ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
停止教室のヴァンパイア
三すくみ
「冗談じゃないわ!」
リアスは眉を吊り下げて、怒りを露にした。内偵調査報告をしたらとても怒っていたが、それはそうだろう。何も連絡無しでグレモリーの領土にいた事と、朱乃の契約主がバラキエルだと伝えると頭を抱えていたリアス。親と一緒にいたいが為だけに、呼び出しくらったようなもんだ。今の季節は夏だから、制服も夏服で半袖だ。ブレザーを着る必要はなくなった訳。
「確かに、悪魔・天使・堕天使の三すくみのトップ会談がこの町で執り行われるとはいえ、突然堕天使の総督・副総督が私の縄張りに侵入し、営業妨害してた何て・・・・!しかも朱乃の契約主が、父親である堕天使幹部のバラキエルだとは流石の私でも気付かなかったわ」
営業妨害はしてないと思うがまあいいか。先週起きた事件が、天使・悪魔・堕天使の三すくみの関係に影響を及ぼした。結果として、一度トップ同士が集まって今後の三すくみ関係について話し合う事になった。
勿論俺も介入してしまったので、出席しないといけないし仲介役としての席を用意していると聞いたな。事件報告を部長がする事になったらしいが、正直な所俺が倒してしまった様なもんだし、後々来た白龍皇で終わった。
突然アザゼルが接触してきたが、何故か俺を指名してきた事は営業妨害とは言えるよな。俺以外悪魔だけど、拒んで人間である俺を指名してくる事はな。しかし駒王町にいると、色々イベントがあって楽しいな。
「しかしどうしたものかしら・・・・あちらの動きが分からない以上、こちらも動きづらいわ。相手は堕天使の総督。下手に接する事も出来ないわね」
考え込む部長。悪魔と堕天使の関係を、これ以上勝手に崩す訳にもいかないのだろう。堕天使側から大きな行動を取ってこない限り、悪魔側は動く事は出来ない。俺が仲介役として、話すれば良いんだが多分部長は忘れてるな。
「アザゼルは、昔からああいう男だよリアス」
「何だ。お前も来ていたのかサーゼクス」
突然この場に誰でもない声が聞こえたが、俺はすぐに反応して見せた。俺以外は、声のした方向へ視線を移してみると、紅髪の男であるサーゼクスがいた。リアス・朱乃・祐斗・小猫ちゃんは、その場で跪きアーシアは対応に困っていた。新顔のゼノヴィアは頭に疑問符を上げている。
「お、お、お、お兄様」
余りにも驚愕の声を出していた、というか仕事終わったのかよ。現魔王サーゼクス・ルシファーであるが、オンオフの切り替えが出来る魔王など今しかいない。セラフォルーもだが、基本的に現四大魔王はオンオフの切り替えにより軽い時があるのはとてもある話だ。ま、今回は後ろにグレイフィアがいるから恐らくオフで来たのだろうな。
「先日のコカビエルのような事はしないよ、アザゼルは。今回みたいに悪戯はするだろうけどね、しかし総督殿は予定よりも早い来日だな」
サーゼクスの後方には銀髪メイドであるグレイフィアがいたから、魔王の『女王』だし当然か。突然来るとは、人間界本家ではよく会っているがここでは初かもしれんな。アーシアも急いでリアス達と同様に跪いたが俺?俺はそんな事しないぞ。魔王以上の力の持ち主で、サーゼクスとは飲み友達だ。
「くつろいでくれたまえ、一誠君みたいにね。今日はプライベートで来ている」
「だろうと思ったよ。お前がオンの場合は、大抵が人間界本家に来る事が多いが今回はオフで来たようだな。グレイフィアがいるから当然か」
「こんばんは一誠様。その通りです、もしサーゼクス様がオンの状態でここに来られるならお止はしますが今回はオフで来ましたから」
「あははは、もしもオンでここに来ていると間違いなく一誠君のハリセンにより強制送還させられる所だからね」
手を上げて、俺らに畏まなくていいと促している。全員がそれに従い、立ち上がった。俺は普通にタメ口で会話しているので、リアス達は終始様子を見ていたがゼノヴィアはアーシアに誰だ?と聞くと魔王様だと答えた。
「やあ我が妹よ。しかしこの部屋は殺風景だ、年頃の娘達が集まるにしても魔法陣だらけと言うのはどうかと思う」
確かにな、そこは俺も同意だ。この部屋は、女の子らしい所が一切ない部屋だからか。サーゼクスは部屋を見渡しながらの苦笑である。
「お兄様、ど、どうしてここへ?」
怪訝そうに部長が聞くが、俺はもう慣れちまった。悪魔業界のトップが、人間界の学び舎であるこの部室に来ていいのか?と。普通なら疑問だが、散々人間界本家に来ては酒やら飲んで談笑ばかりしてるから疑問は零に等しい。するとサーゼクスは、一枚のプリント用紙を取り出した。
「何を言っているんだ。授業参観が近いのだろう?私も参加しようと思っていてね。ぜひとも妹が、勉学に励む姿を間近で見たいものだ」
そういえば担任が言ってたな。授業参観があるからとか言ってたが、俺には関係ないな。第一両親いねえし、今思うと俺は現実世界から一人で来た唯一の人間だからかもしれん。普通の家庭なら父親は有給を取って、母親と共に行く事が普通の家庭何だが俺は普通の家庭ではないからな。
両親はいなくとも、妻の奏や息子の優斗がいるから問題ないからだ。ただその悲しみというのは、たまにあるからかそれに関してはタブーな話題となる。
「グ、グレイフィアね?お兄様に伝えたのは」
「はい。学園からの報告は、グレモリー眷属のスケジュールを任されている私の元へ届きます。無論、サーゼクス様の『女王』でもありますので主へ報告も致しました」
それを聞き部長は嘆息するが、部長は余り乗り気じゃないのかな?
「報告を受けた私は魔王職が激務であろうと、休暇を入れてでも妹の授業参観に参加したかったのだ。安心しなさい。父上もちゃんとお越しになられる」
ケルディムも来るのか、久々に会うな。例の婚約パーティ以来だが、元気にしてるといいが。
「そ、そうではありません!お兄様は魔王なのですよ?仕事をほっぽり出して来る何て!魔王が、一悪魔を特別視されてはいけませんわ!」
確かにそれは一理あるが、妹の為に仕事をほっぽり出すまで見たいのか授業参観?しかも一悪魔の為だけで見に来るとはね、しかしサーゼクスは首を横に振る。
「いやいや、これは仕事でもあるのだよリアス。実は三すくみの会談を、この学園で執り行おうと思っていてね。会場の下見に来たんだよ」
なるほど。この前のコカビエルの時もここだったし、俺は冷静に考えていたが部員全員は驚いていた。ま、駒王町の外れにある人間界本家には仕事の休憩場所として来ていたな。ミカエル、サーゼクス、アザゼルの三人は敵意剥き出し何か最初からしてない訳だし。それを導き出したのは、俺が原因なのかもしれない。
「・・・・っ!ここで?本当に?」
部長も目を見開いている。それ驚く事?
「ああ。この学園とはどうやら何かしらの縁があるようだ。私の妹であるお前と、伝説の赤龍帝と始まりの神か始祖神と呼ばれた創造神黒鐵様であって仲介役の一誠君。聖魔剣使い、聖剣デュランダル使い、魔王セラフォルー・レヴィアタンの妹が所属し、コカビエルと白龍皇が襲来して来た。偶然では片付けられない事象となり、様々な力が入り混じっているうねりとなっている。そのうねりを加速度的に増しているのが、一誠君だと私は思う」
サーゼクスが俺に向けて視線を送るので、俺は自分の指で俺?とジェスチャーするとサーゼクスは頷いた。
「貴方が魔王か。初めまして、ゼノヴィアと言う者だ」
会話に介入してきたのは、緑色のメッシュを髪の毛に入れている新人悪魔のゼノヴィア。一見だけだと相当な美少女だが、実際は伝説聖剣デュランダルの使い手であり、リアスの新たな眷属でもう一人の『騎士』である。
「ごきげんよう、ゼノヴィア。私はサーゼクス・ルシファーだが、リアスから報告を受けている。聖剣デュランダルの使い手が悪魔に転生し、しかも我が妹の眷属となるとはね。最初に聞いた時は耳を疑ったよ」
「私も悪魔になるとは思っていなかったよ。今まで葬ってきた側に転生する何て、我ながら大胆な事をしたとたまにではあるが後悔している。・・・・うんそうだ、何で私は悪魔になったんだろうか?やけくそ?いやだがあの時は、正直どうでもよくて・・・・でも悪魔になって本当によかったのだろうか」
あーあー、またやってるよ。コイツはたまに後悔しては、頭を抱え込む癖があるようだ。相変わらず分からん奴だよ、ゼノヴィアは。
「ハハハ、妹の眷属は楽しい者が多くていい。ゼノヴィア、転生したばかりで勝手が分からないかもしれないが、リアスの眷属としてグレモリーを支えて欲しいのでよろしく頼むよ」
「聖書にも記されている伝説の魔王ルシファーに、そこまで言われては私も後は引けない。どこまでやれるか分からないが、やれる所まではやらせてもらう」
聖書に記されているルシファーなら、次元の狭間本家にいるんだけどな。サーゼクスが名乗ってるルシファーはあくまで役職名だし、ゼノヴィアの言葉を聞き微笑むサーゼクス。ゼノヴィアにお礼を言ったら頬を赤く染めた。
「さて、これ以上難しい話をここでしても仕方がない。うーむ、しかし、人間界に来たとはいえ現在は夜だ。こんな時間に宿泊施設は空いてるのだろうか?」
「サーゼクス様、だったら一誠様にお頼みすればいい事かと」
グレイフィアがそう言ったので、サーゼクスが俺に頼んできたので一発で了承した。俺が帰宅後、魔法陣で来いと伝えてから先に帰った。人間界本家に戻ったら、メイドに客人が来ると言ったら大急ぎで料理や客人の部屋を掃除し始めた。
掃除と料理が完了したので、電話で来いと伝えると魔法陣反応を確認してからメイドに一任した。俺はソファに座って、数分後にサーゼクスとグレイフィアと何故かリアス達部員も来ていた。何故?と聞くと全員で行った方が、盛り上がるのではとサーゼクスが進言したので俺は頭を抱えたのだった。予想外だが何も問題は無い。
メイドから、料理の準備が整いましたと言われたので全員をダイニングルームに案内してくれ、と言ってから俺はアザゼルを呼んだ。三すくみの会談前だがまあいいか、と思いミカエルも呼んだ。数分後俺は玄関にいて、魔法陣でやってきたアザゼルとミカエル。それと副総督と幹部であるシェムハザとバラキエルもいた。
「よう一ちゃん。どうしたこんな夜中に?」
「それはこっちの質問だ。なぜシェムハザとバラキエルも来るんだよ」
「俺のマンションにコイツらが来て少々宴をしていたんだが、一ちゃんから電話が来て行こうとしたらコイツらも行きたいと言われてな」
「私は仕事の休憩として、アザゼル様のマンションに行っていたのですよ。一誠さん」
「迷惑でしたか?一誠さん」
「迷惑ではないが、逆に大歓迎だが特にバラキエル。今朱乃が来ているんだ、父親として接してはどうだ?」
「おお、我が娘も来ているのか。早く行きましょうよ、一誠さん」
俺は、コイツらをダイニングルームに行ったらリアス達は驚愕した。何せ三大勢力トップが、三人揃った状態だが三人共顔パス並みの盟友達だ。会談前だが、朱乃も驚いていたがすぐに親子と接し始めた。
「ようサーゼクス。会談前だが今は堅い事気にするな、シェムハザとバラキエルはさっきまで宴してたんだ」
「ごきげんようアザゼル。ところで、何故ここにミカエルがいるんだい?」
「仲間外れされると嫌だと思って呼んでみただけだ。なあミカエル」
「はい。電話が来たので話してみましたら、面白そうだなと思って来てみました。ちなみに仕事は終わらせましたよ」
サーゼクスは、リアスの隣に座っていて部員達も緊張していた。ゼノヴィアはミカエルと話していたが、前も話した事あるからかもしれない。アザゼルは俺とシェムハザと一緒に酒を飲んでいたが、リアスが俺に注意してきたが俺はお前らよりも年長者だ。
「そういえばリアス以外の者は知らないんじゃないのか?お前とグレイフィアの関係を」
「グレイフィア様はサーゼクス様の『女王』と聞いていますが、それ以上の関係があるんですか?」
「一誠君から言う何てね、実はグレイフィアは私の妻なのだ。魔王職をオフの時以外は、メイドとして接してもらっている」
『えええええええええええええええええええッ!?』
グレイフィアは、サーゼクスの後ろにいたが酒を飲んでいた。俺が思い出したかのように言うと、あっさりと暴露して驚愕した部員達。俺達は知っていたので、てっきり皆も知っていると思って流れ弾のように言ってみたんだけど。暴露した瞬間、グレイフィアはサーゼクスの頬を抓っていた。
「まさか一誠様から暴露されるとは思ってもみませんでしたが、それを簡単に言ってしまう我が主にも困ったものです」
「いたひ、いたひいひょ、ぐれいふぃあ」
「あはは、悪いなサーゼクス」
全くグレモリー家は面白い、静かに怒っていたグレイフィアに涙目で朗らかに笑っている魔王。俺が冗談を言ったら、それを後押しするかのように暴露してしまう。グレイフィアも手馴れているからか、お茶目と言うかここまで軽いと絶対前四大魔王であるルシファー達からの説教を喰らうだろうな。
深夜二時頃、俺が眠くなった所で宴は終了となった。サーゼクスとグレイフィア以外は、魔法陣で帰って行った。アザゼルは、まだ足りないらしいからシェムハザと飲むとの事。バラキエルは朱乃と一緒に帰っていったが、恐らく朱璃さんと寝るんじゃないのかと思いながら魔法陣で帰った。
風呂に入った俺とサーゼクスは、リビングで休憩していたがグレイフィアは今風呂に入っている。人間界本家と次元の狭間本家の風呂は温泉だ、長風呂してるんじゃないかと思いながらコーヒー牛乳を飲んでいた俺。
「久しぶりだよ、こんなに気持ちいい風呂は」
「人間界本家より、他本家の方が温泉の数は多いぞ。連れて行けないけどな」
「残念だよ、ところで他本家の場所はどこにあるのかね?私はそれが気になってしょうがないのだ」
「私もそう思います。一誠様、他本家の場所は?」
「うおっ!びっくりした。いつの間に出たんだグレイフィア。他本家の場所はまだ秘密だ、それに俺の眷属も住んでいるからな」
「そうなのかね。それで眷属名は何て言うのかな?兵藤眷属かい」
「対コカビエル戦で言うの忘れたが、俺の眷属名は黒神眷属だ」
「黒神眷属、なるほど。黒鐵様の黒と創造神の神で合わせた訳ですか。良い眷属名だと思いますよ」
「ありがとうグレイフィア。そろそろ眠くなってきたが、サーゼクスはどうするんだ。グレイフィアと寝るか?夫婦何だろう」
「出来れば一誠君と同じ部屋で寝たいね、グレイフィアはどうするんだい」
「私は準備されたお部屋で寝させてもらいます。お休みなさいませ、サーゼクス様に一誠様」
グレイフィアは、準備された部屋に行きサーゼクスは俺の部屋に招いた。俺のベッドをサーゼクスに使わせようと思ったが、床には私が寝るから気にしないでくれと言った。
俺は渋々ベッドに入るが、サーゼクスは俺が準備した布団に入って電気を消した。まあ立場で言えば、魔王より上である神の中でも頂点を立つとも言われている。
「なあサーゼクス」
「何だい一誠君」
俺は不意にサーゼクスに話しかけたが、これからどうなるのかを。
「会談では、一誠君の意見も聞かせてもらうよ。何しろ二天龍や五大龍王を恐れたと言われる創造神黒鐵様が、まさかこんな近くにいるとは思わなかったからね。今回は三大勢力の仲介役としてではなく、創造神黒鐵様としてでいいから気楽に頼むよ。それと彼女達も呼んでくれるかい?」
「彼女達ならこの人間界本家にいるから朝にでも頼めばいいさ、それにアザゼルもそうだが俺も天界や冥界に影響を及ばせる力を持った眷属とも言っていい事だ。神は干渉してはいけない、というルールが存在するがもう既に三大勢力や人間界を干渉してしまったが俺は気にしてない」
「いくら私が魔王であっても、伝説のドラゴンと共にいた創造神黒鐵様が天使・悪魔・堕天使にも属してない事については有り難いと思ったよ。どこかで属していたら、仲介役など出来ないからね。明日は早いからそろそろ寝ようか一誠君」
「そうだな。いくら神であっても、人間としてここにいるから自然と眠くなってきた。お休みサーゼクス」
「おやすみ一誠君」
そう言って寝たが、創造神でも眠いのは当然だと俺は思うが本来の神でもそうなのかな?と思ったくらいだ。今回も三すくみとトップ達と飲めたからかすぐに寝てしまった。
『寝る前で悪いが、俺も会談に居させても構わんか?』
『今は寝ているからサーゼクスには聞かれないからな、ドライグが出席したいと言うのであれば俺の頭上にいろ。肉体を持つドライグなら、俺の頭上にて見ていればいい事だ』
『相棒の頭上から見させてもらうのも何だか悪い気がするが、相棒がそう言うならそうさせてもらうぞ』
『全く三大勢力トップは、今更何を話すんだ?と俺も思うが明日も早いので寝させてもらおうぜ』
神器奥でドライグと話していたが、明日も早い事なので自然と寝ていた俺だった。今はサーゼクスが居る限り、外へは出せないドライグであるが会談には出席する事なら問題ないだろう。ある意味で二天龍の片割れである赤龍帝ドライグが、肉体を持って普通に喋れるのも今代赤龍帝である俺だけだからな。
ページ上へ戻る