ドリトル先生の水族館
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第四幕その一
第四幕 哺乳類
先生はジュゴンのコーナーにも来ました。お隣にはマナティーもいます。動物の皆はその生きもの達を見つつ先生に尋ねました。
「ええと、何かね」
「ジュゴンとマナティーって似てるけれど」
「微妙に違うよね」
「そうだよね」
「そうだよ、同じ海牛目だけれどね」
それでもというのです。
「違うんだよ」
「細かいところがね」
「例えばジュゴンの尾びれは三角みたいな形だけれどね」
「マナティーは丸いしね」
「他のところだってね」
「幾つか違うところあるね」
「何かとね」
「そうなんだよ、まあそれでも同じ海牛目だからね」
それでというのです。
「同じ様なところも多いよ」
「大人しいしね」
「優しい生きもの達だよね」
「見ていてものんびりするし」
「いい感じの生きものだと思うわ」
「僕もそう思うよ。じゃあこの子達の診察もするよ」
ジュゴンやマナティー達もというのです。
「それじゃあね」
「よし、それじゃあ」
「今からね」
「ジュゴンさんやマナティーさんの診察もして」
「大丈夫かどうか診るんだね」
「そうするよ。じゃあ診察をはじめよう」
ジュゴンやマナティー達のです、先生は係の人にお話してでした。
診察をはじめました、すると。
ここで、です。先生は係のお兄さんに言いました。
「水温が」
「ジュゴンやマナティー達のいる」
「はい、少し低い感じです」
「そうなんですか」
「この子達は熱帯の海にいますね」
「はい、それでその水温にしましたが」
「ですが少し低い感じですね」
先生は水槽、海水になっているそれの水温もチェックしてから言うのでした。
「少しですが」
「調整はしているのですが」
「はい、ですが熱帯だと外の気温も高いですね」
「あっ、だからですね」
係の人もここで気付いて言いました。
「ここは神戸で」
「そうです、熱帯に比べるとずっと涼しいです」
「外の気温が水にも影響して」
「それで少しなのですが」
「低くなっているんですね」
「この子達の適温にはです」
少し低いというのです。
「そうなっています」
「そういうことですね、水温は考えていても」
「外の気温のことは、ですか」
「そこまでは頭に入れていませんでした」
係の人はしまった、というお顔で先生に答えました。
「だから水温も低くなっていたんですね」
「外の気温の影響を受けて」
「わかりました、じゃあ水温自体をです」
「調整されて」
「少し高くします」
そうするというのです。
「外の気温は」
「ここは、ですね」
先生はその外、水槽の上の係の人達がそこからジュゴンやマナティー達の世話をする場所を見回して言いました。
「屋根はありますが広いですし」
「クーラーはないです」
「クーラーを付けたら予算がかかりますね」
「どうしても」
「では水温自体をです」
それそのものをというのです。
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