超えただけのことはある!ウルトラマンの戦いに自ら身を投じてなお生き残ってくるとは!」
ギーシュもどうやらサイトの無事を喜んでくれたらしい。言い回しがどうも納得できないところが一部だけあるが。
「全く、呆れるわね。あんな危ない戦いに飛び込んでいくなんて…」
ルイズやギーシュ同様、サイトの正体を知らないモンモランシーとしてはさっきのサイトの行動には呆れたようだ。一見ただの意味のない特攻にしか見えなかったのだから当然と言えば当然かもしれない。ふと、ギーシュがさっき遭遇した二体のウルトラマンたちのことを思い出す。
「しかし、さっきのあの銀色のウルトラマンと黒いウルトラマンは何者だったんだ?前者は人間が姿を変えた上に、後者はファウストとか名乗っていたが…サイトは知らないのかい?」
「悪い…あのファウストって奴も、あの銀色のウルトラマンのこともよくわからない」
あの男が変身した方のウルトラマンは少なくとも敵じゃないことは、だんだんわかってきてはいる。けど、あのファウストとかいう黒いウルトラマンが、自分たちの敵であることは明らかにわかりきっていた。それでもサイトとゼロは戸惑いを覚えていた。まるで根本から悪意の塊しか抱いていないような…それもこれまで地球に現れていた、侵略者が作った・または化けたような偽のウルトラマンなんかじゃない、本物の『悪のウルトラマン』に。
「しっかし、あの黒い…ファウストって奴ぁとんでもねえ強さだったな。下手すりゃあの銀色のデカブツの方、やられるかもしれなかったぜ?」
デルフも、サイトたちを通して戦いを見ていたためか、かなりハラハラしていた様子だった。
「それよかよ、俺っちたちの目的をやっとうこうぜ。巻き髪の娘っ子」
デルフの一言で、思わず当初の目的を忘れかけていたことに気が付く三人。そうだ、色々と気になることが山積みだが、ルイズを元に戻すために水の精霊から精霊の涙をもらわなければならない。
「貴族に対して不遜なインテリジェンス・ソードね。サイト、いつかちゃんと矯正してやって頂戴」
「保証はしかねるぞ?こいつ多分直す気ないから」
デルフの喋り方にため息を漏らすモンモランシーだが、サイトは首を横に振った。と、彼はふと思ったことについて首を傾げだした。
「そういえば、精霊の涙っていうには、悲しい話とか聞かせたらいいのか?」
「馬鹿ね、涙っていうのは通称。正確には水の精霊の体の一部を分けてもらうのよ」
すると、ラグドリアン湖の水面が勢いよく吹き上がった。
「来たわ!」
モンモランシーが目つきを変えて叫ぶ。これが水の精霊って奴か…サイトとギーシュ、そしてサイトの服の裾を掴んで後ろに隠れるルイズは、モンモランシーが水の精霊に呼びかけるのを見届ける。
「私は旧き盟約の一員の家系、モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。カエルに着けた血を覚えてるかしら?もしわかるなら、私たちにわかるやり方で、返事をしてちょうだい!」
「おお、思い出したぜ。そっかそっか、あん時の精霊か…」
背中に背負ってたデルフが鞘から飛び出して言った。面識があると言うのか。水しぶきは、だんだん裸体のモンモランシーのシルエットを映し出したような形となり、彼らに言葉を発した。
『覚えてる、単なる者よ。貴様の体に流れる血を我は覚えている。貴様に最後に会ってから、月が五十二回交差した』
「よかった。お願い、あなたの体の一部を分けて欲しいの」
ここからが本番だ。水の精霊はプライドが高い。こちらの頼みを聞くにはまず、機嫌を決して損ねないようにしなければ。以前モンモランシーの父は水の精霊を瓶に運んで自宅に招いたとき、濡れるから床の上を歩くなと、水の精霊と盟約をかわした家系にあるまじき発言をしたことがあったせいで干拓に失敗したから、気をつけなくてはならない。
『いいだろう』
「いいの!?」
意外に気前のいい返事をすぐにくれたことにモンモランシーは目を丸くする。
『そこにいる光の力を持つ者たちが、不届きにも我から秘宝を奪った者が残した獣を排除してくれた。その礼に報いたい』
そこにいる…?サイトたちはふと横を見ると、そこには木に背中を預けたシュウがいた。さっきのファウストとの戦いでひどく傷ついているようだ。
「君はさっきウルトラマンに変身した…!」
「あなた、大丈夫なの!?」
ギーシュとモンモランシーがシュウを見て驚く。水の精霊が礼をするなんて滅多にない。これは水の精霊との盟約をかわした家系の者としてシュウに感謝しなくてはならない。
「ありがとう。あなたのおかげで水の精霊が救われたわ」
「…すべきことをしただけだ」
シュウは目を合わせず、ただそう言った。
(なーんかスカした印象だな…ギーシュよりはマシだし、なんだかんだで助けてくれたけどさ)
そんな彼の態度を見て、サイトはポツリと心の中で呟く。
『受け取るがいい。これが貴様らへの礼だ』
水の精霊はその身を震わせると、その体から水滴が一つ飛び出す。モンモランシーは持ってきていた空の瓶にそれを入れた。ついに精霊の涙を手に入れたのである。
「そう言えば、水の精霊。秘宝を盗んだとか言ってたけど…いったいどういうことなんだ?」
『我が生を受けたその日から共に日を過ごしてきた秘宝を盗んだ者たちがいたのだ。奴らは我から秘宝を盗んだだけでなく、我を廃しようと邪悪な獣を残したのだ。我には手を付けられぬ怪物だった故、獣を外部に逃げぬように封じるのに手いっぱいで秘宝を取り戻すために世界中を水で浸すこともできなかった。我の手は水の存在せぬ場所には届かぬ』
水の精霊は水の世界でしか存在できない。なるほど、とサイトは納得する。しかし、盗まれた大事なものを取り戻すために世界中を水浸しにしなければならないなんて気が遠くなる話だな…。
(ベムラーを封じるためと秘宝を取り戻すために、こいつは水かさを増やしていたってことか)
ゼロはサイトの耳を通して話を聞き、納得していた。
「水の精霊から秘宝を盗むなんて…確か、『アンドバリの指輪』ね」
「アンドバリの指輪?それは一体何だい?モンモランシー」
「水系統のマジックアイテムよ、それも伝説級のね。巷のマジックアイテムじゃ価値は天と地ほどの差もあるわ。確か偽りの命を死者に与えることも可能と聞いたことがあるの。
それを盗んだは誰?」
死んだ人間に偽りの命?サイトはふと、地球にいた頃にプレイしたことのあるホラーゲームを思い出す。なんか倫理的によろしくない上にえげつないアイテムがあるんだな、と思った。
『一人はこう名乗っていた…「クロムウェル」。それしか聞けなかった』
クロムウェル、その名前を聞いても彼らにはピンとこなかった。あまり名前の知られていない人物らしい。
「参ったわね」
モンモランシーが頭を悩ませるとギーシュがなぜ?と首を傾げてきた。
「どうしてだい?」
「もし私たちがこのまま帰っても、水の精霊は指輪を取り戻すために世界中に水害を及ぼしてしまうわ。そうなったら被害はこの湖に沈んだ村だけじゃ済まされないわね」
『だが、そこの黒髪の少年ならば我の頼みを聞いてくれるやもしれぬ』
「え!?」
ギーシュとモンモランシーが目を丸くして、サイトに一斉に注目した。
「お、俺…?」
サイトも、まさか急に指名を受けるとは思わず、自分を指さした。
『貴様は現代のガンダールヴ、そしてその背中の剣はガンダールヴの剣「デルフリンガー」なのだろう?』
「ガンダールヴ?」
その単語にモンモランシーたちは何のことかわからず首を傾げた。ガンダールヴ、確かオスマン学院長が俺に教えてくれた…この世界で神様と謳われているブリミルって人の使い魔だったという奴だ。
「おう、久しぶりってとこだな。水の精霊!」
デルフが鞘から顔を出して再会を喜ぶ挨拶をした。
『遥か昔、ガンダールヴは我との約束を守ってくれた。ガンダールヴは我にとって信ずるに値する単なる者。デルフリンガーは、かの者が持っていた意思剣のことだ。
ガンダールヴよ、もし我の秘宝を取り戻してくれるのならば、この湖を引くことを約束しよう』
通りで、デルフが懐かしがっていたわけだ。随分大昔に知り合っていたとは、一体何歳なのだろうかとサイトは不意に思ったが、今はそんなことを気にする場合ではない。
「わかった。でも、期間はいつまでなんだ?」
『お前たちの命の限りあるまでならいつまででも構わない』
『おいおいサイト、お前こいつの頼みを聞くのか?もしかして人間より長生きな俺に任せるなんてことは言わないよな?』
あまりにも乗り気なサイトに、ゼロがふとサイトに声をかける。手がかりがほとんど皆無に等しい秘宝を探せと言っているのだ。一生かけても見つかる可能性など限りなく無いと言ってもいいものをどうやって探すつもりなのだ?ゼロはもしや人間より長く生きられる自分に頼む気じゃないのかと疑ってサイトに尋ねる。
『い、いやそういうわけじゃ…でも水の精霊だって困っているみたいだしさ…』
『言っとくけどな、これはお前の問題だ。俺は手を貸さないぜ?』
『ケチ』
『ああん!!!?』
ケチンボ扱いされて怒るゼロを無視し、サイトは仕方ないと水の精霊に言った。
「俺が探すよ。必ず見つけてみせる。だから、湖を元に戻してやってくれ」
『わかった』
最後にそう告げ、水の精霊は形を崩して水の中へと戻って行った。
「これでひとまず解決ね。すっかり遅くなったし、学院に帰りましょう」
「そうだね。明日は姫殿下がご来訪なさる記念すべき日だ。一刻も早く戻るとしよう」
んーっと背中を伸ばすモンモランシーと、彼女の隣を歩くギーシュはすっかり疲れたため、すぐにでも帰ろうしたが、サイトはと彼にくっついたままのルイズはまだ残っていたため、一度足を止める。サイトが立ち留まっていたのは、同じようにこの場にいたシュウから話を聞いてみたかったためである。
「なあ、おめえさん……」
サイトがシュウに質問しようとしたところで、デルフがシュウに尋ねてきた。なぜか、その声はいつもの軽薄な感じが微塵もなく、不安を感じさせられる。
「胸にルーンが、刻まれてんのか?」
「そういえば、あの時光ってたお前のルーンって俺のルーンとも形がすごく似ていたな。もしかして…」
確かに、メタ・フィールドでの、ウルトラマンとしてファウストと交戦していた際、エナジーコアの上に、サイトのガンダールヴのルーンとよく似たルーンが光っていた。
サイトの持つガンダールヴとは対照的な赤い輝きのルーン。こいつも、誰かの使い魔として召喚されたというのか?そう考えたら、彼が地球人でありながらこの世界にいる理由にも納得がいく。
「………そろそろ戻らせてもらう」
テファの存在を世に知らせるきっかけになるような話をするわけにはいかない。何せ彼女はエルフの血を引くハーフエルフだ。このサイトとかいう奴はとにかく他の、こいつと同行してきた貴族連中が見逃してくれるとは思い難い。だからシュウは何も答えようとしなかった。そのままサイトたちから目を反らし、反対側へ歩き出した。
「待ってくれよ。名前くらい!!」
名前を教えてほしいと言ったサイトに、シュウは立ち止まって背を向けたまま答えた。
「…黒崎修だ。よく『シュウ』と呼ばれている。以上」
以上って、それだけ!?言うことそれだけ!?
「まだ待てって!お前のウルトラマンとしての名前をまだ聞いてないぞ!」
「ウルトラマンとしての…名前?」
シュウはサイトの方をようやく振り向いたが、バッサリ一言こう答えた。
「そんなものないな」
「ないの!?」
これは意外だった。ウルトラマンに名前が付くのは今となっては結構な常識になりつつあったのだが。もっとも、初代ウルトラマンも他のウルトラ戦士と違い個別の名前を聞かないし、あまり勝手に名づけるのも本人に対して申し訳ないから未だに種族名の『ウルトラマン』としか呼ばれていないのだが。実際、シュウが変身したウルトラマンは、M78世界で言うウルトラマンたち固有の名前を持っていない。
「はっは!ならば感謝の気持ちを込め、このギーシュ・ド・グラモンの名前を君のウルトラマンとしての名前に」
「「却下!!」」
すると、空気を読まずギーシュが自分が名付け親になろうと名乗り出たが、サイトとモンモランシーから断固として拒否された。
「お前なんかの名前を冠にしたらあいつ二度と他人のために戦ってくれないだろうが」
「そ、…そこまで言う……」
ショックを受けたギーシュは、サイトたちの後ろでどんよりと体育座りをし始める。だが彼以外はいじけるギーシュを完全に無視した。
「もういい、俺が名付けてやる。この先どう呼べばいいのか困るだろうし」
「おい、俺を置いて話を進めるな」
いきなり名前を付けられることに戸惑うシュウだが、サイトは腕を組んで思考を巡らせる。変な名前を付けられる前に、彼に相応しい名前を考えてやらなくては。少し間を置くと、サイトは「決めた!」と声を上げた。
「お前のウルトラマンとしての名前は…『ウルトラマンネクサス』!」
「ウルトラマン…『ネクサス』…?」
「ネクサスっていうのは、英語で『絆』って意味だ。いやー地球で学校に通ってた時、偶然授業で使ってた英和辞典でちらっと見たくらいだけど、ウルトラマンの名前としちゃ悪くないだろ?」
にこやかに言うサイトだが、シュウは表情一つ変えなかったが、どこか影のある物言いでサイトに言った。
「…俺に『絆』なんか似合わんな…」
何か意味深が言葉をつぶやくシュウ。なぜか、表情に重いものを感じる。いや、もう一つ忘れていることがあった。
「ああそうそう!俺の名前はサイト!平賀才人だ!覚えてくれ!」
「………」
再び背を向け、シュウは懐から取り出したブラストショットを天に向けて撃った。すると遥か彼方の上空から、不思議な石像が飛来し彼の前に浮遊した。
(なんだこれ…!?)
サイトたちは、シュウが呼び出したこの謎の石像に対して驚くばかりだった。一体この石像は…?
シュウはその石像に近づくと、白い光に包まれその石像の中に吸い込まれた。石像はシュウを吸い込むと、彼の変身したウルトラマンと非常によく似た模様をその表面に刻み込み、一機の鮮やかな飛行機のような姿になる。サイトは、思わずその石像『ストーンフリューゲル』に近づく。
「サイト!」
危ないぞ!とギーシュが声を上げたが、サイトは不思議なものに導かれるようにストーンフリューゲルに触れた。触れた途端、彼の腕に稲妻が走った。
「っぐあああ!!!?」
瞬時に、彼の頭の中にあらゆる映像が流れ込む。
暗闇の道をただ一人歩く少年。
森の中で起こった生と死しかない世界で奔走する少年。
銃撃と爆風によって死んでいく人々。
彼に対して暖かな笑顔を向ける、可憐な少女の姿。
その少女を抱きしめながら悲しみの海に沈んでいく青年。
そして、最後に見えたのは…奇妙な様式の『遺跡』。
「はあ、はあ…」
「大丈夫、サイト?」
汗ばみながらその場に尻もちをつくサイトを心配して、未だ惚れ薬の効果が切れていないルイズは声をかける。
「大丈夫だ…悪い、心配かけて」
サイトたちが見守る中、ストーンフリューゲルは空に浮かぶと、遥か彼方の夜の空へと消えていった。サイトたちは、ストーンフリューゲルが飛び去って行った空をただ見つめていた。
俺はこの日、偽物なんかじゃない…本物でありながらその本質が悪と断定できるウルトラマンが存在していたことを初めて知ることになった。同時にあいつらの存在が、ウルトラマンの存在と正義を否定し穢しているかのようで、許せないと言う気持ちを強く抱いた。
そして、俺と同じウルトラマンとなる青年、シュウと初めて会話を交わした。
彼のことはこのときよく知らなかったが、あの石像に触れたときに見えた映像を見たとき、すごく重い何かを感じた。
けど俺は、彼が頼れる味方になってくれるはずだ信じた。そうでなければ、俺たちを助けてくれるはずがない。そう思ったから。
…でも、ファウスト。あの黒い巨人は一体…?
------BYサイト
後書き
今回サイトにはネクサスの名付け親になってもらいました。原作では単に『ウルトラマン』とだけ呼称されていたので、それに因んでます。一応孤門も最終回で「ネクサス」と呼んでましたが、あれはカウントしていません。孤門が一人で勝手にウルトラマンを「ネクサス」と呼んでもきっとすぐにはなじまないでしょうから。
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