異世界を拳で頑張って救っていきます!!!
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第2話 エルフの城で
第二話 エルフの城で
「ん……? ここは……??」
近くにあった窓から入ってきた日差しが僕の顔を照らしたらしく、顔にあったかいぬくもりを感じながら僕は目を覚ます。立派なベットに寝かされてるらしくシーツがとてもふわふわして、とても温かい。
部屋の中に花でも植えているのだろうか……嗅いだこともない色んな花の匂いが僕の鼻孔を一杯にする。
「えっと……なんで気絶したんだっけ……?」
花の香りを嗅ぎながらボーっとする頭のまま木で作られた天井を見上げ、何で気絶したかを思い出す。そうだ、アリスを助けようとして……途中で気絶しちゃったんだ……。
「よいっしょ……」
少し思考がはっきりとした僕は腹筋に力を入れて上半身を起き上らせる。キョロキョロと周りを見渡すと、学校の教室ぐらいの広さの部屋に僕が寝ていたベットと同じ型のベットが何台も置いてある。ドアのない入口の周りや壁際には見たこともないような様々な花が植木鉢に植えられており、まるで植物公園みたいだ。
「あれ……痛く……なくなってる……それに……包帯………??」
包帯でぐるぐる巻かれた両手を握ったり開いたりしながら拳の傷み具合を確かめた僕だが痛みが完全になくなっていることに気づきポカンとなる。
「足も……治ってる……?」
こちらも腕と同じように包帯でぐるぐる巻きにされている両足の足の指をウニョウニョと動かすが気絶する前に感じた鋭い痛みは全く襲ってこない。
「あ、あ、あ、お、おおおおお、お目覚めですか?」
「!?」
ドアのない入口から18歳ぐらいのちょっと大人びておっとりした顔立ちの茶色の髪をショートボブにした修道女エルフが現れ、オドオドした口調で僕に喋りかけてくる。あれ、前の世界では修道女って頭巾みたいなのかぶってた気がするんだけど……この人はかぶってないな……ま、いいか……。
いやぁ……しかしエルフは美人が多いな……アリスもそうだったけどこの人もかなりの美人だ。まあ胸のサイズがアリスの10倍はありそうだけど……。
「あ――――――」
「ひいっ!」
僕がお礼を言おうとすると修道服のエルフさんはビクッと体を震わせ、その豊満な胸をゆらりと揺らす。
「お、おびえないでください、僕は何もしませんから……」
焦った僕はとりあえず危害を加えるつもりはないと示すために両腕を上にあげる。
「す、すみません! あ、あなたのような種族を見るのは初めてでして……ちょっとびっくりしてしまいました!」
すると僕が危害を加えるつもりはないとわかったのか修道服のエルフさんは目をギュッと閉じながら謝ってきた。
「「…………………………」」
何となく気まずい雰囲気が漂いお互いだんまりとしてしまう。
「け、怪我の具合はどうですか?」
このまま会話がないままになるのはまずいと思ったのか修道服のエルフさんが包帯でぐるぐる巻きにされた僕の腕を見ながら聞いてくる。
「か、かなり良くなっています……というか痛みが全然ありません」
僕は思ったことを口にする。
「そ、そうですか、よかったです!」
修道服のエルフさんは茶色のボブカットを揺らし、にっこりと微笑んだ。うわぁ……かわいい……。
「あ、あなたが治療してくれたんですか……?」
僕の質問に、はいとうなずきながら修道服を着たエルフさんは答える。
「は、はい……。私、宮廷専属の医療魔法師をしています、イオラと申します」
医療魔法師………? 医者みたいな感じなのかな……。って言うか今宮廷って言わなかった……?
「よ、よろしくお願いしますイオラさん。僕の名前は山崎賢人です。ケントって呼んでください」
「は、はい。よろしくお願いしますケントさん」
そう言って修道服を着たエルフ―――――イオラさんはまたにっこりと微笑んだ。
「ところで……」
「はい?」
僕はイオラさんに気になっていることを聞く。
「ここ、どこですか?」
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