| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生の水族館

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四幕その十一

「そうだね」
「同じ猫っていってもね」
「色々な種類があるから」
「スコティッシュフォールドとかペルシャとか」
「同じ猫でも全然姿形が違ってて」
「本当に種類が多いね」
「犬や鼠も然りでね」
 先生はジップやホワイティも見ました。そうしたお話をしながら海豚さん達のプールの傍から外に出ます。
「色々な姿形の種類がいるね」
「その違いをわかりやすい様になんだ」
「分けられているんだね」
「生物学だと」
「そうだよ、猫君達にしてもそうして分けられていてね」
 そのうえで、というのです。
「わかりやすい様にされているんだ」
「成程ね」
「そうした違いをわかりやすくしてるんだ」
「それも生物学なんだね」
「区分して分かりやすくする為に」
「そうだよ、だから猫君達もなんだ」
 そうして分けられているというのです。
 そしてです、先生は鯱さんや海豚さん達のコーナーから離れてです。そのうえでお話をしていくのでした。
「種類の違いがわかりやすくなっているんだ」
「じゃあ猫又も?」
「猫の種類の一つ?」
「お静さんだけれど」
「あの人も」
「ああ、猫又はまた違うよ」
 お静さんをはじめとしたその人はというのです。
「彼等は長生きした猫だからね」
「じゃあ長生きしてなんだ」
「それからなるものだったね、そういえば」
「じゃあ猫又は種類じゃなくて」
「なるものなんだ」
「そうだよ、猫又はどんな種類の猫君でもなれるんだ」
 長生きすればというのです。
「五十年位生きたらね」
「まあそれだけ長生きする猫ってね」
「普通いないけれどね」
「けれどそれだけ生きたら」
「どの猫でも猫又になれる」
「そうなんだね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「いいんだよ」
「というか猫又は妖怪?」
「日本で言うね」
「イギリスで言う妖精」
「それになるのかな」
「そうだよ、猫又はイギリスで言うケット=シーだよ」
 先生はこの妖精の名前を出しました。
「あの妖精だと思っていいよ」
「ああ、あの長靴を履いたね」
「後ろ足二本で歩く妖精だね」
「猫だけれど普通とは違う猫」
「その妖精と一緒なんだね」
「お静さんも」
「そうなんだ、だから猫又君は違うんだ」
 猫の種類とまた、というのです。
「妖怪、妖精の一種だね」
「そういえば京都の狐さんも」
「愛媛の狸さんもね」
「そうだったよね」
「妖怪になるね」
「日本では普通に動物もね」 
 それこそというのです。
「長生きしたら妖力、西洋で言う魔力を持ってお静さんみたいになるんだ
「尻尾が増えたりしてね」
「それで後ろ足だけで立ったりして」
「人の服を着て」
「人間にも化けられる様になって」
「人間みたいに暮らせるんだね」
「実は日本の社会でjは多いよ」
 人間の中に紛れて人間として暮らしている生きもの達がというのです。
「この国はそうした国なんだ」
「本当に不思議な国だね」
「動物が普通に人と暮らしてる国って」
「凄い国だね」
「色々不思議な国だけど」
「そのことも不思議だよね」
「そうした意味でも魅力的な国だよ」 
 先生もしみじみとして言います。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧