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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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停止教室のヴァンパイア
  もう一人の『僧侶』×ちょっとした鍛錬

次の日の放課後、部員全員で旧校舎の1階にある『開かずの教室』とされていた部屋前に来ていた。この部屋は厳重に閉められていて、中を見る事は不可能とされていたが実は俺が空間切断によりこの中にいる者と交流をしていた。今では俺の友でよくチャットしたり、外の世界についてが話題となっている。

最近では眷属悪魔が増えたと言うと興味津々だったので、会う日まで秘密とされていた。外見は女に見えるが、実は男で女装癖がある。部長は結界を解除してテープを見ると。

『KEEP OUT!!』

と書かれてテープが幾重にも貼られていて、呪術的な刻印も刻まれていた。何でも四大魔王、大王バアル、大公アガレス家と悪魔の上層部が、フェニックス戦とコカビエル戦で高く評価を貰った事で封印解除通知が来た。俺がオカ研部員になる前は、扱い切れないからと言って封印された。この中にいる本人に聞いた事がある。

「この中にもう一人の『僧侶』がいるのですか?」

「ええそうよ。一誠達が入ってくる前なら、扱い切れないと言われて封印されてたのよ。深夜には術が解けて、旧校舎の中だけなら歩き回ってもいい事何だけど、この中にいる子は引き籠りで対人恐怖症で神器がとても強力。この中にいる子は、眷属の中でも一番稼ぎ頭。パソコンを介して、特殊な契約を人間と執り行っていてね。直接会わないで、パソコンで取引してるから」

俺はテープを剥がしながら、説明聞いてるがこの中にいる子に直接聞いた。深夜だけこの中に入っては空を飛んで星を眺めたりしてた。パソコンで取引していると言うが、取引率は新鋭悪魔眷属の中では、上位の入る程稼いでいるとな。

「・・・・さて、扉を開けるわ」

「ちょっと待って下さい」

「どうしたの一誠。ケータイを取り出して何をするつもり?」

俺はメール画面を開いて状況を送信した、その後、入室許可が出たので俺はノックをして入って行った。部長は驚きながらも一緒に入って来た。中に入ると、部屋は明るくて可愛いらしい装飾をされていたがそれは全て俺がゲーセンにあるクレーンゲームでゲットした物ばかりだ。棺桶はあるがそれは壁に立ててあり、ベッドがちゃんとした物でもある。

「ようギャスパー。今仕事中か?」

「大丈夫ですよ。休憩中だった所にメールが入ったので、状況から見るとやっと私は外に出られるのですね一誠さん」

「お久しぶりねギャスパー。早速だけど一誠、説明してくれないかしら?何故ギャスパーと仲良しなのかと、引き籠りのはずだから対人恐怖症なのに治ってる事をね」

部員全員入室して来ても、ギャスパーは悲鳴を上げる所か逆に興味を持ってくれてるようで、自分から自己紹介をアーシアとゼノヴィアにしてた。金髪と赤い双眸で、人形のような端整な顔立ちをした美少女のように見える女装男子である。

アーシアとゼノヴィア以外の三人は、驚愕していたが俺に説明要求してきたので簡潔に説明した。それと二人の事も簡潔にな。

「俺とギャスパーはチャット友達で、週に2~3回はここに来ているぞ。結界が張ってあったが俺には関係なく入れるし、対人恐怖症は既に治してある。神器についても、ある程度コントロールする事が出来たから安心していいぞ」

俺が説明を終わらせるとまた固まっては、驚愕の繰り返しをしていたリアス達にハリセンを見せると即座に表情を元に戻した。

「やはり部長達も一誠さんのハリセンには恐怖を植え付けられているのですね。私も神器をコントロール失敗すると何度叩かれたか、それとそこの二人は新人悪魔さんですか?」

「俺のハリセンは魔王であろうとも関係なく叩くからな。見せたら怖がるよギャスパー、ああそうだったがお前がこの部屋で封印(仮)している間に眷属が増えたのさ。『騎士』のゼノヴィアに『僧侶』のアーシア・アルジェントだ」

「なるほど、封印してる間は新人悪魔の容姿を写真や動画で見ていました。それにしても私が封印される前よりも強力になりましたね」

「ところで、神器をある程度コントロール出来る事は本当なの?」

部長はそう言ってきたので、試しに部長を停めて見せた。朱乃達は驚いていて、ギャスパーは目を金色にしていた。数分間経つと部長の時間は解除されて、朱乃は部長が数分間停止してましたと言ったら嬉しかったのかギャスパーに抱き着いていた。

「貴方凄いじゃない!随分前までは、興奮すると視界に映した全ての物体時間を一定時間停止したのに、今だと単体だけでも凄いのに保てるとは。何時からそんなのが出来たの?」

「一誠さんに会ってから、ずっと深夜で特訓していました。一誠さんのお蔭ですが、今では単体ごとに時間停止出来るようになりましたから」

「一誠は何時からなの?」

「俺が部員になって1週間後くらいかな?この扉だけ結界が張ってあったから、空間切断によりこの部屋に出入りする事が出来てな。最初はいきなり神器を使われたが、俺には効果が無くすぐに安心感を持つような事をしてから、少しずつだが対人恐怖症を治した訳だ。仲良くなった証としてアドレス交換してから、チャットで会話したりしてた」

「あの時は驚きましたが、空間が歪んだと思ったら人が出てきたのですから。あの時は制御出来なかったけど、今はある程度制御できるようになったので安心です」

そう説明したら安心したのか、ギャスパーから離れていき皆に改めて自己紹介をさせた。

「この子の名はギャスパー・ヴラディ。私の眷属『僧侶』で、一応駒王学園の一年生なの。転生前は人間と吸血鬼(ヴァンパイア)のハーフよ」

改めて自己紹介された後、いつもの部室に来ていた俺達はアーシアとゼノヴィアの為にギャスパーが持つ神器説明をしていた。

「『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』ですか?」

アーシアの問いに俺は答えたが、ギャスパーはノーパソに無線ランで仕事していたが、今は休憩中であるのでソファに俺の隣に座っていた。

「視界に入った物の時間停止出来る神器で、人間や悪魔などの行動も停止させる事が出来るんだが、使い手よりも上位の実力者を停止させる事は出来ない。視覚を利用するという特性上弱点も多いが、使いこなす事が出来れば、任意物体の時間のみ停止させると言う使い方も可能となる」

「そんな強力な神器があるとはな、時間を止めると言うのは反則級では?」

「赤龍帝や白龍皇のも反則級だぜ?倍化の力や半減の力も反則だからな」

「確かに。では何故封印されてたのだ?」

「今まで扱え切れなかったからなのよ。それ故ギャスパーは今日まで封じられていたのよ。無意識に神器が発動してしまうのが問題視されていた。でも今なら問題ないわね、封印前よりマシになった方よ。これも一誠のお蔭だけど、この事は魔王様も知ってるの?」

「知らないと思うぞ。この事について、サーゼクスには一切知ってない」

俺はそう言って紅茶を飲んだが、ノーパソで自分の隊の報告書を見ながら話をしていた。ふとアーシアが質問してきた。

「強力な神器を持ってるのなら、部長の下僕に出来ましたが『僧侶』の駒1つ消費で済みましたね」

「それは変異の駒で済んだ事だ」

アーシアは?になっていたので、代わりに部長の手元に1冊の本が出てきてペラペラとページをめくりとあるページをアーシアに見せた。そこに書かれていたのは、悪魔の駒についての説明書だった。

「ミューテーション・ピースですか?」

アーシアの問いに祐斗が答える。

「通常の『悪魔の駒』とは違い、駒を複数使うであろう転生体が、一つで済んでしまう特異な現象を起こす駒の事だよ。だいたい上位悪魔の十人に一人は一つぐらい持ってるよ。『悪魔の駒』のシステムを作リ出した時に生まれたイレギュラーで、バグの類らしいけどそのままにしたとか。ギャスパー君はその駒を使った一人何だよ」

「つまりレアな駒を使ったという訳だ、ちなみに俺の駒である黒の駒は変異の駒は存在しない。最初から強力だからな」

祐斗と俺の説明で、納得したアーシアとゼノヴィア。詳細な説明すると面倒だから簡潔にした。ギャスパーはもう少ししたら禁手に至りそう何だが、俺の特訓だと半径五百mまでなら時間停止可能領域となっている。類稀なる才能の持ち主として、無意識に神器の力が高まる事らしいと聞いた事がある。

ここまで苦労したが、これもアザゼルが持つ神器研究のお蔭だ。アザゼルは神器研究をしてるから、今回役に立った訳。部長の株も上がったらしいが、前回のコカビエル戦でもよく戦ったとかで。だから上層部の奴らが解禁した訳か。

「封印前だったら、無意識に神器の力が高まる事で日々力が増している状態だった。俺が聞いた話では、将来的に禁手化が出来るそうだから封印されたと聞いたぞ」

「まあそうよね。禁手化が如何に危険な代物で、制御不能のギャスパーが禁手化が可能になると危うい状態ではあったわ。私の評価が認められた為、今なら制御できるかもしれないと判断したそうよ。何しろ祐斗を禁手に至らせたから評価されたのでしょうね」

「能力的には朱乃に次いで二番目なのでは、と俺は思っている。ハーフとは言え、由緒正しき吸血鬼の家柄でもあるし、強力な神器も人間としての部分で手に入れている。人間が魔法使いとして扱える魔術にも秀でているし、本来なら一つで済みそうじゃないけどな」

「部長さん。吸血鬼って太陽に弱いと聞いていますがギャスパーさんは大丈夫なんですか」

アーシアの問いに部長は頷く。

「彼はデイウォーカーと呼ばれていて、日中活動できる特殊な吸血鬼の血を引いてるから問題はないわ」

「封印後はあの部屋にいた訳だが、実は俺と一緒に日中活動していたのさ。土日に一回な。お蔭で太陽光も克服出来たし、血の件も問題ないから安心した方がいいぞ部長」

「これは驚いたわね、封印前は光も血も苦手だったはず。なのにそれを克服したって言うの」

「はい。もちろん血は一誠さんだけですから」

血液も俺のみとして飲んでいる。初めは大変だったが、俺特製増血剤を飲んでいる為なのか前よりマシな方となっている。部長はこれから、三すくみ会談の打ち合わせでいなくなるそうだが、その間俺の血を飲ませる為に増血剤を飲んだ。

「ギャスパー、そろそろお腹減ったろ、俺の右腕を噛めよ。そして吸え」

「では頂きます。ちゅー、うん。相変わらず人間の血は美味しいです」

「一誠さんは大丈夫なんですか?」

「ああ、この増血剤を飲めば楽だ。それに神器の力もカットしてあるから、純正人間からの血液だから問題なく吸える。それにちょっとくすぐったいがな」

「私達悪魔ではなく、人間の血を好む訳か」

「それに俺限定だからな。他の人間から血を飲ませる訳にはいかないし、ギャスパー曰く俺の血じゃないとダメらしいよ」

ギャスパーの食事が終了後、体力作りだとゼノヴィアは言ったが既にやってるので特訓と言うより鍛錬でやった。単純に走り回っていただけだが、ギャスパーは血を飲んだお蔭かいつもより元気に走り回っていた。

ゼノヴィアは、聖剣デュランダルを振り回しながら走り回っていた。ギャスパーは、軽く走っては避けていたりしてた。朱乃は『女王』だから部長に付きっきりだが、何故か祐斗も呼ばれたようだ。サーゼクスが祐斗の禁手化について詳しく知りたいそうだ。

「ほう。一誠が直に鍛錬した事だけはあるが、これはどうだ?」

「残念ながら、私に聖剣デュランダルを振り回し追ってきたとしても無駄ですよ。何やら、デュランダルの音がヤバそうに見えるのは私の気の所為でしょうか?」

旧校舎近くで、吸血鬼が聖剣使いに追いかけられていた。俺が直に鍛え直したので、傍目から見たら吸血鬼狩りだと勘違いされてしまう。聖剣デュランダルもビームサーベル並みの音が鳴っていた。

追いつかれたら一瞬で滅ぼされてしまうが、それについても問題ないが豪快過ぎる小娘だ。伝説武器を振り回すゼノヴィアだが、駒王町に住み始めてからやる事が全て楽しいと言っていた。ギャスパーも今では普通に学校生活を送れると思うが、恐らく明日からになりそうだ。一応病欠扱いなのかもな。

「私と同じ『僧侶』さんなので、お会いして光栄でしたがちゃんと目も合わせてました。あれが引き籠りとは思いもしませんでしたよ」

「そうかもしれんが、ちゃんとした挨拶は今回が初かもしれん。今後は、日中活動も学園生活が送れるだろう」

ゼノヴィアが、この町に住み始めた理由はアーシアと同様だったのかもしれない。信徒として、質素な生活をしてた訳だから仏教やらキリスト教などがある。日本人は、無宗教が多いから日本での出来事全てが新鮮何だろう。

「・・・・もしかしてギャー君は、ニンニクも大丈夫になったのですか?」

「俺の料理には、少量だがニンニクを入れた料理を作って食べさせた事がある。健康なのは知っているが、今後は一年生同士で仲良くしてほしいぞ」

「・・・・任せて下さい。恐らく明日から学園生活を送れると思うので、同じ一学年として教える事だと思います」

子猫ちゃんと話していると、丁度通りかかった匙が話しかけてきた。

「おーおー、やってるなー」

「おっ匙か。何してるんだ?」

「よー兵藤。解禁された引き籠り眷属がいる、って聞いたんで様子見に来たぜ」

「今あそこでゼノヴィアに追いかけられているのがそうだぜ」

「おいおい、ゼノヴィア嬢が伝説の聖剣を豪快に振り回しているぞ?いいのかあれ?おっ!てか、女の子か!しかも金髪!」

「残念だがあれは男子だ。何でも女装趣味だそうだ」

それを聞いた匙は、心底落胆していたがそりゃそうか。外見は女子に見えるから、匙はガックリしていた。

「そりゃ詐欺だ。てか、女装って誰かに見せる為にするものだろう?それより聖剣を振り回してるが、それを簡単に避けるアイツは何者だ?」

「『僧侶』ギャスパー・ヴラディ。俺が直に鍛錬させたから、あれくらいで根を上げる訳ではない。引き籠りも完治したから、問題ないが大勢だと俺の後ろに隠れてしまう。ところで匙は何してんだ?」

匙の格好は、ジャージ姿に軍手をして花壇用のシャベルを持っていた。

「見ての通り、花壇の手入れをしている所さ。一週間前から会長命令でな、ここ最近学園行事が多かっただろう?それに今度魔王様方もここに来るからな、学園を綺麗にするのが生徒会の『兵士』たる俺の仕事だ」

それってつまり雑用係何じゃねえの?まあこの事は伏せておくが、後ろから視線と敵ではなく味方のような気配を感じたので、俺は後ろを向いたら盟友の一人だった。

「へぇ。魔王眷属の悪魔さん方は、ここで集まってお遊戯してる訳か」

「ようアザゼル。こんなとこに来て何してるんだ?」

俺以外の全員が、アザゼルを見て怪訝そうに見えていた。俺の一言で空気が一変したが、ゼノヴィアは剣を構えてからアーシアをゼノヴィアの後ろに隠した。小猫ちゃんも臨戦態勢に入っていたし、匙も驚愕しながら右手の甲にトカゲの頭を出すが、あれはヴリトラ系統の神器である『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』だな。

「全員、戦闘行為を止めとけ止めとけ。こいつは俺の盟友である堕天使総督のアザゼルだ」

「一ちゃんに紹介されたが、俺はアザゼル。堕天使の頭をしているから、臨戦態勢を解け解け。コカビエルにも、敵わなかったお前らだと聞いているから俺には勝てんだろう」

「それに俺やアザゼルは、下級悪魔をいじめ何かする気は更々ないんだからな。そうだろ?アザゼル」

「まあな。ちょっくら散歩してたら、盟友である一ちゃんの気配を辿って来たら今に至るという事だ」

普通に紹介しても戦闘態勢を辞めないでいたが、ギャスパーは普通に歩いてこちらに来た。

「あなたがアザゼル様ですか?」

「おうそうだ。お前は、一ちゃんが言っていた神器を扱え切れない奴か?今では扱えるようになった、と聞いたんだがどんな神器だ?」

「『停止結界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』ですけど」

「ほおー。道理で、一ちゃんが俺に神器の扱いに関してを教えてくれって言ったのはその為か」

頷いて、アザゼルのとこに行く俺。ギャスパーを下がらせたが、皆はいつでも臨戦態勢してた。俺やアザゼルが言っても、誰も構えを解かないからか。堕天使が言う事に関して、悪魔が信用する訳がない証拠となっていた。

「それよりここに来て何の用だ?会談の下見か」

「それもあるが、聖魔剣使いはいるかな?一ちゃん」

「イレギュラーな禁手に至ったグレモリー眷属の『騎士』に用事でもあるのか?だが今はいないぜ。レアな禁手と聞いたら、アザゼルが興味持たない訳がないか。俺は聖魔剣など容易いから使えるぞ?」

「何?それは本当か!見せてくれ!」

鼻息荒くなって、俺に掴みかかったのでハリセンで叩いた。

「相変わらずのハリセンだぜ」

「あとで見せてやる。それより、神器使いに何かアドバイス出来るか?神器の補助具を使えば不足している要素を補える事も可能だと聞いた。ギャスパーにも使ったが、確か悪魔側は神器研究が進展してないと聞いた。それと神器研究者何だからさ、何かアドバイス出来ないか?」

「五感から発動する神器は、持ち主のキャパシティが足りないと自然に動き出してしまうから危険極まりない。俺も一研究者として、ここにいる神器使いにアドバイスも出来るがそこの吸血鬼はもう良いとして・・・・おっ。それは『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』だな?神器の力も吸えるから、そこの吸血鬼に繋げて吸い取れば暴走も無くなる。それも教えといた方がよかったかもしれん、今のソイツは大丈夫そうだな」

「お、俺の神器は相手の力も吸えるのか?単に敵のパワーを吸い取って、弱らせるだけかと思ったが」

それを聞いたアザゼルは、呆れた様子だったがそれは俺も同じ事。最近の神器使いは、自分が持つ神器を知ろうともしない無知な奴が多い時代となった。

「最近の神器使いは、やり方を余り理解してないようだな。というか、自分の力を碌に知ろうとしない。『黒い龍脈(アブソーブション・ライン)』には、伝説の五大龍王の一匹『黒邪の龍王』ヴリトラの力を宿している。最近知った事何だが、一ちゃんのそのニヤケ顔だと既に知っていたようだな。実際会った事あるんだろ?」

「まあな。あの時は六大龍王だったが、微かには感じていたがまさかアイツだとはな。匙の神器はどんな物体でも接続出来て、その力を散らせる事が出来たんだったか?アザゼル」

「その通りだ。短時間なら、持ち主側のラインを引き離して他者や物に接続させる事も可能だ」

「成長すればラインの数も増えるんだろう?」

「ああ・・・・成長すればの話だが、まあこれから先は何とかなるだろう」

俺とアザゼルの会話を聞いていた匙は、新たな可能性についてだったのかそのまま黙ってしまった。まあ本当の事だから、本人にとっては、今頃凄い神器だと思ってんじゃないのか。

「アザゼルの神器コレクター趣味は、異常な程だと噂程度に聞いていたが事実だとはな」

「それに関しては事実だから、今更一ちゃんに言われてもしょうがいか。神器上達に関してだが、一番手っ取り早い方法は現赤龍帝である一ちゃんの血を飲ませる事だ。だが一ちゃんは『アザゼル?』それに関しては、一ちゃんと俺らだけの秘密だったな」

「その件だがもう飲ませてるぞ。神器の力はカットしてが、その件に関してはいずれ俺からバラすが今は時期ではない」

「本当か?赤龍帝の力をカットしながら、血を飲ませる何て普通なら出来ない事だぞ。そうだな。これは一ちゃん自身の問題だからだが、カットしているとかは凄いぜ。勝手にヴァーリが接触したようだが、流石は一ちゃん。気配だけで白龍皇と見分けたのだから、悪魔側としては驚愕かもしれんがアイツは変わり者だ。赤白ライバルの完全決着をしたとしても、一ちゃんが瞬殺しては面白みがない」

「俺は戦闘狂な程、バカではないぞアザゼル。ま、白龍皇に伝えておいてくれよ。今度戦う時まで、もう少し鍛えておいた方がいいぞ。とな、瞬殺されるようでは俺の相手を務まらんだろう?」

「それもそうだな、一ちゃんの伝言はちゃんと伝えとくぜ。そろそろ帰るからさ、聖魔剣に関してはまた今度見せてくれ。じゃあな」

アザゼルは、この場から去って行ったが俺の伝言に関しては伝えるだろう。残された俺達だが、とりあえずアザゼルが言ったようにすると、本当にパワーを吸い取れていて更に神器の力が増していた。匙の提案で、練習の礼として今度花壇の整理を一緒にする事になった。

まあいっか、と思い練習を始めたが俺の助言は言わなくとも時間停止をしていた。更に練習しようと思えば、いつの間にか部長が来ていた。匙と一緒に、サンドイッチを食べたが美味い。スパイスが効いているが、料理に関してはまだまだかなと思いながら食べていた俺達だった。

「部長、美味いですよ」

「ふふふ、ありがとう。材料も少なめだったから軽いものしか作れなかったけどよかったわ」

さっきアザゼルの事を言ったら、部長は驚いていたがすぐに冷静になって考え込んだ。

「アザゼルは確か神器について詳しいと聞いたけど、神器についてアドバイス出来るのは余裕なのかしら?一誠も神器詳しそうだけど、アザゼルから聞いたの?」

「まあな。神器については、ある程度詳しい。自分が持っている神器も熟知しているつもりだ」

俺と部長が話していたら匙は、サンドイッチを2~3個を食ってから言った。

「そろそろ俺は戻るよ、花壇の作業をしなくてはいけないしな」

「匙君。わざわざ私の下僕に付き合ってくれてありがとう」

匙は顔を赤くしていたがすぐに冷静に戻って言った。

「いいっすよ。先輩は会長の大事なお友達ですし、神器についての新たな可能性やらの収穫がありましたから、兵藤またな」

「ああまたな」

礼を言った後、匙は行ってしまったがまあいいか。匙を見送った部長は、こちらを見てこう言った。

「それにしても、貴方が直に鍛錬させていたとはね。建物の影に隠れて見てたけど、とてもいい動きしてたわ。ゼノヴィアの一撃を避ける何て封印前とは偉い違いね。まだまだいけるかしらギャスパー?」

「まだまだいけます。僕を鍛えてくれた一誠さんの為にもですから」

部長と一緒に鍛錬の続きをしたが、相変わらずいい動きをしてるな。小猫ちゃん並みに身軽で、それに神器もいい感じだなと思いながら鍛錬を夜まで続けた。それと一人称が『私』から『僕』となっていたが、それが本来のギャスパーであり今後としてはどっちも使うと思うな。 
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