あの太陽のように
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9話
前書き
更新遅れてしまって申し訳ありません!!
まさか検定の後にテスト期間がかぶってくるとは…。
しばらくは何も無いので更新できると思います。
というかします。何があろうとします。
と、いうわけで、楽しみにしてくださっている方なんていないと思いますが本編へお進みください。
神童に会ってから自分の病室へと戻ってきた俺は、冬花さんと会った。
まだ冬花さんは気まずそうだったけど、俺は疑問が解消されたからあまり気にしなかった。
神童の病室に行ったと報告してみると、冬花さんは何と。
これから神童君の検査に行くから、その時に第一印象を聞いてくるわね。
……ん?
イマイチ状況把握がうまくいかなかった俺は去っていく冬花さんを止めることが出来なかった。
「………どうしてこうなった」
ちょ、第一印象ってなんだよ。
どういうことだ。そんなの聞いてどうするつもりなんだ。まさか冬花さんは俺が神童のことが好きだとでも?
いや、好きだよ?プレーが。
どうにも太陽と一緒で確信犯な気があってならない。
いやまぁ、確かにかっこよかったけどさぁぁ。
声とかすっげぇいい声だったし。画面で見るよりかっこよかった。
だけど、なんかそういうのじゃないんだよな。
俺恋愛とかわかんねーよ人間だし。
病院から出られないやつに恋愛を分かれとか無理なお話ってやつだよな。
「……神童拓人、ねぇ…」
「……どうしたの、風間さん」
「うぉぉぉ!?ふ、冬花さん!?」
いつの間にか病室のドアが開き、冬花さんが中に入ってきていた。
…え、やばくね。
今の聞かれてたらあらぬ誤解が…。
「やっぱり風間さん、神童君のことが好きなんじゃない」
「ち、違います!!絶対にそれはないです!!」
「じゃあ、霧野君の方?」
「なんで霧野が出てくるんですか!?」
「隠さなくてもいいのよー。私は風間さんの味方だから」
「その発言が既に味方じゃないってことにお気づきですか…」
あー、どうせ冬花さんから太陽に伝わって太陽がいじってくるんだろうなぁ。
今のうちにあいつのどこを狙うか考えとこ。
「まぁ、それは置いといて」
ん?
「ちょ、置いとかないで下さいよ!!」
「神童君に第一印象聞いてきたわよー」
「…!!」
ま、待って。心の準備ってやつが必要じゃないか?
お、落ち着け俺平常心平常心。ひっひっふー、ひっひっふー。
ってこれは違うやつだろ!!
「これは、第一印象というか、風間さんと話して思ったことらしいんだけど」
「…っ、はい」
「好きだって言ってるサッカーの話をしているのに、あまり楽しそうじゃない。…だそうよ」
「…え?」
「あ、後、病室の場所を聞かれたわ」
「はぇ?」
「きっと遊びに来るんじゃないかしら。ふふっ、良かったわね。応援してるわ」
「え、あの、冬花さん!?」
訂正するまもなく、冬花さんは病室から去っていった。
「……はぁぁ…」
初対面のやつに見透かされるとか、俺もまだまだ擬態がたんねーな。
いや、この場合、相手が悪いのか。
天才ゲームメーカーだもんなぁ、神童は。
「…どうしたいんだろ、俺」
外に出れない。必然的にサッカーもできない。
屋上には行くけど、あれは外とは言わねぇよな。むしろ俺が認めない。
自分が病院から出れない理由がわかった今、俺は、どうすればいいんだろう。
発作がどんなものかはさっぱりわかんねーけど、酷ければ記憶がなくなるみたいだし。
…記憶がなくなるって、どんな感じなんだ?
ほんとに何も覚えてないのか?なにかきっかけがあれば思い出せるのか?
…海馬が消滅すれば、新たな海馬が生まれる。
もし俺が、太陽のことを忘れてしまったとして、太陽の記憶を保持している海馬が消滅したら、俺は、太陽のことを完全に忘れてしまうのか?
…謎が多すぎる。なんでまた新種のウイルスなんだよ。しかもとびきり面倒そうな。
わかんねー事考えてても仕方ねぇか。
じゃあ、これからどうしよう。
いつ発作が起きるかわからない。いつ忘れてしまうかもわからない。
全部忘れてしまう前に、やりたいことは全部やる…やりたいとこだが、無理だろうな。
「……外、出たいな…」
…?
外に出たい。
自分の口からそんな言葉が出て驚く。
何だよ、急にさ。
すべてが無駄だと思ってから、そんなこと一度も言ってねーのに。
「…わけ分かんねー」
誰にともなくそうつぶやくと、病室のドアが控えめにノックされた。
…誰だ?
優一さん…は階が違うからあんま自分からこねーし、太陽はそもそもノックしてこない。
「…どうぞ」
とりあえず応答してみると、入ってきたのは、
「し、神童…」
後書き
oh(´・ω・`)...
冬花さんマジフリーダム…。
めっちゃ自由人になってしまった…。
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