木の葉詰め合わせ＝IF=

データが吹っ飛んだと思ったけど、無事に取り戻せました。
内容は【木の葉詰め合わせ】と同じ物です。
種類順、時系列順に並べ替えしました。 

　――は？
　千手柱間が女？　はぁ、何を阿呆な事を言ってるんだ、お前は。まあ確かにアイツは男にしては少々線が細いし、華奢な体付きはしているとは思うし、この間の任務での女装も違和感無かったが……うん、それだけだ。

　それにアイツの強さはお前もよーく知っているだろ？　武具を持たせれば自分よりもデカイ野郎をあっという間に叩き伏せるし、拳の一撃で岩どころか地面を砕くなんて当たり前。
　更に木遁忍術を使わせれば、向かう所敵無しの『あの』千手柱間だぞ？　……まあ傍から見れば甘い面もあるし、そこんところは戦国を生き抜いた忍者とは思えない部分が多いが……それだって許容範囲に収まる程度だしな、うん。
　それよりも何よりあの性格。俺は正直アイツよりも男気に溢れた奴を見た事無いな。
　女性には優しいし、一族の垣根を問わずに子供達には分け隔てなく接する。
　戦っている奴の姿を見て憧れる忍び共も後を絶たないし、男が惚れる男って言うのはああ言う奴を言うんだろうな。
　強いし、性格も気さくだし……あれであの残念な盆栽とシスコンが無ければ、完璧なのに……。
　戦国最強と謳われながらもそれに驕る事はしないし、年上への礼儀は弁えているし、普段はハチャメチャだけどその実誰よりも戦場では頼りになる奴だしな。

　……けど、人のかみさんを息する様に口説き始めるのは正直参るぜ。
　おかげであいつが来るときいただけで女房は張り切り出すし、最近では俺の息子も父親の俺よりも頼りになるとか言い出す始末だし……。俺の、父親の威厳が……。
　その内離婚されてアイツに嫁ぐと女房が言い出したらどうしようかと毎日ヒヤヒヤしてるぜ。
　――……とまあ、俺がアイツとつるみ出してから毎日こんな感じだ。

　……なんだかんだでそれ以前よりは楽しい日にはなったけど。……何も考えずに、一族の事とか任務だけについて、考えていた時よりも……よっぽどな。

　――ま。
　そーいう訳なんだから、お前も笑えない冗談を言い出す前に今一度あいつの事を振り返ってみろ。自分が言っている事がどれだけ信じられない事なのか身に沁みて分かるからさ。

　――って、え？　冗談じゃない？　阿呆な事言うな、そんな馬鹿な事が――って、おおい柱間！
　ちょうどいいところに来てくれたな。実はこいつが変な事を言い出してさ。お前が女だなんて嘘だよな。
　お？　今日は珍しく首を隠していないんだな……って、あれ？

　お、お前、喉仏が……無い？　って事は冗談じゃない？　マジで？
　待て待て待て、ちょっと待て――本当なのか……え、えぇ！？　嘘だろ！？  

データが消えたときは発狂するかと思った。もう二度と体験したくない。