ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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戦闘校舎のフェニックス
フェニックス眷属対グレモリー眷属+兵藤一誠(1)
俺は人間界本家に戻ってから、魔力を蓄えつつドライグ達と鍛錬をしていた。今は座禅をして最終調整をしていたが、非公式だがサーゼクスも見るからな。気合を入れ直して、リアスには十分前になったら部室に行く事を昨日知らせてある。
俺は座禅を終えた後、とある人物達を迎えるべく玄関へ向かったら、玄関に着いたら丁度来たみたいだ。天使長ミカエルと堕天使総督アザゼルだったが、非公式のレーティングゲームを見ないか?と誘ったら即返事が来たから流石の俺も驚いた。
「お待たせしました一誠さん」
「待たせたな一ちゃん」
「いや大丈夫だ。さて俺達も行くが、サーゼクスが待つVIPルームへな」
俺が指パッチンしたら、三人の所に魔法陣が光りだして飛んだ場所はサーゼクスがいるVIPルーム。本来なら空間を歪ませて行くけど、今回は魔法陣での移動になった。俺達が飛んだ場所へと到着したら、周りは驚愕したがそれは当然だが、何せ天使長と総督だ。敵がここに来たのだと思うと、それは驚くだろうと思ってたら兵士達が来たので俺が止めた。
「静かにしろ。ここにいる天使長と総督は俺の客だから、もし攻撃をしてみろ?お前達ごと滅ぼしてもいいんだぜ」
周りは凍ったみたいに固まってしまったが、俺が少し殺気を出したからかもしれない。とそこにサーゼクスが来たので、場は固まる前の状態になった。
「やあ一誠君。聞きたい事があるんだが、どうしてミカエルとアザゼルがいるんだい?」
「別に連れてきても問題ないだろう。俺の客だし、このゲームを楽しみにしているのは俺もそうだがミカエルとアザゼルもそうだぞ」
「それはしょうがないね。こほん、皆驚愕しているだろうが彼の言う通りにしてくれたまえ。決して攻撃はするな、アガレスもだぞ」
『はっ!承知しました。サーゼクス様』
皆がそう言った時にグレイフィアが来たが、一瞬ミカエルとアザゼルを見たが俺が連れてきたと言うと静かに頷いた。
「一誠様、そろそろ十分前になります。準備は出来ておられますか?出来ているのであれば、私に着いてきて下さい。お嬢様の所へ参りますから」
静かに頷くとミカエルとアザゼルから応援の声が聞こえた。
「頑張れよ一ちゃん」
「楽しみにしてますから」
と言われたので手を振りながら着いていった。魔法陣が光りだしたと思ったら、部室に着いたようだ。グレイフィアの後ろにいたので、リアス達は俺がいることに気づいていないようだった。それとグレモリー眷属のユニフォームは、駒王学園の制服だがアーシアだけ違うと思えばシスター服だったからだ。
木場は手甲を装備し、脛当ても装着していた。剣は壁に立てかけているが俺のように擬態させる事は出来ないからな。そもそも聖剣エクスカリバーの力だしな。子猫ちゃんは椅子に座り、本を読んでいたが手にはオープンフィンガーグローブを装着済み。
「皆さん、準備はお済になられましたか?開始十分前です」
「一誠がまだなのだけど」
「一誠様でしたら、私の後ろにおりますよお嬢様」
俺が手を挙げたらリアスは納得したのか、顔は真剣になっていた。
「一誠、今までどこ行ってたの?貴方が来ないから心配してたわ」
「悪い悪い。さっきまでサーゼクスの所にいた。俺の友人を連れてな」
「開始時間になりましたら、ここの魔法陣から戦闘フィールドへ転送されます。場所は異空間に作られた戦闘用の世界。そこではどんなに派手な事をしても構いませんし、使い捨ての空間なので思う存分にどうぞ」
グレイフィアの説明で今一ピンと来ないアーシアがいたから、行ってみると分かると言った。あっそういえば気になった事があったのでリアスに問うた。
「リアスちょいと聞いていいか?」
「何かしら?」
「リアスには、もう一人の『僧侶』がいるはずだがそいつはどうした?」
俺の質問を受けると、アーシア以外様子が可笑しかった。まるで腫物に触れてしまったような感じがしたし、空気が変わったが俺は気にしないように再度問うたが、皆は口を閉ざしたままだった。
「残念だけど、もう一人の『僧侶』は参加できないわ。いずれその事についても、話す時がくるでしょうね」
リアスは俺に目線を合わさないで言った。重たい空気の中、グレイフィアが口を開く。
「今回の『レーティングゲーム』は、両家の皆様も他の場所から中継でフィールドでの戦闘をご覧になられます。更に魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されておりますが、一誠様がお連れになった友人も拝見されてますのでそれをお忘れなきように」
「お兄様が?・・・・そう、お兄様が直接見られるのね。あと一誠が連れてきた友人というのが気になるけど、誰なのグレイフィア?」
そういえばまだ紹介されてなかったな。俺はグレイフィアに言って紹介した。
「俺が連れてきた友人はだな、天使長ミカエルと堕天使総督アザゼルだ」
『え?えええええええええええええええええええええええええええええ!』
皆は驚愕したが、それはそうだろう。敵の天使と堕天使を連れてきたという事を。
「いっ一誠、大丈夫なの」
「ああ、ちゃんと釘を刺しといたから問題はないはずだ」
と皆は驚愕したままだったがグレイフィアが発言した。それとさらりと言ったが、サーゼクスに関しては既に知っているのでスルーだ。天使・悪魔・堕天使の三すくみの中で、一番力を持っているのは悪魔である。
「そろそろ時間です。皆様、魔法陣の方へ」
グレイフィアに促されて、俺達は魔法陣へ集結する。
「なお一度あちらへ移動しますと終了するまで、魔法陣での転移は不可能となります」
魔法陣が光だしたが、紋様がグレモリーではなくゲーム用のだった。光を発して転移が始まってから、目を開けるとここは部室だったが、空を見ると転移成功した。アーシア以外は落ち着いていた。
『皆様。この度グレモリー家、フェニックス家の「レーティングゲーム」の審判役を担う事になりました。グレモリー家の使用人グレイフィアでございます』
校内放送でどうやら説明をしてくれるようだ。
『我が主、サーゼクス・ルシファー様の名の元、ご両家の戦いを見守らせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。早速ですが、今回のバトルフィールドはリアス様とライザー様のご意見を参考にし、リアス様が通う人間界の学び舎「駒王学園」のレプリカを異空間にご用意致しました。両陣営、転移された先が「本陣」でございます。リアス様の本陣が旧校舎のオカルト研究部の部室となり、ライザー様の「本陣」は新校舎の生徒会室でございます。「兵士」の方は「プロモーション」をする際、相手の「本陣」の周囲まで赴いて下さい』
確かにそうだが俺には関係ないが、一応作戦には指示通りに行動するが俺は遊撃だ。途中から、自由に行動させてもらう。それとプロモーションについては、『兵士』のみが使えるが相手陣地最深部に行かないと使用出来ない事になっている。
『なお、今回のゲームにはリアス様側に人間がおりますが今回は非公式なので参加させております。特別ルールにより、相手の「王」以外なら倒してもいいと言う事にします。それと、一誠様がお連れになられた天使長ミカエル様と堕天使総督のアザゼル様も見ておられますので、恥のない戦いをするようお願い致します』
ミカエルとアザゼルも見ているからな。これは燃えてきたぜ。
「一誠、あのルール知っていたの?」
「まあな。じゃないと俺が瞬殺してしまうし、それでは面白くないと思ってサーゼクスに打診してみたのさ」
「まあいいけどね。全員、この通信機を耳に付けて下さい」
朱乃がイヤホンマイクの通信機器を配る。俺も取り付けた。
「戦場ではこれで味方同士やり取り出来るわ」
これで離れた場所でもやりとりできる訳か。大事なアイテムだな。
『相棒には必要ないんじゃないのか?』
『一応保険さ。それにこの戦いでは、まだ俺の神器を見せる訳には行かないしな』
『それは楽しみだぞ相棒』
『開始のお時間になりました。なおこのゲームの制限時間は、人間界の夜明けまでです。ゲームスタートです』
キンコンカンコーンと鳴り響くチャイム、これが開始の合図のようだ。さてどう調理するか楽しみだ。
「さて、まずはライザーの『兵士』を撃破しないといけないわね。八名全員が『女王』に『プロモーション』したら厄介だわ」
リアスがソファに腰を下ろしながら言うが、俺も余裕だがリアスも意外と余裕らしいな。朱乃もお茶の準備をし始めるが、確かにレーティングゲームは短時間で終わるものではない。短期決戦もあるが大概は長時間使う。チェスのようにな。
「『レーティングゲーム』は戦場を使い込んでこそ意義がある。大抵の場合は、両陣営の本陣は砦か城、または塔になるわね。本陣と本陣の間に森や山、川、湖を挟んで大掛かりな戦闘をするのよ。今回は学校が舞台。祐斗」
「はい」
リアスに促され、木場がテーブルの上に地図を広げた。見たら学校の全体図だったが、よく見るとチェスのボードに倣っているらしい。リアスは旧校舎、新校舎の端っこを赤ペンで丸をした。俺達の本陣と相手の本陣に印を付けた。
「私達の本陣近辺に森があるわ。これは私達の領土と思って構わないけど、逆に新校舎はライザーの陣地ね。入った瞬間、相手の巣の中に入ったと思って頂戴。校舎は新校舎から丸見えだけど、ここをただ通過するのは危険だわ」
リアスはこう考えていたが、ここからは丸見えで吶喊したらあっという間に全滅してしまう。なので作戦でどこかを潰すのだろうと思った俺だが、ここから移動するのは魔法陣では無理だろう。ここからの移動は、自分の足のみ。空からってのも有りだが、リアス達は多分無理だろうし、目立つからな。
「新校舎に行くには裏の運動所からかな」
「普通ならそう考えるが妥当かもしれないけど、そんなの相手だって理解しているわ。運動場に下僕を配置するでしょうね。・・・・運動所にある部活棟。ここに『戦車』か『騎士』を置くかしら。いえ、運動場みたいに広い場所なら機動力が求められる。『騎士』を一名置いて、下に『兵士』三名となるから、四名配置かしら。それなら運動場全域を把握できる」
そこへ木場が意見を言う。
「部長、旧校舎寄りの体育館。これを先に占拠しませんか?ここを取れば新校舎までのルート確保できます。体育館は新校舎とも旧校舎とも隣接してますし、相手への牽制になります」
木場の意見に部長も頷く。
「ええ、私もそう思っていたわ。まずは体育館を取る。場所的に相手が投入してくるのは『戦車』かもしれない。室内だから、機動力の『騎士』よりも破壊力の『戦車』の方が特性を活かせるわ」
俺は理解出来るが、アーシアは分かってなさそうだ。戦略分析は大事だし、遊撃だが指示には従うさ。
「祐斗と小猫は、まず森にトラップを仕掛けて来て頂戴。予備の地図も持っていって、トラップ設置場所に印をつけるように。あとでそれをコピーして全員に配るわ」
「はい」
「・・・・了解」
命令されると、木場と小猫ちゃんは地図と怪しげなトラップグッズを手に持って部室を出て行った。俺は刀の整備をしていたが、いつでも出撃準備できるように。
「トラップ設置が完了するまで、他の皆は待機。あと朱乃」
「はい」
「祐斗と小猫が帰ってきたら、森周辺と空も含めて霧と幻術を掛けておいてくれる?勿論ライザー眷属のみ反応する仕組みよ。序盤はこんな感じかしら、中盤に動きが激しくなりそうだけど、霧と幻術の件、お願いね朱乃」
「分かりました、部長」
朱乃は了承した。
「俺とアーシアは何をすればいい?」
「アーシアは回復要員だから私の側にいて、一誠は序盤がトラップや霧と幻術が終わり次第動いてもらうわ。それまでは自由にしてていいわよ」
「そうか・・・・では俺の使い魔を使って空から様子見させるか」
俺は手をかざしてペルセフォネを呼んだ。ペルセフォネが肩に止まると、餌を取り出してから空からの様子見を頼んだ。
「動きがあったら連絡してくれ」
ペルセフォネ専用通信機器を渡して、耳につけた後飛ばした。
「一誠、あなた使い魔持ってたのね。初めて知ったわ」
「そりゃそうだろう。知らせていないんだし、あと一匹いるがまだ教えないよ」
俺は拳銃の弾倉に弾を詰めて、いつでも撃てるようにした。木場と小猫ちゃんが帰ってきたので、拳銃をしまい刀を持って立ち上がった。俺は、小猫ちゃんと一緒に体育館に行く事になったから旧校舎の玄関へ出て気合を入れた。
「いい?一誠に小猫。体育館に入ったらバトルは避けられないから、指示通りに頼むわね。あそこは重要な場所になるわ」
玄関まで見送りに来てくれたリアス。隣で小猫ちゃんは頷くが、目的地は体育館。そこで起こるであろうバトルに勝つ事だし、俺は負ける訳がない。
「では僕も動きます」
と言った木場も剣を腰に携えて出向く準備をしていた。
「祐斗、例の指示通りに動いて頂戴」
「了解」
「アーシアは私と待機。一誠達の合図があったら、私と共に前へ出るわ。絶対に貴女はやられちゃダメよ。回復サポート要員が倒れられたら、元も子もないわ」
「はっはい!」
アーシアも緊張しながら元気よく返事をしたが、アーシアの回復能力はリアス達の生命線ともなる。回復があるから、リアス達は多少の無茶ができる。
「朱乃は頃合を見計らって、お願いね」
「はい部長」
最強の下僕である朱乃。朱乃の動きで、全てが決まると言われているからか、ニコニコ顔の奥に潜んだ凶悪な魔力の一撃を期待してる。全員の確認を取ると、リアスが一歩前へ出た。
「さて、私の可愛い下僕達と一誠。準備はいいかしら?もう引き返せないわ。敵は、不死身のフェニックス家の中でも有望視されている才児ライザー・フェニックス。さあ!消し飛ばしてあげましょう!」
『はい!』
「おうよ」
全員で返事をしたと同時に駈け出した!俺と小猫ちゃんと木場が旧校舎を離れていく。
「一誠さん!皆さん!頑張って下さい!」
アーシアの応援が背後から聞こえるが、俺達は腕をあげて振ってみせた。体育館に向かって走り出した俺達だが、途中から木場が別方向へ足を向ける。最初から木場とはそこで別れる算段だ。
「じゃあ先で待っているよ!」
「先で待っていろ!瞬殺してくるぜ」
お互い別れの挨拶を決め込んで、散開する。木場は木場の仕事があるらしいが、俺は俺と一緒に行く小猫ちゃんと仕事する為に体育館へ向かう。俺と小猫ちゃんは、正面から新校舎と繋がっている為、そこからは入れない。侵入がバレるからだ。
体育館の裏側にある裏口から侵入を試みて、そこへ向かい扉のノブを回す。開いてるから鍵はかかってない。この体育館は、外観だけでもリアルだろうと思うがここまで再現するのか?裏口から入ると演壇の裏側だが、演壇には幕がかかっていない為、内部が丸見えになっていた。演壇の端っこから、コートを見ようとしたら俺は気配で理解したが小猫ちゃんがぼそりと呟く。
「・・・・気配。敵」
「ああ敵だ。数は三、いや四人だな」
呟いたら体育館に大声が響く。
「そこにいるのは分かっているわよ、グレモリーの下僕さん達!貴方達がここへ入り込むのを監視してたんだから」
女の声だが、やはり侵入を見られていた。俺と小猫ちゃんは、堂々と檀上に現れる。体育館のコートには女性悪魔四名の内、チャイナドレスの女と双子と俺が吹っ飛ばした奴がいた。確かミラって奴だったな。チャイナドレスは『戦車』他の三人は『兵士』だろう。俺は刀を空間から取り出して鞘を持った。
「・・・・一誠先輩は『兵士』をお願いします。私は『戦車』を」
「了解した。そっちは任せたぜ」
俺と小猫ちゃんは互いに相手と対峙する。ミラって子は棍で構える。あの双子は、小型のチェーンソーを持っていた。エンジンスタートして、危険な音を立てながらチェーンソーに火が入った。
「解体しまーす♪」
双子が同時で、楽しそうに宣言したので俺は刀を抜いた。チェーンソーを振ってきたので、刀で抑えたが、火花が出たけど俺の刀は強度はあるからチェーンソーを受けても平気だった。受け止めた後、一度後退後に態勢を立て直した。
「もう、いい加減バラバラになりなさい。バラバラバラバラ!」
俺は、走りだしながら刀を鞘に戻して抜刀術に入った。双子とすれ違った瞬間刀を抜いて、一気に抜刀してから鞘へ戻したらチェーンソーはバラバラとなった。棍を持ったミラと言う子は、俺に向けて棍を突き出したが俺は人差し指一本で止めた。
「う、嘘でしょう。指一本で私の棍を止めるなんて!」
「ふん。これでも喰らえ!」
指を押してから刀で峰打ち。ミラと言う子は壁に激突したが、光になって消えてしまった。
『ライザー・フェニックス様の「兵士」一名、リタイア』
作戦としては予定外だが、いいかと思いながら双子達を見た。
「武器は壊されましたが、私達はまだまだやれます。行くよ」
俺は刀を裏返しにして刃がない部分で柄を握った。戦おうとして、小猫ちゃんを見たら結果は見えていたら、ここでリアスから通信が入った。
『一誠、小猫。聞こえる?私よ』
「聞こえるぜ。少々予定外だが『兵士』一名撃破したが問題ないよな?」
と言いながら双子を戦闘不能にして叩き込んだ。立ち上がれない程度にした。
『それは結構よ。凄いわね一誠。撃破してしまう何て。それより朱乃の準備が整ったわ!例の作戦通りにお願いね!』
リアスのオーダーが入ったので、俺と小猫ちゃんは急いで外へ出た。
「逃げる気!ここは重要拠点なのに!」
俺達の行動に驚くライザーの下僕達だが、ここは重要拠点とも言える場所で旧校舎と新校舎を繋いでいる。チェスで言う所の『センター』でここを囮として使った。俺達は中央口から飛び出た瞬間、轟音と共に巨大な雷が体育館へ降り注いだ。雷が止んだ時、目の前にあったはずの体育館は消失していた。
「撃破」
朱乃の声が聞こえたので、後ろを振り返るとニコニコ顔の朱乃が黒い翼を広げて空に浮いていた。右手を天にかざしているが、その手はパチパチと電気が走っていた。
『ライザー・フェニックス様の「兵士」二名「戦車」一名、リタイア』
審判役のグレイフィアの声がフィールド中に響く。以前木場に聞いた事がある。
『「雷の巫女」それが朱乃さんの通り名。部長が正規のゲームが出来る年齢じゃないから、まだ朱乃さんは知る人ぞ知る存在だけど、それでも一部の者の間では有名になっているんだ』
とね。
「やったな。小猫ちゃん」
「・・・・はい。これも先輩のお蔭です。まさか『兵士』を一名撃破する何て驚きです」
刀を再び空間の中にしまい小猫ちゃんと会話したが、何か嫌な感じはすると思いながら警戒しているとリアスから通信が入った。
『皆、聞こえる?朱乃が最高の一撃を派手に決めたわ。これで最初の作戦は上手く出来たわね』
耳に付けた通信機器からリアスの声が聞こえる。何やら嬉しそうな声だ。リアスの作戦は、重要ポイントと思われる体育館を破壊する事で、相手の下僕を巻き込む事を前提にした作戦。俺と小猫ちゃんは、裏から侵入したがこれは相手が監視している事を承知でやった演技。
相手の下僕も体育館に入り込ませて、バトルするように仕向けるが、ある程度戦闘したら俺達は逃げるだけだった。俺は、一名撃破してしまったが問題は無い。天空から朱乃が体育館ごと一網打尽となり、俺らは檻に入れる為の餌だった。
檻に入った所で餌は取り払われ、檻ごと処分となった。すると俺が放った使い魔から情報が来たが、何でも俺ら上空に悪魔がいるとの事だ。俺は小猫ちゃんにそれを言って、警戒を更に強めながらリアスは話を続ける。
『あの雷は、一度放ったら二度目を撃つまで時間がかかるの。連発は不可能だから、相手の方が数では上なのよ。朱乃の魔力が回復次第私達も前へ出るから、それまで各自にお願いするわね。次の作戦に向けて動き出して頂戴!』
通信が終わると、今度は使い魔から連絡が来た。空からどんどん近づいてきているようなので、空から撃破されるなと思いながら歩いてる。魔力反応があったので、俺は咄嗟に小猫ちゃんを抱えてから結界を張った。
その瞬間俺達の周りは爆発に包まれながら謎の声が聞こえた。
「撃破」
と。謎の声を見上げると煙で見えなかったが俺には見えるが、翼を広げて空に浮遊している人影を発見した。フードを被り、魔導師の格好をしている女性。ライザーの『女王』みたいだ。
「ふふふ。獲物を狩る時、獲物が何かをやり遂げた瞬間が一番隙だらけとなっていて、狩りやすい。こちらは、多少の駒を『犠牲』にしても貴方達を一つ狩れば十分。ただでさえメンバー不足なのですもの。それだけで大打撃でしょう?どうせ私達を倒してもライザー様は倒せない。足掻いても無駄よ」
謎の声が聞こえてきて、煙が晴れたのと同時に結界を解除して刀を抜いて一気に飛んだ。彼女は驚愕しながらも、炎の魔術で攻撃してきたが空中で避けながら彼女の翼を斬り落とした。降下中に一気に刀で貫いたと同時に光出して消えたからか、着地したら小猫ちゃんが寄ってきた。それと相手『女王』の二つ名は『爆弾王妃』と呼ばれているが、センスが無くて好きじゃないんだと。
『ライザー・フェニックス様の「女王」一名、リタイア』
「・・・・いつ気付いたのですか?一誠先輩」
「俺の使い魔を飛ばして上空からな。そしたら魔力感知したので、小猫ちゃんを抱えて結界を張った。そんで爆発した訳で、煙が晴れたと同時に一気に撃破という寸法さ」
『私よ。誰が「女王」を倒したの!まさか朱乃?』
「俺です。一気にやったら撃破しました」
『一誠が・・・・貴方強いわね。流石お兄様の師範と言った所かしら。祐斗と合流して頂戴ね』
「了解した」
上空にいた朱乃がこっちに合流したが、さっきの爆発音で加勢しに来たようだった。
「小猫ちゃん、大丈夫でしたか?」
「・・・・はい。先輩が守って下さいました」
「一誠さんは、どうやって倒しましたの?」
と聞かれたので、俺はさっき小猫ちゃんに話した事と同じ事を話した。
「あらあら。お強いですわね一誠さん。さて私達も祐斗君と合流しましょうか」
「その前に朱乃を回復しないとな」
俺は両手をかざして金色のオーラを朱乃に与えたら、さっきまで魔力がなかったのが全回復した。ついでに小猫ちゃんも回復させた。
「ありがとうございます。お蔭でまたあの一撃クラスが放てますわ」
感謝後走ったが、俺と朱乃と小猫ちゃんは木場が待つ運動場へ向かった。戦いは、序盤から中盤へ移ろうとしていた。
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