戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第三十二話 加藤中尉!作者は折り鶴を折れない!!その十五
「で、相手はその水できたけれど」
「互角か、またしても」
「このままいくんだな」
「今回もな」
「それで二十本目で決着」
「そうなるな」
「それまでに負けろ!」
ここでまた観衆から声が来た。
「さっさとな!」
「応援は相変わらずだな」
「心がこもってるぜ」
二人への熱き想いがだ。
「それでも嬉しくないな」
「全然な」
「俺達への敵意があってな」
「それで一杯でな」
「そんな声援受けてもな」
「誰が嬉しいんだよ」
二人は例によってぶつくさと言い出した。
「お姉ちゃんからの教えてあげるって言葉の方がいいっての」
「未亡人とかな」
「フランス書院の展開でいけっての」
「着物の熟女とかもいいな」
「女先生もいいぜ」
「やっぱり、フランス書院は最高だぜ!」
「いいから早く話を進めろ!」
また声援が来た。
「何がフランス書院だ!」
「高校生がそんなの読むな!」
「あとマドンナメイトも読んでるんだろ!」
「それが高校生のすることか!」
「読書やってんだよ!」
「読書はいいことだろ!」
少なくともそれ自体は悪いことではない。
「読書で文章力、漢字を読む力、想像力を鍛えるんだ!」
「だからフランス書院の本を読んでもいいんだよ!」
「女子高生、ナース、OL、義母、人妻、義姉、妹、未亡人!」
「フランス書院は本当に最高だぜ!」
「それで折ったの?」
今度は瞬が冷静に突っ込みを入れた。
「次のは」
「ああ、折ったよ」
「この通りだよ」
二人はまた折った、今度は鳥だった。
その二人に対して瞬と加藤は花だった、今度の勝負も。
互角だった、そうした展開が遂に二十本目まで続いた、話の展開はいつも通り最後まで引き分けで進んだ。
そしてだ、最後の勝負でだった。
例によってだ、尚智は尚武に囁いた。
「わかってるな」
「ああ、今回もだよな」
「やるぞ、勝つ為に」
「あれをやるんだな」
「ああ、そうだよ」
まさにその通りだというのだ。
「あれをやって勝つぜ」
「そして写真集とDVDだな」
「ゲットするぜ、いいな」
「わかってるぜ、兄貴」
尚武は兄に確かな声で応えた、そして。
自分達のものを折る前にだ、何故かその場に。
まずはガスコンロを出した、それから。
フライパンも出した、そこからはじめたことは。
「何でそこで料理なんだ?」
「料理をはじめるんだ?」
「何の脈絡もないだろ」
「そんなことしても何にもならないだろ」
「腹ごしらえだよ」
「最後の勝負の前にな」
二人はこう言いつつだ、そのうえで。
調理をしていく、まな板も出して包丁の上で肉や野菜も切って。
フライパンの中に入れて焼いていた、その料理は。
「野菜炒めか」
「ごく普通のな」
「料理の手際はいいな」
「包丁の使い方もな」
観衆も二人の料理の腕はよしとした。
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