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かつてこの世界は私が支配していた

作者:まるばつ
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前書き
この世界は私が支配していた 

 
「この世界は私が支配している」
というより、
私はこの世界を創り出した。
恐竜や原人はなどはバカで退屈だった。一度リセットしたかったから、奴らを絶滅させ、またさらに高い知能持った人類を誕生させた。知能を持つ生き物がいかに面白いか、人間は証明してくれた。

人は争う。
価値という概念を作り出し、争う。
人が争うように私はプログラムした。人は死ななければ、また新たな命は生まれない。そのようにプログラムした。そのために価値あるものを作り出し、人にそれを理解するよう作り出した。

見事に人は争う。

だが、平和を望む者が現れた。
いまではその数の方が多いかもしれない。これは私はプログラムしていない。人が自らの知能を発達させた結果だ。実に面白い。

それなのに争いは絶えず、人は死ぬ。なぜなら私がそのようにプログラムしたからだ。

人は愛を持つ、そして男女が営み新たな命が生まれる。その瞬間誰かが死ぬ。実に素晴らしいシステムだ。何かが消える代わりに何かが生まれる。実際のところこれは言い訳に過ぎない。それは容量がないからだ。

スマートフォンで写真を撮ろうとして、容量がなかったら写真を消す。

人が生まれる時、また、何か大きな事を起こす時、私は人間を消す。テロ、事故あらゆる手段を用いて。

スマートフォンの容量と全く同じだ。写真を消してもダメなら大きな容量を消す。あまり聞かない曲や、見ない動画。
あまり必要のない人間を消すように。

このように私は、容量をうまく使いながら世界をコントロールして、人間という知能を持つ生き物を観察している。

だが、しかし

人類を観察するだけの日々に飽きた私は、自ら人類になって、人類がどのようなことを考え、感じているのか、確かめようと思った。

私は明日から、日本という国の、九州という場所で、生活することを決めた。


そしていま私は熊本という土地の、田舎な場所の一人の小学6年生、渡辺青という少年になった。

 
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